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【ユーロドル (EUR/USD)】今日の見通しとチャートポイント

予想以上となった米国の経済指標(3月ISM製造業景況感指数)を受け、外為市場では米ドル高が進行している。この状況を受けユーロドル(EUR/USD)は、下値をトライするムードにある。今日の見通しは?注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・強い米経済指標を受け、1日の外為市場では米ドル高が進行した
・ドルインデックスは、重要ポイント105.00レベルの攻防が焦点に浮上している
・短期サポートラインをブレイクしたユーロドルはさらなる下値のトライを意識したい
・今日の下値の焦点は1.07レベルとなろう


外為市場の動向:米ドル高が進行

1日の外為市場は米ドル高優勢の展開となった。

この日発表された3月のISM製造業景況感指数が50.3と、22年9月以来、1年半ぶりに景気判断の分かれ目である「50」を上回った。

3月の新規受注の増加と支払い価格の上昇は、米国の製造業が改善の傾向にある兆候を示した。

米国 ISM製造業景況感指数:23年10月以降

米国 ISM製造業景況感指数:23年10月以降 ブルームバーグのデータで作成


強い経済指標を受け、短期金融市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による6月の利下げ確率が再び50%台へ低下している。

そしてこの日の米債市場では利回りが上昇し、これらの動向が外為市場での米ドル高のトレンドを支えた。

米ドル相場の動向:4月1日

米ドル相場の動向:4月1日 ブルームバーグのデータで作成 / DXY:ドルインデックス

ドルインデックス:105.00ポイントの攻防が焦点に

米ドル高トレンドの根強さを示唆しているのが、ドルインデックス(DXY)である。

日足チャートで直近のトレンドを確認すると、2月中旬以降の反落相場から脱し、反発相場へと転じている。その過程で10日線と50日線ではゴールデンクロスの状況が確認され、昨日はフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準104.63レベルを大陽線で難なく上方ブレイクした。

そして上昇モメンタムの勢いを駆り、現在は重要チャートポイントの105.00レベルをトライする状況にある(下のチャート、黒矢印を参照)。

ドルインデックスが105.00レベルをもブレイクアウトすれば、チャート分析の面では米ドル高がさらに進行するシグナルになり得る。このケースでは、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準105.58レベルのトライが焦点として浮上しよう。

一方、ドルインデックスの反落局面では、10日線の維持が焦点となろう。この移動平均線は今日現在、104.31レベルで推移している(下の日足チャート、青ラインを参照)。

10日線がサポートラインとなれば、テクニカルの面で米ドル高圧力の根強さを市場参加者に印象付けるだろう。

ドルインデックスのチャート:日足23年10月以降

ドルインデックスのチャート:日足23年10月以降 TradingView提供のチャートで作成

ユーロドル:今日の見通しとチャートポイント

下値トライのムードが高まる状況に
米ドル高の進行を受け、ユーロドル(EUR/USD)は下値をトライするムードが高まっている。

通貨オプション市場のリスクリバーサルの動向を確認すると、1週間と1か月のそれらはユーロプットへ傾く状況にあり、さらなる下値のトライを意識する状況にある。

ユーロドルのリスクリバーサル:日足23年10月以降

ユーロドルのリスクリバーサル:日足23年10月以降 ブルームバーグのデータで作成


短期サポートラインを下方ブレイク
テクニカルの動向も、ユーロドル(EUR/USD)がさらに下値をトライする地合いにあることを示唆している。

昨日の外為市場でユーロドルは、昨年10月の安値を起点とした短期サポートラインを下抜けた。このラインの下方ブレイクは、トライアングルの下限を下方ブレイクしたことを意味し、テクニカルの面でユーロドルの地合いの弱さを市場参加者に印象付けた。

50日線がレジスタンスのラインとして相場の戻りを止めた経緯も考えるならば、ユーロドルはさらなる下値のトライを意識する状況にある。この点については、ゼロラインを下回る水準へ到達し、なおも低下基調を維持するモメンタムも示唆している。

ユーロドルのチャート:日足23年9月以降

ユーロドルのチャート:日足23年9月以降 TradingView提供のチャートで作成


1.07台の維持が焦点に
今日は2月の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が発表される。労働市場の堅調さを示す内容となれば、米金利の反発と米ドル高の進行が予想される。

米ドル高を受けユーロドル(EUR/USD)がさらに下値をトライする場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.0712レベルを視野に下落幅の拡大を想定しておきたい(上の日足チャートを参照)。このテクニカルポイントの攻防は、1.07台の維持を見極める攻防となろう。

日足のストキャスティクスは売られ過ぎの水準まで低下している。RSIも売られ過ぎの水準付近まで低下している(いずれも上の日足チャート、赤矢印を参照)。ユーロドルの地合いは弱いが、短期間で下落幅が拡大している状況を考えるならば、1.07レベルで調整の反発相場となる可能性があろう。

一方、ユーロドルが1.07レベルをもあっさりと下方ブレイクする場合は、1.06台の維持が焦点として浮上しよう。テクニカルの面では、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.0611レベルのトライを想定しておきたい(上の日足チャートを参照)。


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