アマゾン、総収入成長加速 株価上昇 クラウド事業の見通しに自信
アマゾンの7-9月期決算は小売りとクラウドの両事業がともに好調。クラウド事業は利益率も上昇した。2025年も設備投資を上積みするが、株価は上昇した。
アマゾン・コムが31日の取引時間終了後に発表した2024年7-9月期決算は総収入の成長が加速した。小売り関連事業も、人工知能(AI)サービスの提供基盤となっているクラウド関連事業も伸び率が4-6月期よりも大きくなっており、順調な成長が示された形だ。またクラウド事業は利益率も上昇しており、成長の見通しへの自信も感じられる。アンディ・ジャシーCEOは決算会見で2025年の設備投資額の積み増しにも言及したが、株式市場では利益圧迫要因としての懸念は強まらず、時間外取引で株価は上昇した。
アマゾンの2024年7-9月期は総収入と利益がともに市場予想超え
アマゾンの7-9月期決算は総収入が前年同期比11.0%増の1588.77億ドル。4-6月期の10.1%増から伸びが加速した。またブルムーバーグがまとめた直前の市場予想の1572億ドルも上回っている。一方、1株当たり利益(EPS)は52.1%増の1.43ドルで、こちらは4-6月期の93.8%増からは減速。とはいえ市場予想の1.16ドルは大きく上回った。
小売り事業は成長加速 クラウド事業は利益率も向上
総収入の好調さは小売り事業とクラウド事業の両面から裏付けられる。小売り関連事業の7-9月期の収入は前年同期比8.2%増の1045億ドルで、4-6月期の7.2%増から成長が加速した。プライム・デーの割引セールや配達にかかる日数の短縮、幅広い品ぞろえなどの要素が顧客に受け入れられているという。
またクラウド事業の収入は前年同期比19.1%増の274億ドル。こちらも4-6月期の18.7%増から成長がペースアップしている。前四半期よりも成長率が高くなるのは5四半期連続だ。ジャシー氏は決算会見で「クラウド事業の成長が大きく再加速している」と満足感を示した。
また、クラウド事業の営業利益率は38.1%となり、やはり4-6月期(35.5%)よりも高くなっている。ブライアン・オルサブスキーCFOは決算会見で、利益率アップの背景について収入規模の拡大や経営の効率化に加え、2024年からサーバーの会計上の耐用年数を伸ばしたことを挙げた。「4-6月期のクラウド事業の利益率を約2%ポイント上げる効果があった」としている。
アマゾンは2025年の設備投資を増額する見通し 株価は上昇
こうしたクラウド事業の好調さを受け、アマゾンは2025年の設備投資額を上積みする方針だ。2024年の設備投資額は750億ドルとなる見通しだが、ジャシー氏は「2025年はより多くの金額を使うことになるとみている。大半はクラウド事業に向けられる」述べた。ジャシー氏はAIサービスは「人生に一度あるかないかというレベルの非常に大きなビジネスの機会だ」と述べ、投資を続ける考えをしめしている。
好決算を受けてアマゾンの株価(AMZN)は31日の時間外取引で上昇。11月1日も199ドル程度まで上昇しており、前日終値(186.40ドル)との比較では6.8%程度の値上がりとなっている。
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