ドル円とユーロ円の見通しおよびチャートポイントについて
ドル円は135円台で次の材料待ちムードにある。一方、ユーロ円は調整の反落ムードを強めている。今日は4月の米国消費者物価指数(CPI)がこれら通貨ペアの変動要因となろう。注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※4月の米国CPIと債務上限問題についてはこちらをご覧ください
ドル円の見通しとテクニカル分析
次の材料待ちムード
ドル円(USDJPY)は現在、135円を挟んで売り買いが交錯している。
リスクリバーサルの動向を確認すると、1ヶ月と3ヶ月のそれらは横ばい推移にある。これらの動向は、現在のドル円が次の材料待ちの状況にあることを示唆している。
その材料として目先注目すべきは、こちらのレポートで取り上げた4月の米国消費者物価指数(CPI)と債務上限問題に関する新たなヘッドラインである。
ドル円とリスクリバーサルのチャート
上昇局面での注目ポイント
テクニカルの面でドル円(USDJPY)は現在、50日MA(133.78レベル)だけでなく、レジスタンスとして意識された経緯のあるフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準134.75レベルがサポートへ転換するムードにある。
ドルインデックス(DXY)と同じトレンドを描いていることを考えるならば、現在の上昇の土台は米ドル買いである。ゆえに、今晩の米国CPIがインフレ圧力の根強さを示唆する内容となれば、「米金利の上昇→米ドル買い」によるドル円のさらなる上値トライを想定する局面にある。
ドル円が上昇トレンドを維持する場合、目先の焦点は10日MA(135.33レベル)の上方ブレイクである。直近のトレンドを確認すると、この移動平均線で上昇が止められていることが分かる(ローソク足の実体ベース)。
ドル円が10日MAを完全に突破する展開となれば、IG為替レポートで何度か取り上げている76.4%の水準135.96レベルの上方ブレイク、言い換えれば136円台への再上昇が焦点として浮上しよう。
反落局面での注目ポイント
一方、4月米CPIが米ドル売りの要因となる場合、ドル円は反落の展開が予想される。だが、このケースではインフレリスクのさらなる後退で米国株が上昇することが予想される。ゆえに、ドル円が反落してもその下落幅は限定的となることが予想される。
ドル円の反落局面で注目したいのが、上で述べた134.75レベルでの攻防である。今週に入りこの水準がサポートとして意識されており、反落局面でこの状況が続く場合は、市場参加者にドル円の地合いの強さを印象付けよう。
ドル円が134.75レベルを完全に下方ブレイクする場合は、21日MA(134.55レベル)のトライおよびブレイクが次の焦点となろう。ドル円が21日MAをも下抜ける場合は、外為市場で債務上限問題が強く意識されている状況にあることが予想される。このケースでは、悪い金利の上昇による米ドル売りと米株安が同時に発生することが予想される。
つまり、債務上限問題はドル円の下落幅を最も拡大させる要因であり、ゆえにこの問題が意識される局面では50日MAのブレイクを警戒しておきたい。
ドル円のチャート
ユーロ円の見通しとテクニカル分析
タカ派発言でもユーロ売り
9日の外為市場では米ドルが買いの一方でユーロが売られる展開となった。
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁は9日付の独紙フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングとのインタビューでインフレ抑制重視のスタンスを示し、一段の利上げについて言及した。また、カザークス・ラトビア中銀総裁やバスレ・スロベニア中銀総裁もインフレ抑制重視の姿勢をあらためて示した。
要人のタカ派発言を受けてもユーロ売りとなった状況を考えるならば、ユーロ円(EURJPY)は調整の反落を意識すべき局面にある。
ユーロ相場の動向:5月9日
21日MAのブレイクなら下落幅の拡大を警戒
ユーロ円(EURJPY)は昨日、10日MA(148.92レベル)の手前で上昇が止められ、21日MAをトライする展開が見られた。この移動平均線は今日現在、147.97レベルで推移している。
ドル円(USDJPY)が反発トレンドにあるためユーロ円の下落幅は限定的だったが、今晩の4月米国消費者物価指数(CPI)でインフレ圧力の根強さが確認される場合は、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率が高まる可能性がある。この状況となれば、「利上げサイクル終了のFRBと利上げサイクル継続のECB」という構図が崩れることで(この可能性が意識されることで)、ユーロドル(EURUSD)の下落幅の拡大が予想される。
米国CPIでドル円が上昇してもユーロ安優勢の状況にあることを考えるならば、今のユーロ円は「ユーロドルの下落幅が拡大→21日MAのブレイク」を警戒する局面にある。MACDのデッドクロスもユーロ円の地合いの強さが後退していることを示唆している。
ユーロ円が日足ローソク足の実体ベースで21日MAを完全にブレイクし、かつこの移動平均線がレジスタンスへ転換する場合は、昨年12月高値の146.70レベルを視野にさらなる下落を警戒しておきたい。この水準では “サポート転換” が確認されている。
ユーロ円の反落局面でこの状況(146.70レベルでの反発相場)が続けば、日欧の金融政策スタンスの差があらためて意識されることで5月2日の高値151.61を目先の上限と想定した上昇トレンドが続くと予想する。この上限を目指すシグナルとして、目先は10日MAの突破できるか?この点に注目したい。
ユーロ円が10日MAを突破する場合は、149.00レベルおよび節目の150.00での攻防に注目したい。
ユーロ円のチャート
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