銀行破綻の懸念で日経平均株価が低迷　アドバンテストは急落

4月第5週、米国の銀行システムに対する破綻の懸念が再び表面化したことを受け、日経平均株価がやや低迷した。ファースト・リパブリック・バンク（FRC）の預金下落が再び米国で話題となり、週明けの日経平均株価は28,631円で始まったものの、その後下落した。4月27日には、前日に決算を発表した半導体検査装置メーカーのアドバンテスト（6857）が大幅に下落した。また、25日には内閣府の月例経済報告が発表され、27日・28日には日本銀行の金融政策決定会合が開催される。

ファースト・リパブリック・バンクの第1四半期の預金残高が約1764億ドルから約1045億ドルに減少したため、4月25日、同行の株価は49％下落した。翌26日にも株価がさらに約30％下落したことを受け、ダウ工業株30種平均も0.7％下落した。この銘柄はボラティリティが高く、何度も取引が停止された。

26日、ナスダックは0.47%下落したが、マイクロソフト（MSFT）はアナリストの予想を上回る決算を発表して、株価が7%上昇した。同社の「Azureおよびその他のクラウドサービス」が31％の増収となり、今回の決算で注目を浴びた。アルファベット（GOOGL）も予想を上回る四半期決算を発表したが、26日の株価は比較的横ばいに推移した。

27日の米ドル／円相場は133円前後で推移している。

内閣府の月例経済報告では、おおむね変化なし

4月25日、内閣府は月例経済報告を発表した。同報告書によると、「景気は一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」ようだ。また、輸出が弱含んでいることについても指摘し、これが輸出に大きく依存する経済にとって懸念材料となるとした。さらに、世界的な金融引き締めの継続と海外経済の減速により、日本経済が低迷する懸念も示した。

27・28日に開催された日銀の金融政策決定会合にも注目が集まった。金融政策に関する声明には、経済活動や物価の見通しなども盛り込まれた。

4月に入り好調に推移した日本株に警戒感、アドバンテストは大幅下落

日経平均株価は4月に入ってから好調に推移し、4月7日からは8日間連続で上昇した。しかし、米国銀行に対する破綻の懸念が、市場に警戒感をもたらしているようだ。トレーダーは、日本の銀行株が4月20日から24日にかけて低迷したことを受け、弱気の兆しがないかに注目している。

三菱UFJフィナンシャル・グループ（8306）はファースト・リパブリック・バンクの預金減を受けて26日に1.85%下落したが、4月27日には再び持ち直し、2%高の860円で引けた。

アドバンテストは、半導体・部品テストシステム事業やメカトロニクス関連事業を展開している。26日、同社は2023年3月期の決算を発表し、営業利益は1677億円と前年同期比で46.2％の増益となった。しかし、2024年3月期の見通しでは、営業利益が前年同期比37.4％減の1050億円となり、売上高も14％の減少が予想された。半導体関連銘柄は第1四半期に好調に推移したものの、今回の減益予想を受けて同社株は大きく売られた。株価は3月24日につけた52週高値の12,460円から、4月27日には前日比9.2%下落の10,550円まで落ち込んだ。

27日の日経平均株価は開場直後に下落した後に反発し、終値は28,457円と小幅に上昇した。

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