天然ガス反発、目先はテクニカルラインの攻防が焦点に、19日の在庫統計を警戒
17日のNY天然ガスは欧州ガス価格の上昇に連れ高し、重要なテクニカルラインで反発した。しかし、今月下旬は気温が例年よりも暖かくなるのとの予報がある。19日発表の在庫統計次第では急落を警戒したい。
NY天然ガス、欧州価格に連れ高し重要なテクニカルラインを維持
17日の市場でNY天然ガス先物が反発した。欧州連合(EU)はこの日、ウクライナを経由するロシア産天然ガスの継続的な供給に関心がないことを表明。欧州の天然ガス先物価格は一時4.4%上昇した。
この動きに連れ高し、NY天然ガスの先物価格も反発した。テクニカルの面では、短期サポートラインの維持に成功した。日足ローソク足の実体ベースでは、10日線と21日線を維持した。
天然ガス価格:日足(つなぎ足) 11月以降
出所:TradingView
気温上昇の予報は相場の重石に、在庫次第では急落を警戒
テクニカルの面でNY天然ガス価格(以下では天然ガス価格)は底堅さを維持している。しかし、今月下旬に気温の上昇が予想されている。この点は相場の重石となろう。注目ポイントを以下にまとめた。
・気温上昇の予報があるなか、目先の焦点は米エネルギー情報局(EIA)が週次で発表する在庫の状況となろう。13日のレポートでは、今年1月26日以来となる在庫の減少とそれにともなう需給の引き締まりについて述べた。しかし、天然ガス価格は3.56ドルで2度上値が止められ、現在は次の材料待ちムードにある(上の日足チャートを参照)
・ガス在庫は減少の傾向にある。しかし1年前と比べて67Bcf多い。また、5年平均の3,582Bcfと比べても165 Bcf 多い。気温の上昇が予想されるなか、明日19日に発表される在庫統計で需給の緩みが意識される場合は、天然ガス価格の急落を警戒したい
天然ガス 在庫の状況:週次 年初来
米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)とブルームバーグのデータで筆者が作成
天然ガス価格、今日の見通しとテクニカルライン
レジスタンスライン
最新の在庫統計が発表されるまで、天然ガス価格はテクニカルラインでの攻防を意識する展開が予想される。今日も堅調さを維持する場合は、下で取り上げたレジスタンスラインの攻防に注目したい。
・目先の上限を3.56ドルと想定し、まずは17日そして今日のアジア時間でもレジスタンスのラインとして意識されている3.40ドルの突破が焦点となろう
・天然ガス価格が3.40ドル台へしっかりと上昇する場合は、フィボナッチ・エクステンション50.0%の3.50ドルを視野に上昇幅の拡大を想定したい。このテクニカルラインの上方ブレイクは、3.56ドルをトライするサインとなろう
レジスタンスラインのまとめ
・3.560ドル:相場の上昇を二度止めた水準(日足)
・3.502ドル:フィボナッチ・エクステンション50.0%(日足)
・3.400ドル:12月17の上昇を止めた水準(日足)
サポートライン
天然ガス価格が3.40ドルで下落する場合は、テクニカルの面で売りのサインと捉えたい。このケースでは、下で述べるサポートラインの攻防に注目したい。
・天然ガス価格の下落局面では、10日線と21日線の維持が焦点となろう。10日線が推移している3.25ドル付近は、サポートラインへの転換を意識する水準である。フィボナッチ・エクステンション23.6%の水準3.284ドルの下方ブレイクは、10日線をトライするサインと捉えたい
・21日線をも下方ブレイクする場合は、3.11ドル前後の攻防に注目したい。今日現在、短期サポートラインがこの水準で推移している。また、3.105ドルは、フィボナッチ・エクステンション61.8の水準にあたる。エクステンション50.0%の水準3.160の下方ブレイクは、3.11ドルをトライするサインと捉えたい
・1時間足のストキャスティクスは買われ過ぎの水準デッドクロスへ転じている。RSIでも同じ状況が確認される場合は、今回取り上げたサポートラインを視野に相場の下落を想定したい
サポートラインのまとめ
・3.284ドル:フィボナッチ・エクステンション23.6%(1時間足)
・3.248ドル:10日線(日足)
・3.231ドル:21日線(日足)
・3.160ドル:フィボナッチ・エクステンション50.0%(1時間足)
・3.110ドル:短期サポートライン(日足)
・3.105ドル:フィボナッチ・エクステンション23.6%(1時間足)
天然ガス価格のチャート
再掲:日足(つなぎ足) 11月以降
出所:TradingView
1時間足(つなぎ足) 10月29日以降
出所:TradingView
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。