【ユーロドル (EURUSD)】今日の見通しとチャートポイント
米長期金利の上昇幅が拡大していることで、米独の利回り格差も拡大の傾向にある。この動きに連動し、ユーロドル(EURUSD)は1.05を完全に下方ブレイクし、さらなる下値トライのムードが高まっている。今日の見通しは?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米長期金利の上昇に伴い、米独利回り格差が拡大の傾向を維持している
・米独利回り格差の動きを受けユーロドルは再び1.05をブレイクし、年初来安値を更新
・ユーロドルが反発しても地合いの弱さを考えるならば、戻り売りを警戒しておきたい
・ユーロドルがさらに下値をトライする場合は、1.04台の維持が焦点となろう
拡大の傾向にある米独の利回り格差
こちらのIG為替レポートでは、日米の長期金利の格差が拡大の傾向にあること、そしてこの利回り格差の動向に連動してドル円(USD/JPY)が節目の150.00レベルを視野に上昇トレンドを維持していることについて述べた。
そしてドル円と同じくユーロドル(EUR/USD)のトレンドも、米長期金利の動きに影響を受けている。この点を米独の長期金利差で確認すると、今年の7月中旬以降、ユーロドルの下落に連動して利回りの格差が拡大の傾向を辿っていることが分かる。
ユーロドルと米独長期金利格差の動向:日足 年初来
年初来安値を更新
ユーロドル(EUR/USD)は昨日1.0477レベルまで下落し、年初来安値を更新した。そして今日の東京時間に、1.0464レベルまで下落する局面が見られている。
10日線(今日現在、1.0571レベル)がレジスタンスのラインとして意識されていること、日足のMACDがゼロラインを下回る状況にあり、かつ低下トレンドを維持していることも考えるならば、ユーロドルはさらなる下値トライを警戒する状況にある。
ユーロドルのチャート:日足 年初来
今日の注目材料は、8月の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数となろう。22年3月を境にJOLTS求人件数は減少の傾向にある。
労働市場の軟化傾向が雇用関連指標で確認される場合は、米ドル相場の反落(米ドル高を調整する展開)が予想される。このケースでは、ユーロドルの短期的な反発を想定しておきたい。
しかし、現在の地合いの弱さを考えるならば、1.05前後(3月15日の高値1.0516レベル)がサポートからレジスタンスの水準へ転換する可能性がある。ユーロドルが1.05台へ反発しても、10日線すら突破できない状況を考えるならば、ユーロドルの反発局面では戻り売りを警戒しておきたい。
一方、8月のJOLTS求人件数が予想以上に増加する場合は、「米長期金利のさらなる上昇→米独利回り格差の拡大→さらなるユーロドルの下値トライ」を想定しておきたい。
JOLTS求人件数の推移:月次 21年以降
さらに下値をトライする場合は1.04台の維持が焦点に
今日もユーロドル(EUR/USD)が下値をトライする場合、焦点は1.04台の維持となろう。22年9月の安値と23年7月高値の半値戻しの水準が、1.0406レベルにあたる。昨年12月2日の安値1.0428レベルの下方ブレイクは、1.0406レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。
なお、このテクニカルポイント(1.0406レベル)の攻防は、1.04台の維持を見極める攻防でもある。
1.05台を完全に下方ブレイクしている今、1.04台の維持は、ユーロドルの下落トレンドがさらに続くかどうか?を見極めるための重要なチャートポイントになる可能性がある。
ユーロドルのチャート:週足 22年9月以降
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