アマゾン、株価上昇にブレーキも 6日決算 設備投資増加見通し
アマゾンの10-12月期決算は小売り関連事業とクラウドの両方で成長ペースが伸びない見通し。設備投資負担も相まって株価が下落する可能性もある。
アマゾン・コムが2月6日に行う2024年10-12月期決算は好調な株価にとっての試練になる可能性がある。アマゾンの株価は10月末の前回(7-9月期)決算発表が好感され、足元までに株価は大きく上昇。しかし10-12月期は小売り関連事業とクラウド事業の両方で成長ペースが伸びない見通しで、株価上昇にブレーキがかかる可能性がある。また、人工知能(AI)開発やサービス展開で膨らむ設備投資は懸念材料といえ、2025年に急増するとの見通しが示されれば、投資家の不安が膨らむおそれも拭えない。中国発のAI企業への注目が株式市場を揺らす中、アンディ・ジャシーCEOの戦略にも注目が集まりそうだ。
アマゾンの2024年10-12月期決算は増収増益の見通し
アマゾンはアメリカ東部時間2月6日午後5時(日本時間2月7日午前7時)に決算会見を開く。ブルームバーグによると、アマゾンの10-12月期決算に関する市場予想は、総収入が前年同期比10.2%増の1873億ドルの見通し。また、1株当たり利益(EPS)は50.0%増の1.5ドルになるとみられている。アマゾンは直近19回の四半期決算のうち6回で総収入が市場予想を下回った。1株当たり利益では5回で市場予想をクリアできなかった。
アマゾンの株価は2024年に44%上昇 最高値更新が続く
アマゾンの株価(AMZN)は2024年に44.39%高となり、S&P500種株価指数(SPX)の23.31%高を上回った。29日の終値は237.07ドルで、2024年末比での上昇率は8.06%だ。前回(7-9月期)の決算発表は小売り関連事業とクラウド事業がともに好調で、株価上昇を勢いづけた。その後は上場来高値の更新が続き、1月28日にも記録を塗り替える238.15ドルをつけた。
ブルムーバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は約32倍。前回決算発表当日の10月31日の28倍程度から割高感が増しているが、2020年以降の平均値(44倍程度)は下回っている。アナリストが提示する目標株価の平均は約250ドルで、現状よりも6%ほど高い。1月下旬に入ってからは300ドル台に引き上げる動きもある。84人のアナリストのうち79人は買いを推奨。4人は維持、1人は売りを勧めている。
10-12月期の小売関連事業は成長率が鈍化か クラウド事業は伸び率横ばい見通し
アマゾンの株価が好調な背景には着実な成長がある。7-9月期はインターネット通販など小売り関連事業の収入が前年同期比8.2%増の1045億ドルとなり、4-6月期の7.2%増を上回る成長をみせた。またAIサービスの提供基盤として成長が期待されるクラウド事業の7-9月期の成長は19.1%増で、4-6月期の18.7%を上回った。
ただ、この好調な業績が10-12月期も維持されるかは不透明だ。ブルームバーグによると、10-12月期の収入は、小売り関連事業が前年同期比7.4%増で前期から成長が減速する見通し。クラウド事業は19.1%増が見込まれ、伸び率は前期から横ばいとの予想だ。株価上昇の前提となってきた着実な成長にブレーキがかかったとみなされれば、株価に下落圧力がかかる可能性もありそうだ。
2025年の設備投資額の見通しは? 急増なら株価に不安も
また、AI開発やサービス展開に力を注ぐ大手ハイテク企業には設備投資負担の重さという課題もつきまとう。アマゾンは2024年の設備投資額について750億ドルとの見通しを示しており、前年比では5割以上の上昇となる。ジャシー氏は前回の決算会見で2025年の設備投資額は2024年よりも大きくなると述べているが、6日の決算発表で規模感が明らかになれば、投資家の不安が高まることも考えられる。
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