【ユーロ円 (EUR/JPY)】クロス円の動きを注視 / 目先の焦点は50日線の攻防
7日のユーロ相場は、外為市場で米ドル安と円高が同時に発生している状況を示した。今後注目すべきは、円安のトレンド転換である。この点を考えるうえでクロス円、特に主要なクロス円の一角であるユーロ円(EUR/JPY)の動きを常にチェックしておきたい。目先、注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・円安トレンドの転換を見極めるため、クロス円の動きを常にチェックしておきたい
・特に主要なクロス円の一角であるユーロ円の動きに注目したい
・ドル円と同じく現在のユーロ円も50日線の攻防が焦点に浮上している
・ユーロ円の反発局面では、21日線のレジスタンス転換が焦点となろう
昨日のユーロ相場が示唆する現在の外為市場の状況
欧州中央銀行(ECB)は7日、理事会を開き、4会合連続で主要な政策金利を現行の水準に据え置いた。
25年の物価見通しについては、23年12月時点の予測から0.1ポイント下方修正し2.0%とした。26年の見通しは1.9%で据え置いた。
理事会後の記者会見でラガルド総裁は、利下げの議論はしなかったと述べた。一方、6月の会合ではより多くのことが分かる、とも述べた。短期金融市場では現在、6月の利下げ開始がメインシナリオとなっている。
昨日のユーロ相場は、主要通貨で強弱まちまちの展開となった。注目すべきは、米ドル(USD)と日本円(JPY)で真逆の展開となったことだろう(下のパフォーマンスチャートを参照)。
ユーロ相場全体では明確な方向感が見られなかった状況で、ユーロは対米ドル(USD)で上昇した。一方、対日本円では下落した。
昨日の状況は、今の外為市場では米ドル安と円高が同時に進行しやすい状況にあることを示唆した。
ユーロ相場の動向:3月7日
クロス円でトレンド転換を見極める局面に、特にユーロ円の動向に注目
現在、外為市場では3月の金融政策決定会合で日銀が金融政策の正常化に踏み切る可能性が意識されている。ゆえに注目すべきは、円安トレンドの転換である。
ドル円(USD/JPY)の動きだけを追っていては、円相場全体のトレンドを把握することはできない。
ゆえにこれから先は、クロス円の動向を常に把握することが重要となろう。
なかでも主要なクロス円の一角であるユーロ円(EUR/JPY)の動を常に追っておきたい。
下値トライの局面では50日線の攻防が焦点に
ユーロ円(EURJPY)は昨日、ドル円(USD/JPY)の下落に追随し、今日現在160.58レベルで推移している50日線をトライする局面が見られた。
日足ローソク足で長い下ヒゲが示現しての反発は、この移動平均線がサポートラインとして意識される可能性を示唆した(下の日足チャート、緑矢印を参照)。
今日以降、ユーロ円が下値をトライする局面では、50日線の攻防に注目したい。161.70レベルの下方ブレイクは、50日線をトライするシグナルの一つと想定しておきたい(下の日足チャートを参照)。
ユーロ円のチャート:日足23年11月以降
ユーロ円(EUR/JPY)のモメンタムは、弱気相場の勢いが次第に強まっていることを示唆している。ストキャスティクスとRSIも低下の基調にある(いずれも上の日足チャート、赤矢印を参照)。
ユーロドル(EUR/USD)は現在、米ドル安にサポートされ上値トライの状況にある。しかし、上で述べたテクニカル指標の動きを考えるならば、ドル円(USD/JPY)の下落幅が拡大する場合、ユーロ円はその動きに追随することが予想される。
ユーロ円が50日線を完全に下方ブレイクする場合は、対ユーロでも円高の圧力が高まっていることを示すことになる。ドル円とユーロ円の下落が同時に発生すれば、他のクロス円でも円高優勢の展開が予想される。
反発の局面では21日線の攻防が焦点に
一方、ユーロ円(EUR/JPY)が反発する局面では、今日現在162.27レベルで推移している21日線の攻防に注目したい(上の日足チャート、青ラインを参照)。このラインはレジスタンスとしてもサポートとしても意識された経緯がある。
今日の東京時間は、この移動平均を視野に反発基調にある(下の1時間足チャートを参照)。上で述べたとおり、日足のモメンタムは弱気相場の勢いが徐々に強まっている状況を示唆している。
この状況で21日線がユーロ円の反発を止める場合は、地合いの強さが後退していることを市場参加者に印象付けよう。
一方、ユーロ円が21日線を難なく上方ブレイクする場合は、下の1時間足チャートにプロットしたフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準162.38レベル、76.4%の水準162.82レベルの攻防が焦点として浮上しよう。
後者の水準を突破する場合は、レジスタンスの水準へ転換するムードが出始めている163.00レベルまでの反発を想定しておきたい(下の1時間足チャート、赤ラインを参照)。
今朝、ユーロ円が21日線を視野に反発する過程で、1時間足のストキャスティクスはすでに買われ過ぎの水準へ到達している(下の1時間足チャート、赤矢印を参照)。RSIでも短期的な相場の過熱感が確認される場合は、21日線またはすぐ上の61.8%の水準162.38レベルでユーロ円が反落する展開を警戒しておきたい。
ユーロ円のチャート:1時間足3月以降
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