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原油価格急騰 OPECプラスが追加減産決定のサプライズ 1バレル80ドル超

OPECプラスの2日の追加減産表明で原油価格が急騰している。WTIの先物価格は3月31日終値比5ドル高の1バレル=80ドル超となった。

出所:ブルームバーグ

サウジアラビアが主導する石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国でつくるグループ「OPECプラス」は2日、減産規模を拡大することを表明した。ロイター通信によると、追加減産は日量116万バレルで、5月から実施される。これまでOPECプラスは3日の会合で減産規模の維持を決めるとみられていた中でのサプライズとなり、原油市場に上昇圧力がかかっている。原油価格の指標となるニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)でのWTIの先物価格(翌月渡し)は3月31日まで1バレル=75ドル程度で取引されていたが、日本時間3日午前9時45分現在、80.45ドルの水準まで値上がりしている。

追加減算規模は日量116万バレル

OPECプラスは2022年10月、同年8月の要求生産水準から日量200万バレルの大幅な減産を行うことで合意していた。ロイター通信は、今回の追加減産分の日量116万バレルと、ロシアが今年2月に表明した日量50万バレルの自主的な減産をあわせ、減産規模は日量366万バレルになると試算している。

WTIは3月6日には80.46ドルをつけたが、翌日の連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の「タカ派」発言で金利高とドル高が意識されたことを機に下落を始めた。原油はドル建てで取引されるため、ドル高は米国以外の国が原油を買いにくくなる要因とされる。さらにシリコンバレーバンク(SVB)経営破綻による世界経済の先行き不透明感の強まりを経て17日には66ドル台まで値下がりしていた。

金融システム不安の薄らぎも上昇を後押し

しかしその後は金融システム不安の薄らぎに伴ってWTIも上向いていた。31日の終値(75.67ドル)は前日終値比1.7%高。この日に発表された米国の個人消費支出(PCE)物価指数で、変動が大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の前年同月比伸び率が市場予想を下回る4.6%となり、FRBの利上げ鈍化やドル安を意識させる材料となったことが影響した。また、中国で発表された製造業購買担当者指数(PMI)が市場予想を上回ったことも、原油需要拡大観測を強めた。

こうした中、OPECプラスは3日の合同閣僚監視委員会(JMMC)で減産規模を維持するとみられていた。ロイター通信は3月30日、OPECプラス関係者5人の話に基づき、現行の減産方針が据え置かれる可能性が高いと報じていた。


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