円高と日銀サプライズで自動車メーカーの株価が下落
トヨタ、日産、ホンダの株価は、円高と米国の景気後退懸念、および日銀のサプライズ修正により、この4日間で下落した。
円高と米国の景気後退への懸念により、日本のトップ自動車メーカーの株価は、過去4取引日にわたって下落した。さらに、日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)政策の下での、10年国債金利の許容上限を引き上げるというサプライズ決定もこれを後押しした。12月15日以降、トヨタ自動車(7203)は8.6%、日産自動車(7201)は10.9%、本田技研工業(7267)は7.9%、それぞれ下落している。
円高をきっかけに下落が始まった
日本のトップ自動車メーカーは、利益のかなりの部分を輸出から得ている。例えば、トヨタは2022年1月から10月までに、国外で685万台の自動車を販売した。 自動車メーカーは過去6か月間、円安の恩恵を受けてきた。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が2022年の最終会合で0.5%の利上げを決定したことを受け、12月15日から円高ドル安が始まっている。米国中央銀行のタカ派的な姿勢が続いたこともあり、市場はインフレ懸念から景気後退懸念へと変化し、株式市場全般への圧力が強まった。日本銀行が14日に発表した「短観(全国企業短期経済観測調査)」では、大手製造業の景況感が4四半期連続で低下していると明らかになった。
トヨタは15日の1,978円から19日の終値で1,910円まで下落した。同期間に、日産は464円から450円、ホンダは3,298円から3,218円下落している。
日銀の決定がさらなる下落を招く
12月20日、日銀はYCC政策の10年国債金利の変動許容幅を±0.25%から±0.5%に引き上げ、さらに毎月の国債購入量も増やすと発表した。この声明では、新型コロナウイルス対策の緩和に伴う経済活動の再開によって日本経済は持ち直しているものの、海外経済の回復ペースは鈍化していると指摘している。コモディティ価格の高騰が引き続き下落の要因となり、エネルギー、食料、耐久財の価格上昇により、CPI(消費者物価指数)は年末にかけて上昇すると予想される。
日銀は物価安定の目標である2%の達成を目指し、量的・質的金融緩和を継続すると発表した。しかし、YCC政策を修正する動きはサプライズとなり、円相場は1ドル137円から133円に急騰、日経平均株価は2.5%近く急落することとなった。
12月21日、トヨタは1,808円、日産は413円、ホンダは3,038円で取引を終えている。米ドル/円は終値で131円弱となった。
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