【ドル円 (USD/JPY)】焦点はFOMCと1月の米雇用統計 / 注目のチャートポイント
今週は米英の中銀イベントの他、米欧中の重要経済指標の発表が重なる。なかでも市場参加者の関心が高いのが、米連邦公開市場委員会(FOMC)と1月の米雇用統計である。それぞれの注目ポイントは?今週のドル円(USD/JPY)の見通しと注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米連邦公開市場委員会(FOMC)の焦点は、パウエルFRB議長の会見内容となろう
・米国の重要経済指標では、1月の雇用統計に市場参加者の関心が集まるだろう
・ドル円の上昇局面では、148.50ブレイクと149円台への上昇が焦点に
・ドル円の下落局面では、146.60レベルの攻防に注目したい
米連邦公開市場委員会(FOMC)の注目ポイント
今週の外為市場、特に米ドル相場はアメリカの重要イベントで上下に振れる展開が予想される。なかでも市場参加者の関心は、1月30~31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に集まろう。
今年1月に入り発表された重要な経済指標では労働市場、個人消費、そして景気の底堅さが相次いで示された。
そして米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は今月16日の講演で、今年の利下げの可能性を示唆するも政策の軌道修正は急がず、秩序立った慎重なペースで進めるべきと述べた。
これら一連の状況を受け、短期金融市場では現在、3月の利下げ確率が40%台まで低下している。24年の政策金利の見通しも上方に修正される状況にある(下のチャート、赤ラインを参照)。
米国 政策金利の予想推移
1月のFOMCでは政策金利の据え置きが決定される公算が大きい。ゆえに、市場参加者の関心はパウエルFRB議長の記者会見に集中するだろう。
先週の25日、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は理事会後の会見で経済の成長リスクが下方にあることを指摘した。また、今夏以降の利下げの可能性を示唆した。
パウエルFRB議長も利下げの見通しについて言及する可能性がある。しかし、欧州と違い米国は景気の底堅さを維持している。この景況感の格差を考えるならば、ラガルドECB総裁と違いパウエルFRB議長には、今後の景気とインフレの動向をさらに見極めるための時間的な余裕がある。
また、鈍化の傾向にあるとはいえ、インフレ再燃のリスクが完全に潰えていない状況も考えるならば、ウォラー理事と同じく、パウエルFRB議長は性急な利下げ政策への転換について否定的な見解を示す可能性があろう。
実際にパウエルFRB議長が市場の利下げ観測をけん制する場合は、「早期の利下げ期待がさらに後退→米金利が反発基調を維持→米ドル買い」の展開を想定しておきたい。
FOMC以上に重要な米国の経済指標
米国の経済は堅調さを維持する一方でインフレは鈍化の傾向にある。これらの状況を考慮し、パウエルFRB議長はデータ重視の姿勢を踏襲する可能性が高い。
データ次第で米金融政策の方向性が決まるということは、今週、FOMCと同等かそれ以上に市場参加者の関心を集めることになるのが、重要な経済指標の内容となろう。
30日以降、1月の消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、12月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数、1月のADP雇用統計、第4四半期の雇用コスト指数、週間の新規失業保険申請件数、1月のISM製造業景気指数そして1月の雇用統計と、今週は重要な経済指標が順次発表される。
いずれも外為市場(特に米ドル相場)の変動要因になり得る。なかでも市場参加者の関心は、1月の雇用統計に集まるだろう。
現時点での市場予想は、以下のとおりである(下のチャート、赤の棒グラフとドットを参照)。
前回の雇用統計(23年12月分)では労働市場の底堅さが示された。1月も同様の状況が示される場合は、市場が抱く利下げ期待が後退しよう。このケースでは、米ドル高の展開を想定しておきたい。
一方、労働市場の軟化、特に非農業部門雇用者数変化と失業率がその状況を示す場合は、米金利の低下と米ドル安の展開を想定しておきたい。
米国の雇用統計 の各項目の動向:月次23年以降
ドル円、今週の見通しとチャートポイント
上昇局面でのチャートポイント
ドル円(USD/JPY)のトレンドを日足チャートで確認すると、先週24日の反発を受け、IG為替レポートで注目している146.60レベルがサポートの水準へ転換する可能性が出てきた。
21日線(今日現在145.95レベル)と50日線(今日現在145.45レベル)でゴールデンクロスが発生したことも考えるならば、ドル円は地合いの底堅さを維持している。
ゆえに今週のドル円は、日足ローソク足の実体ベースで148.50レベルを上方ブレイクし、新たな上値の水準をトライするかどうか?この点が焦点のひとつとなろう。
上で述べたパウエルFRB議長の会見内容と経済指標が米金利の上昇と米ドル買いの要因となる場合、ドル円はレジスタンスの水準として意識されている148.50レベルを完全に突破することが予想される。
ドル円が148円ミドルの攻防を制する場合は、そのまま148.80レベル(1月19日高値)をトライする可能性がある。
一方、148円ミドルを突破した後にドル円が反落する場合は、この水準がサポートの水準へ転換するかどうか?この点に注目したい。後者のサポート転換は、ドル円の地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
ドル円のチャート:日足
下落局面でのチャートポイント
一方、FOMCや経済指標が米ドル安の要因となる場合は、ドル円(USD/JPY)の下値トライを想定しておきたい。
このケースでは、サポート転換の兆しが出ている146.60レベルを目先の重要なサポート水準と想定しておきたい。
ドル円がこの水準(146.60レベル)を完全に下方ブレイクする場合は、146.00レベルの維持が焦点として浮上しよう。
なお、146.00レベルは今月上旬から中旬にかけて相場の反発を止めた経緯がある(上の日足チャートを参照)。ゆえに146.60レベルと同じく、サポートへ転換する可能性のある水準として注目したい。
ドル円が146.60レベルをトライするシグナルとして、先週26日のIG為替レポートで取り上げた147.00-10ゾーンの攻防に注目したい(下のチャートを参照)。
先週26日のNY時間に相場をサポートした147.40レベルの下方ブレイクは、147.00-10レベルをトライするシグナルとして注目したい。
ドル円のチャート:1時間足1月23日以降
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