注目の日米銀行株5選【2024年最新】
2023年、日米の銀行株は世界から全く異なる推移を見せました。この記事では、2024年4月に注目の銀行株5選を紹介します。本記事で紹介する銘柄は時価総額に基づいて選定されています。
銀行株取引の背景知識
2023年の銀行株は、トレーダーに多くの取引機会をもたらしました。米国では、銀行セクターに2007/2008年の世界金融危機以来最大の危機が訪れた一方、日本では、金利が上昇に転じるとの期待から好調に推移しました。
銀行株の分類
銀行は基本的に以下の3種類に分類されます。
- 商業銀行 - 商業銀行は一般的にイメージされる典型的な銀行業務を行っています。この種類の銀行は、顧客から預金を預かり、その現金の大半を高い金利で借り手に貸し出すことで利益を上げます。
- 投資銀行 - 投資銀行は大規模で複雑な金融取引の仲介を行います。顧客は主に企業や政府で、企業同士の合併や新興企業の新規株式公開(IPO)に関与しています。
- ユニバーサルバンク - ユニバーサルバンクは商業銀行業務と投資銀行業務の両方を取り扱う銀行です。
銀行株を見る際に考慮すべきその他の点は、メガバンクやグローバル銀行と地方銀行との違いです。新世代のオンラインやフィンテック銀行など、高い成長の可能性を秘めている銀行が存在するものの、従来の銀行よりもリスクを伴う可能性があります。
銀行株を変動させる要因
銀行株の動向は、さまざまな点で、他のセクターと似ています。
例えば、株価はインフレや経済成長など、株式需要を増減させる幅広い経済要因に左右されます。また、自社株買いなどの企業の動向も、銀行株を短期的に変動させます。複数の銀行株が収支を発表する決算期は、セクターのボラティリティを利用するチャンスでもあります。
銀行は投資家に配当金を支払うことが多く、これによって株価の下落を相殺できる可能性があります。さらに、配当への期待から、配当落ち日の前に取引量が増加することもよく見られます。
ただし、銀行株は金融政策に大きく左右されるという点で、他のセクターにはない特徴があります。中央銀行による金利決定は、貸出機関の利益率に影響を与えます。
日米銀行株の動向
2023年は米国の銀行株にとって変動の激しい年となりました。資金調達の失敗による銀行取り付け騒ぎから始まったシリコンバレー銀行(SVB)の破綻は、ファースト・リパブリックなどの米地方銀行に広がり、その後、米国や欧州の大手銀行も影響を受けました。
金利の上昇によって長期資産の価値が短期資産よりも低くなっため、投資家の信頼を大きく失墜させました。その結果、債券から不動産まで、銀行のバランスシートに影響が及びました。
米国の大手銀行株は比較的安定しており、地方銀行に比べて好調に推移しています。この傾向は2024年に入っても続いています。米国の主要な銀行株を対象とするKBWナスダック銀行指数は、2023年に4.8%下落しましたが、2024年に入ってからは6.1%上昇しています。
日本の銀行株は好調で、NEXT FUNDS 東証銀行業株価指数連動型上場投信(1615)は2023年に29%上昇した後、2024年には24.7%上昇しています。日本銀行は長期金利の上昇を容認し、3月にはついにマイナス金利政策を解除しました。長期金利が上昇すれば、融資利鞘の拡大と事業規模の拡張を促進できるかもしれません。
注目の日米銀行株5選
ここでは、2024年4月に注目の5つの銀行株を紹介します。(株価やその推移は2024年4月5日時点の数値を引用しています。過去の実績は将来の株価動向を示す指標ではありません。)
ウェルズ・ファーゴ(WFC)
1852年創業のウェルズ・ファーゴは、米国最大の商業銀行の一つです。同行は消費者向けの金融や融資、商業銀行、法人向け投資銀行、富裕層向けの資産運用や投資管理サービスを提供しています。
2016年に偽口座騒動が起こり、2018年には連邦準備銀行(FRB)から1.95兆ドルの資産上限を課された同行は、複数年にわたる構造改革の真っ只中にいます。資産規制にもかかわらず、2023年には191億ドルの純利益を計上しており、時価総額で米国第3位の位置を保持しています。
同行の株価収益率(PER)は約11.9倍で、株価は年初来で16.6%上昇しています。
シティグループ(C)
シティグループは消費者向けの金融や融資、法人向け金融や投資銀行、証券仲介、取引・証券、資産運用サービスなど、金融サービスを多角的に提供している持株会社です。
同行の2023年の純利益は92億ドルで、同年には60億ドルを配当金や自社株買いに支払いました。4月3日には、普通株1株あたり0.53ドルの四半期配当を支払うと発表しています。
同行のPERは約15.3倍で、株価は年初来で19.8%上昇しています。
楽天銀行(5838)
楽天銀行はネット銀行製品やサービスを提供しています。同行は2000年に日本電子決済企画として創業し、2023年4月に東京証券取引所プライム市場に上場しました。2024年2月末時点で、約1500万口座、預金残高約10.3兆円を誇っています。
同行は4月1日、10月までにフィンテック事業を再編し、銀行、証券、カード、保険事業を1つのグループにまとめる計画を発表しました。
同行のPERは16.5倍で、株価は年初来で44.9%上昇しています。
みずほフィナンシャルグループ(8411)
みずほフィナンシャルグループは日本三大メガバンクのうちの一つです。銀行、証券、信託、アセットマネジメント、リサーチ&コンサルティングなどのサービスを提供し、海外でも事業を展開しています。
2023年第3四半期の決算では、顧客部門や市場部門が堅調に推移したことや円安を追い風とし、前年同期比2685億円増の2兆円の連結粗利益を計上しました。純利益は前年同期比18.2%増となる6423億円でした。
同行のPERは約11.8倍で、株価は年初来で21.6%上昇しています。
野村ホールディングス(8604)
野村ホールディングスは、世界30カ国に26,900人以上の従業員を要するグローバル金融サービスグループです。同行の事業は主にウェルス・マネジメント部門、インベストメント・マネジメント部門、ホールセール部門に分かれています。顧客資産残高だけで135.9兆円を超えているほか、78.5兆円の運用資産残高を持っています。
1月31日に同行は、1億2500万株、1000億円を上限とする普通株式の自社株買いを発表しました。買付期間は2024年2月16日から9月30日となっています。
同行の株価は年初来で44.7%上昇しています。
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