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アマゾン、総収入予想がカギ 8月1日決算 設備投資は不安材料に

アマゾンの4-6月期決算は総収入が減速する見通し。7-9月期の予想も期待外れに終われば、株価には下落圧力がかかりそうだ。

アマゾン、総収入予想がカギ 8月1日決算 設備投資は不安材料に 出所:ゲッティ

アマゾン・コムが8月1日の取引時間終了後に行う2024年4-6月期決算発表は、7-9月期の見通しが焦点となりそうだ。4-6月期については総収入の伸びが減速すると予想されている中で、7-9月期についてもさらなる減速予想が示されれば株価に下落圧力がかかるとみられる。また、投資家の関心が高いクラウド事業の成長性を示すことができないケースや、設備投資の増加が収益を圧迫するといった悪いシナリオが想起されるケースでも、投資家の不満は強まりそうだ。

アマゾンの4-6月期決算は10%増収の見通し

アマゾンはアメリカ東部時間8月1日午後5時30分(日本時間2日午前6時30分)に決算会見を開く。LSEGのデータによると、アマゾンの4-6月期決算は、総収入が前年同期比10.5%増の1485.30億ドル、1株当たり利益(EPS)は56.9%増の1.02ドルと予想されている。アマゾンは過去17回の四半期決算のうち4回で、総収入が市場予想を下回った。1株当たり利益では、5回市場予想をクリアできなかった。

アマゾンの業績(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移のグラフ

アマゾンの株価(AMZN)の24日の終値は180.83ドル。2023年末比での上昇率は19.01%だ。7月2日と5日には上場来高値の200.00ドルをつけたが、その後は連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通し浸透に伴う中小型株シフトなどの影響で、他の大手ハイテク各社の株価と同様に下落基調となっている。また、前回(1-3月期)決算発表があった4月30日からの上昇率は3.33%で、やはり勢いに欠けている状態だ。

LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は34.29倍。前回決算発表前の39倍程度から割高感が和らいでいる。また、クラウド事業で競合するマイクロソフト(MSFT)の31.83倍とは大差ない水準だ。一方、アルファベット(GOOGL)の20.93倍に対しては割高といえそうだ。

アナリストが提示する目標株価の平均は228.24ドルで、現状よりも26%ほど高い。このところは240ドルに引き上げる動きも出ている。61人のアナリストのうち17人は強い買い、43人は買いを推奨。残る1人は維持を勧めている。

クラウド事業の成長性や設備投資負担の見通しも焦点に

アマゾンの株価上昇が勢いを欠いているのは総収入の成長が投資家の期待に届いていないためだ。前回の決算発表時は、4-6月期の総収入の見通しが市場予想に満たなかったことが株価の重荷になった。また、今回の4-6月期決算発表で、総収入や1株当たり利益が事前予想通りの10.6%増になったとしても、1-3月期の12.5%増からは伸び率が低下する。さらに7-9月期の見通しが事前予想に達しなければ、株価下落につながる可能性がありそうだ。LSEGによると、7-9月期の総収入は前年同期比10.6%増の1582.35億ドルが見込まれている。

また、1日の決算発表では人工知能(AI)サービスの提供基盤として成長が期待されるクラウド事業の実績も注目されそうだ。4-6月期のクラウド事業の収入は前年同期比16.9%増の258.83億ドルになる見通しだが、期待に応えられなければ、やはりアマゾンの成長性に疑問符をつけられる可能性がある。

アマゾンのクラウド事業の収入と伸び率の推移のグラフ

ただ、仮にアマゾンがクラウド事業の成長性を示したとしても、投資家の関心はコスト面にも向かいそうだ。23日のアルファベットの決算発表では、総収入と1株当たり利益が市場予想を超えたものの、AI開発に関連した高水準の設備投資が下半期も続くとされたことが悪材料になった。アマゾンのプライアン・オルサブスキーCFOは4月の決算会見で2024年の設備投資が2023年よりも「かなり大きくなる」としており、今回の決算発表でも同様の説明があれば、投資家の不満が強まることも考えられそうだ。


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