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ロケット打ち上げ成功を受け、三菱重工の株価が上昇

H3ロケットの打ち上げ成功は、防衛関連の記録的な受注やガスタービンの底堅い需要によって好調な三菱重工にとって、さらなる好材料となった。この記事で取り上げる銘柄は、時価総額に基づいて選ばれています。

chart 出所:ブルームバーグ

1年で株価が2倍に

三菱重工(7011)は2月17日、日本の新型ロケットであるH3ロケットの打ち上げに成功した。これは、同プロジェクトの主要企業であり、すでに記録的な防衛関連受注やガスタービン需要で好調であった同社にとって、さらなる後押しとなった。この12ヶ月で2倍となっていた同社の株価は19日、さらに2.45%上昇し、11,270円で取引を終えた。

日本政府は、イーロン・マスク氏が率いるスペースXに対抗できる国産宇宙産業の構築を狙っており、新たなロケット・人工衛星技術開発のために宇宙航空研究開発機構(JAXA)に1兆円を予算として計上している。政府は2030年までに、JAXAと三菱重工が開発したH3で約20基の国産人工衛星や宇宙探査機を打ち上げる計画を立てている。17日、H3は高度約670kmの起動に到達し、ペイロードである小型観測衛星2基の放出に成功した。

JAXAと三菱重工は、H3の組み立てを簡素化することで打ち上げコストを50億円程度に引き下げ、海外からの宇宙輸送案件獲得を目指している。

日本最大の防衛関連企業

三菱重工は日本最大の防衛関連企業で、ミサイルや戦闘機、戦艦、戦車など、様々な軍用品を製造している。
同社が業績を伸ばしている背景には、近年、中国やロシア、北朝鮮に関する安全保障問題に対応するために日本政府が国防を強化していることがある。最新の政府戦略では、2028年までに防衛費を直近の5年間から56%増額することが必要だとされている。

2023年12月31日までの9ヶ月間で、同社の航空・防衛・宇宙事業の受注額は前年同期比8895億円増の1.204兆円となっている。同事業の売上収益は同949億円増の5269億円、事業利益は180億円増の536億円となった。

「防衛関係の受注高は今年度がかなり突出している」

三菱重工のCFOである小澤壽人氏は、6日に開催された2023年度第3四半期決算説明会で「航空・防衛・宇宙について、特に防衛関係の受注高は今年度がかなり突出している」とコメントした。

日本の防衛力増強における焦点は、航続距離1,000km以上の長距離弾道ミサイルの開発にあり、この技術はH3のようなロケットの開発と密接に関連している。同社は現時点で、様々な短距離ミサイルを自衛隊向けに製造している。

BAEとレオナルドとの戦闘機開発

三菱重工は、次世代戦闘機を開発する日英伊共同プロジェクトに携わる主要3企業の1つだ。このグローバル戦闘航空プログラムに関わっている企業には、同社の他にBAE システム(BAES)とレオナルド SpA(LDOF)がある。

2024年3月期の第3四半期までの累計売上収益は11%増の3.26兆円で、当期利益は107.8%増の1380億円であった。受注高は51.6%増の4.5兆円であった。

売上収益・当期利益を最も生み出したのはエナジー事業だった。同社は大型でエネルギー効率の良い、ガスタービン・コンバインドサイクル発電プラント(CCGT)を10件受注している。

同社は通期の受注高予想を6兆円、売上収益予想を4.4兆円に上方修正したが、当期利益予想は1900億円を維持した。

日米豪で推進する水素エネルギー

三菱重工は、政府がもう一つの優先事項としている水素エネルギーの分野において、国内で最も投資をしている企業の一つであり、複数のプロジェクトに出資している。同社はノルウェーのハイドロジェンプロ ASAに出資し、グリーン水素製造用の電解槽40台を発注したほか、米国のスタートアップであるエレクトリック・ハイドロジェンにも出資している。また、南オーストラリア州でグリーン水素とグリーンアンモニアの製造にも取り組んでいる。

同社は1株あたりの株価を引き下げ、投資家層を広めるために、4月1日付で1対10の株式分割を行うことを発表している。

取り上げる銘柄は時価総額に基づいて選ばれています。過去の実績は将来の株価動向を示す指標ではありません。

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※詳しくは、株式CFDについてのページをご覧ください。または、コールセンターまでお問い合わせください。


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