アマゾン株、好決算で5%上昇 クラウドの成長ペース維持 利益3倍
アマゾンが7-9月期決算でクラウド事業の成長性を維持した。コスト削減効果で利益も急増し、株価は5%上昇した。
アマゾンが26日の取引時間後に発表した2023年7-9月期決算は1株当たり利益が3倍超に膨らむ好決算だった。人工知能(AI)サービスの提供基盤となるクラウド事業の成長率は4-6月期とほぼ同じ水準を維持。アンディ・ジャシーCEOは決算会見で、顧客企業が支出を見直す動きが和らいできているとして、今後に自信を示した。また物流網効率化などの結果、北米事業や国際事業の収益性も大きく改善しており、株価は26日の時間外取引で直前の終値から5%超の上昇をみせた。
アマゾンの7-9月期決算はEPSが3.4倍に
アマゾンの7-9月期決算は、総収入が前年同期比12.6%増の1430.83億ドル。1株当たり利益(EPS)が約3.4倍の0.94ドルだった。金融情報会社リフィニティブのデータによると、決算発表直前の市場予想は総収入が1414.06億ドル、1株当たり利益が0.58ドルだった。発表された実績はいずれも事前予想を上回る好決算。なかでも1株当たり利益は2021年10-12月期(1.39ドル)以来の高水準となった。
高い成長性が期待されているクラウド事業の売り上げは230.59億ドルで、前年同期比12.3%増。2021年に記録した40%近い成長率からは大きく落ち込んでいるが、4-6月期(12.2%増)の水準を維持した。ジャシー氏は決算会見で、クラウドの成長率を鈍化させてきた企業が支出を絞り込む傾向について、「大きく和らいできた」と言及。AIサービスへの需要の強さなどを理由にして、クラウド事業の将来性に自信を示した。
北米事業や国際事業の収益が大きく改善
また新型コロナウイルス感染拡大中のインターネット通販需要拡大などの反動で収益性が落ち込んでいた北米事業や国際事業も業績が大きく改善している。北米事業の営業利益は43.07億ドルで、収益悪化前の実績を超えた。また国際事業の営業赤字は約1億ドルまで縮小し、10-12月期に10四半期ぶりの黒字転換が期待できる状態だ。アマゾンは物流網の大規模な見直しによるコスト削減を進めており、成果が着実に現れているようだ。
こうした決算を受けて、アマゾンの株価(AMZN)は26日の時間外取引を約126ドルで終えた。26日の終値(119.57ドル)からの上昇率は5.32%で、投資家の期待をつなぎとめることに成功した。大手ハイテク企業の7-9月期決算発表後の値動きでは、グーグルなどを傘下にもつアルファベット(GOOGL)がクラウド事業の成長率を4-6月期から低下させて、翌日の株価が9%超下落する事態に見舞われていた。
一方、アマゾンは10-12月期の総収入について、1600億-1670億ドルの水準を示した。前年同期比では7.2-11.9%増にあたる。リフィニティブによると、アナリストの間ではアマゾンの目標株価を190ドルに引き上げる動きも出ている。
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