【ユーロドル (EURUSD)】今日の見通しとチャートポイント
米独利回り格差が再び拡大のムードにある。この動きに連動して、ユーロドル(EURUSD)の地合いの強さが後退している。目先の注目材料は、米国の雇用関連指標となろう。200日線を下方ブレイクしているユーロドルがさらに下値をトライする場合、注目しておきたい次のサポート水準は?一方、反発局面での焦点は?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・ユーロドルは昨日、200日移動平均線を下方ブレイクした
・目先のユーロドルのトレンドは、米雇用関連の指標に左右されるだろう
・下値トライの局面では、1.0750レベルの維持が目先の焦点となろう
・一方、反発の局面では200日線と21日線の攻防に注目したい
下落の局面では1.0750レベルの “サポート転換” が焦点に
ユーロドル(EUR/USD)は昨日、日足ローソク足の実体ベースで200日線(今日現在1.0820レベル)を完全に下方ブレイクした。
21日線(今日現在1.0853レベル)で上昇が止められた状況も考えるならば、米ドル安を軸とした上昇相場のもろさを露呈する状況にある。
今日以降の外為市場も米経済指標にらみの展開が予想される。特に、雇用関連の経済指標がユーロドルのトレンドを左右する可能性が高い。
今日のユーロドルは、11月のADP雇用統計が発表された後の動きに注目したい。アメリカの雇用市場の堅調さが確認される場合は、「米長期金利の反発→米ドル買い」を受け、ユーロドルは続落の展開が予想される。このケースでの最初の注目ポイントは、“サポート転換”の可能性がある1.0750レベルの維持となろう。
日足のストキャスティクスは売られ過ぎの水準で推移しているが、下げ止まりのムードが出ている(下の日足チャート、赤矢印を参照)。
1.0750レベルがユーロドルの下落を止める場合は、上で述べた200日線および21日線がレジスタンスのラインとして意識されるかどうか?この点を確認することになろう。
これらの移動平均線が相場の戻りを止める場合は、1.0750レベルの攻防を意識する状況が続くと予想する。
1.0750レベルがサポートの転換に失敗し、ユーロドルの下落幅がさらに拡大する場合は、50日線のトライを想定しておきたい。この移動平均線は今日現在、1.0695レベルまで上昇している。
ゆえに50日線の攻防は、1.07台を維持できるかどうか?を見極めるための攻防となろう。
ユーロドルのチャート:日足 23年7月以降
再び拡大の傾向にある米独の利回り格差
ユーロドル(EUR/USD)のトレンドを左右する米独の長期金利格差の動向を確認すると、再び拡大の傾向へ転じるムードにある。この動きに連動し、ユーロドルの上昇圧力が後退している(下のラインチャートを参照)。
米債市場(米金利)の動向は重要である。しかし、米欧の中銀による利上げサイクルの終了が想定されている状況を考えるならば、今後外為市場の焦点は、金融政策から景気の動向にシフトしていくだろう。
ゆえに、これからユーロドルのメインテーマは、「米欧の景況感の勝負」となることが予想される。
今後の経済指標でユーロ圏の景気回復が遅れる状況が確認される場合は、米国の長期金利以上にドイツの長期金利の低下幅が拡大する可能性がある。このためユーロドルが反発しても、米ドル安を軸とした上昇には限界があろう。
ゆえに目先の反発局面では、レジスタンスの水準として意識されている1.10レベルや今夏に相場の反発を止めた1.1050レベルの水準でユーロドルの上昇が止められる展開を想定しておきたい(上の日足チャートを参照)。
ユーロドルと米独利回り格差のチャート:日足 年初来
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