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外為市場の焦点は “米ドル高” へシフト / ドルインデックスの展望について

2月に入り米国の経済指標で予想を上回る内容が確認されている。強い経済指標は米金利の上昇圧力を高めている。米金利の上昇基調は米ドル買いの圧力を高めている。よって、目先の外為市場は米ドル安ではなく、”米ドル高”が焦点となろう。米ドル相場のトレンドを示すドルインデックスで注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

外為市場の焦点は “米ドル高” へシフト


【サマリー】
・米経済指標の捉え方と市場の反応について
・現在の外為市場は米ドル安ではなく “米ドル高” が焦点に
・ドルインデックスで注目しておきたいチャートポイントについて


米経済指標と市場の反応

1月の米小売売上高は13カテゴリー全てが増加したことで前月比3.0%と、約2年ぶりの大幅増となった。自動車を除いたコア指数も同比2.3%増と、予想の0.9%増をはるかに上回る結果となった。

IG為替レポートで何度か指摘してきたが、23年の米国経済は景気リスクがメインテーマである。それゆえ、小売売上高のような景気の先行きを考える上で重要な経済指標が良好な内容となれば、市場が抱く景気リスクの懸念を後退させる要因となり得る。

昨日の米債市場は、強い1月小売売上高の内容を受け長期金利が3.8%台まで反発した。一方、株式市場では取引終盤に買戻しが入り、主要指数が上昇して引けた。典型的なリスク選好相場となった昨日の動きは、今後も景気の先行きを見極める上で重要な経済指標が強い内容ならば、投資家のリスク許容度が拡大し得ることを示唆している。

一方、インフレ関連の経済指標が予想以上に強い内容となれば、景気リスクとFRBによる金融引き締めの長期化に対する懸念を高める要因となろう。

それゆえ今年の米経済指標は、種類によって市場の反応が異なることを意識しておきたい。

アメリカ小売売上高の推移

アメリカ小売売上高の推移 データとチャート:米商務省, Bloomberg / 月次(2020年~)

外為市場の焦点は米ドル安ではなく “米ドル高”

2月に入り強い経済指標の内容が続いていることで、米債市場では利回りの反発基調が続いている。一方、短期金融市場では、3月以降も連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが意識される状況へシフトしている。

外為市場では上記の動向が意識され、米ドル高優勢の展開となっている。米ドル相場の方向性を示すドルインデックス(DXY)でこの点を確認すると、2月2日に100.82レベルで底打ちした後は21日MAがサポートラインとなり、昨日はフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準103.73レベルをローソク足の実体ベースで突破してきた。

今日以降、この水準(103.73レベル)がレジスタンスからサポートへ転換する場合、ドルインデックスは75日MA(今日現在104.63レベル)をトライする展開を想定しておきたい。

そして、上で述べたトレンドを考えるならば、現在の外為市場の焦点は米ドル安がどこまで進行するのか?ではなく、米ドル高がどこまで進行するのか?へシフトしている。

ドルインデックスのチャート

ドルインデックスのチャート チャート:TradingView / 日足(22年11月~)

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