ユーロドルの展望とチャートポイント
外為市場と米債市場は次のアメリカ経済指標待ちのムードにある。経済指標の内容次第で米金利とドル相場のトレンドが左右されるだろう。ユーロドルの展望は?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※ドル円の見通しについては、こちらのレポートを参照してください。
ユーロドルの見通しとチャートポイント
ドル円と同じくアメリカの経済指標にらみ
昨日のユーロドル(EURUSD)は1.0530台で反発した。しかし、サポートポイントの1.0650レベルを完全に下方ブレイクし下落トレンドの最中にある。地合いの弱さはMACDとモメンタムの状況からも確認できる。
欧州中央銀行(ECB)は、インフレ抑制重視のスタンスを維持している。これを受け、欧州の債券市場ではドイツの長期金利が一時2.59%と、約12年ぶりの水準まで上昇する局面が見られた。しかし2月以降、米独の長期金利(10年債利回り)の格差は緩やかな拡大の傾向にある(下チャートの赤ゾーンを参照)。
インフレのリスクが再び意識されているタイミングで今後発表されるアメリカの経済指標が相次いで予想以上となれば、米金利はもう一段上昇する展開が予想される。
逆にアメリカの経済指標でさえない内容が続けば、米金利の低下要因となろう。ドル円(USDJPY)と同じくユーロドルもアメリカの経済指標にらみの状況にある。
ユーロドルと米独長期金利の動向
上下のチャートポイント
今日以降、ユーロドル(EURUSD)が再び下値を試す場合、焦点は1.05レベルの維持となろう。昨年12月の上旬に続いて1月6日の市場でも“サポート転換”が確認されたこの水準で反発が続けば、重要なサポートポイントとして今後も意識される可能性が出てくる。サポートラインとして意識されている89日MA(1.0545レベル)の下方ブレイクは、1.05トライのシグナルと想定しておきたい。
ユーロドルが1.05の水準をあっさりと下方ブレイクする場合は、200日MA(1.0328レベル)を視野に下落幅の拡大を警戒したい。
一方、ユーロドルの反発局面(例えば1.05レベルで反発する局面)では、1.0650レベルの攻防に注目したい。この水準で“レジスタンス転換”が確認される場合は、上で述べた89日MAと1.05の下方ブレイク、そして200日MAまでの下落を意識する状況が続くと予想する。
逆にユーロドルが1.0650レベルを難なく突破する場合、次の焦点は2月に入り相場の上昇を止めた経緯のある21日MA(1.0710レベル)の攻防となろう。
ユーロドルのチャート
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