銀行株・ハイテク株は苦戦 旅行株は回復傾向
日本の銀行およびテクノロジー関連株が相次ぐ米国銀行の破綻に耐え、3月17日の日経平均株価は高値で取引を終えた。一方で、旅行関連株にはようやく回復の兆しが見られた。
3月第3週の日経平均株価は、米国の銀行破綻による混乱に耐え、3月17日には前日比約1.2%上昇の27,333円で取引を終えた。銀行およびテクノロジー関連企業株が苦戦した一方で、旅行関連銘柄は持ち直している。
米大手11銀行は3月16日、破綻の可能性が懸念されていた米中堅地方銀行ファースト・リパブリックに対し、300億ドルの預金を合同で行うと発表した。これを受け、市場は上昇に転じ、同日のS&P 500指数は1.8%上昇した。シリコンバレー銀行の破綻以来低迷していたテクノロジー関連株も持ち直し、ナスダックは同日約2.4%値上がりした。グーグルの親会社であるアルファベット・インクは、コスト上昇を相殺するため、Youtube TVの値上げを発表し、約4.4%上昇した。アドビシステムズは、予想を上回る第1四半期決算を発表し、5.9%急騰した。
トレーダーおよび投資家は、3月21日・22日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)に注目している。大方の予想では、銀行セクターが抱える諸問題により、FOMCは積極的な利上げを実施せず、引き上げ幅は0.25%である可能性が高いとされる。
3月17日時点で、米ドル/円相場は131円台で推移している。
銀行株・ハイテク株が低迷
銀行セクターの諸問題は米国に限った話ではない。ヨーロッパでは、金融大手のクレディ・スイスを財務強化させるため、スイス国立銀行が最大540億ドルの融資に踏み切らざるを得なかった。数々の不祥事に直面してきたクレディ・スイスの株価は、過去5年間で90%近く下落した。
3月第3週、日本の銀行株は相次ぐ米銀行破綻のニュースを受けて苦戦を強いられており、3月13日と14日に大きく下落した。翌15日には若干反発したものの、週の後半に再び落ち込んだ。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は、3月10日の終値から9.8%減の840円90銭、三井住友フィナンシャルグループ(8316)は11.1%下落の5,258円で取引を終えた。
投資ファンドを通じて多くの米国テクノロジー関連企業に出資するソフトバンクグループ(9984)は、13日から5日連続で下落し、2022年10月以来の5,000円割れとなる4,891円で週を終えた。
旅行関連銘柄は持ち直すか?
訪日旅行客が増加しているにもかかわらず、日本の旅行関連銘柄は第1四半期に苦戦が続いていた。3月15日、旅行会社のエイチ・アイ・エス(9603)が2022年11月から2023年1月期の連結決算を発表した。同社は35億円の最終赤字を計上したが、前年同期の93億円の赤字からは改善された。一方で、売上高は37.4%増の461億円となった。この好調な業績回復を受け、株価は3月16日に2,032円の高値を記録し、最終的に1,990円で3月第3週の取引を終えた。同社の株価は年初来で4.6%の下落となった。
日本航空(JAL)(9201)およびANAホールディングス(9202)の株価は週初に下落し、その後、17日には堅調に持ち直した。同日の終値では、前日比でJALが2.93%増、ANAが2.83%増となり、旅行関連株が転換期にあることがうかがえる。
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