金価格が年初来高値に迫る SVB破綻後5%上昇 金融危機不安で資金流入
シリコンバレーバンク(SVB)経営破綻を機に金価格が上昇している。15日までの伸び率は5.3%で、資金の逃避先として意識されている。
米国のシリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻を機に金価格が上昇している。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場では15日、取引の中心である4月物が1トロイオンス=1931.3ドルをつけ、SVB破綻前日(9日)からの上昇率は5.3%となった。16日は経営不安にさらされていた中堅銀行への支援策が市場の安心材料となり、金価格は0.4%安となったが、金融危機不安の中で金が資金の逃避先として意識される状況が続いている。
金価格は1月末に年初来高値となる1945.3ドルまで上昇したが、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが長期化するとの観測が広がると、2月の1か月間で5.6%下落した。3月に入って値を戻していたが、7日にFRBのパウエル議長が利上げペースの加速を示唆すると1820ドルまで下落していた。国際的にドルで取引される金の価格は米国の金利が上がり、ドル高観測が強まると、値下がりする傾向があることで知られる。
この流れがSVB破綻で一気に変化した。破綻が発表された3月10日、金価格は前日終値比1.8%上昇。その後も上昇傾向を維持している。金融危機不安が拡大したことで安定資産として金が買われたことや、SVB破綻の背景にFRBの急速な利上げが銀行が保有する債券の価値下落を招いたことがあったため、FRBが利上げに動きにくくなるとの観測が出たためだ。
一方で、金価格はすでに歴史的な高値圏にある。2022年3月8日に史上最高値となる2043.3ドルをつけた後、同年11月3日の1630.9ドルで底を打ち、改めて上昇基調に入っている。SVB破綻を機に広がった金融危機不安は16日に預金が流出していたファースト・リパブリック銀行への支援策が発表され、落ち着きをみせつつあるが、21、22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることもあり、当面は金利の先行きを探る動きが続きそうだ。
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