焦点は米英の経済指標 / ドル円とポンド円のチャートポイント
現在の外為市場は景気の動向がテーマとなっている。よって、今は経済指標が材料視されやすい状況にある。今日は米国の小売売上高と英国の雇用関連指標が焦点に。ドル円とポンド円のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
焦点は米英の経済指標
【サマリー】
・米国市場のテーマは「景気」
・今日の注目材料は4月米小売売上高
・ドル円のチャートポイントについて
・ポンド相場は雇用関連指標後の動きが焦点に
・ポンド円のチャートポイントについて
・テーマは「景気」
16日の米債市場では、長期金利(10年債利回り)を含め各利回りの低下基調が続いた。景気の動向を反映する長期金利は、2.9%を挟んで上昇が抑制される展開に。
一方、週明けの米国株は、景気敏感セクターの下落幅が拡大した。これらの動きは、米国市場(債券市場と株式市場)のテーマが景気の動向であることを示唆している。
市場参加者の関心が景気の動向にあることを考えるならば、注視すべきは経済指標である。昨日の5月NY連銀製造業景気指数は-11.6と、4月の24.6から大幅に低下した。今日は4月の小売売上高がある。個人消費の動向を考える上で重要な指標だが、NY連銀製造業景気指数に続き予想以下の内容となれば、米金利の低下基調が続くことが予想される。
このケースでの外為市場では、米ドル高の調整売りを想定しておきたい。対照的に円や欧州通貨は買戻し優勢の展開が予想される。
米長期金利のチャート
ドル円の焦点とチャートポイント
・さえない小売売上高では下落幅の拡大に要注意
ドル円(USDJPY)は、引き続き米金利にらみの展開が続こう。上で述べたとおり、今日の米金利は4月小売売上高が発表された後に上下に振れる可能性がある。小売売上高が予想以上ならば、「米金利の反発→ドル円の上値トライ」を想定しておきたい。
問題は、小売売上高が予想以下となる場合である。さえないNY連銀製造業景気指数の内容に米金利が低下で反応した状況を考えるならば、さえない小売売上高でも同じ状況が予想される。個人消費の縮小は米国株の売り要因にもなり得る。米国市場全体がリスク回避相場となれば、129円ミドルの水準で戻り売りの状況に陥っているドル円の下落幅が拡大する展開を警戒しておきたい。
・上下のチャートポイント
ドル円は129円ミドルのレベルで戻りが止められている。この状況をテクニカルの面でみると、10日線がサポートラインからレジスタンスラインへ転換しつつあることがわかる。また、高値131.34(5/9)を付けた後、上値の水準が徐々に切り下がってもいる。このタイミングでさえない小売売上高となる場合、ドル円(USDJPY)はフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準127.50レベルのトライ&ブレイクの可能性を意識しておきたい。
先週12日の下落時に意識されたこのサポートポイント(127.50レベル)を完全に下方ブレイクする場合は、4月下旬に相場をサポートし続けた127.00トライを警戒しておきたい。
一方、ドル円が上値トライとなる場合の焦点は、10日線の上方ブレイクである。これを達成する場合は、130円台の回復が焦点となろう。先週12日に130.05レベルで上値が止められた。今は景気の先行きリスクが意識されている。「強い小売売上高→ドル円の130円トライ」となっても、米金利の上昇幅が限定的となる場合は、130.00前後で反落する展開を警戒しておきたい。
ドル円のチャート
ポンド相場の焦点は雇用関連指標 ポンド円のチャートポイントについて
・焦点は雇用関連指標
16日のレポートでも取り上げたポンド相場は現在、イングランド中央銀行(BoE)の利上げスタンスよりも英国経済の先行きリスクの方がテーマとして意識されている。よって、米ドル相場と同じくポンド相場も経済指標が材料視されやすい局面にある。
今日は雇用関連指標の発表がある。内容次第でポンド相場は上下に大きく振れる可能性があろう。昨日は米ドル安にサポートされポンドドル(GBPUSD)は反発基調を維持した。
この動きに連動し、ポンド円(GBPJPY)でも下げムードが一服している。このタイミングで雇用関連指標が総じて良好な内容ならば、ポンド相場は反発基調を維持することが予想される。ポンド円は、もう一段の上値トライを想定しておきたい。
問題は、さえない雇用関連指標が確認される場合である。英国経済の先行きリスクが意識されているタイミングと「米金利の低下→ドル円の下落」の可能性があることを考えるならば、このケースではポンド円の下落幅拡大を警戒したい。
・上下のチャートポイント
ポンド円(GBPJPY)が上値トライとなる場合は、短期レジスタンスラインのトライ&ブレイクが焦点となろう。このラインは今日現在160.08前後で推移している。また、すぐ上の水準160.30レベルには50日線(EMA)がクロスしている。「良好な雇用関連指標→ポンド買い」となっても160円前後で上値が止められる場合は、地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。
一方、50日線を難なく上方ブレイクする展開となれば、もう一段の上値トライを想定しておきたい。このケースでは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準160円ミドル前後、そして4月高値と5月安値の半値戻し162.00レベルのトライが焦点として浮上しよう。
一方、ポンド円が下値トライとなる場合は、昨日の安値157.41レベルのトライ&ブレイクとなるか?まずはこの点に注目したい。
ポンド円が157.41レベルを難なく下抜ける場合は、13日安値156円のミドルレベル、および12日の安値155.58レベルを視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。
ポンド円のチャート
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