【ユーロドル (EUR/USD)】今日の見通しとチャートポイント
ユーロドル(EUR/USD)は米ドル安にサポートされ、1.07台の維持に成功している。しかし、今の反発相場が続くかどうか?は、米国の経済指標次第となろう。目先、注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米ドル安にサポートされ、ユーロドルは1.07の維持に成功した
・50日線を突破し、21日線の攻防が焦点に浮上している
・ECBの6月利下げが意識される一方、FRBの6月利下げ期待が後退している
・ユーロドルは現在、反発局面での反落相場を意識する状況にある
50日線を突破し21日線のトライが焦点に
「さえない経済指標→米金利の低下→米ドル安」にサポートされ、ユーロドル(EUR/USD)は昨日、50日線を上方ブレイクした(下の日足チャート、緑ラインを参照)。
50日線がレジスタンスラインへ転換しなかったこと、日足のモメンタムがゼロラインを視野に上昇していること、そしてストキャスティクスとRSIがゴールデンクロスの状況にあることも考えるならば(いずれも下の日足チャート、緑矢印を参照)、今日のユーロドルは21日線の攻防を意識したい。この移動平均線は今日現在、1.0860前後で推移している(下の日足チャート、青ラインを参照)。
こちらのIG為替レポートで取り上げた米国の新規失業保険申請件数が予想外に増加する場合、ユーロドルは米ドル安にサポートされ21日線をトライする展開が予想される。
ユーロドルが21日線をも上方ブレイクする場合は、1.09トライの可能性が高まろう。
ユーロドルのチャート:日足23年9月以降
反発局面での反落相場
一方、新規失業保険申請件数でアメリカ労働市場の堅調さが確認される場合は、短期的に21日線がレジスタンスのラインとして意識される可能性が出てくる。また、日足ローソク足で長い上ヒゲが確認される場合は、50日線の上方ブレイクが「だまし」だった可能性も意識する必要があろう。
3月のユーロ圏消費者物価指数は前年同月比で2.4%と、前月の2.6%から低下した。同比のコア指数も2.9%と前月の3.1%から低下し、市場予想の3.0%も下回った。
そして短期金融市場では現在、欧州中央銀行(ECB)が6月に利下げを開始する可能性が強く意識されている。対してFRBによる6月の利下げ確率は50%台へ低下している。
利下げ政策に対して市場参加者が抱く思惑を考えるならば、経済や労働市場の堅調さ、そしてインフレ圧力の根強さを示唆する米経済指標はユーロドルの下落要因となろう。
今日以降の米経済指標でこれらの状況が確認される可能性があることを考えるならば、ユーロドルの反発局面では、反落相場を常に警戒する必要があろう。
ユーロ圏 消費者物価指数の動向:23年以降
反落局面でのチャートポイントは?
今日以降の米経済指標が堅調な景気と雇用、そしてインフレ圧力の根強さを示す場合は米ドル高を受け、ユーロドル(EUR/USD)は再び50日線を下方ブレイクするだろう。
このケースで注目したいのが、昨年10月3日の安値と今年4月2日の安値1.0725レベルで形成されている右肩上がりのラインが、新たなサポートラインとして意識されるかどうか?である(下の日足チャート、グレーの点線を参照)。
ユーロドルがこのラインを維持する場合は、トライアングルの攻防が続くシグナルとなろう。このケースでは、上で述べた21日線の他、トライアングルの上限でもある短期レジスタンスラインのトライを想定しておきたい。
一方、ユーロドルがグレーの点線(新たなサポートラインの候補)をあっさりとブレイクする場合は、IG為替レポートで注目しているフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.0712レベルのトライを想定しておきたい(下の日足チャート、赤ラインを参照)。
ユーロドルのチャート:日足23年9月以降
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