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ラガルド総裁「利下げ急がず」、消費者物価指数に注目、ユーロドルの見通し

6月30日に行われた下院選の初回投票でフランスの財政悪化に対する懸念がひとまず後退し、1日の外為市場はユーロ買い優勢となった。ユーロドル(EUR/USD)は上昇した。しかし、今は戻り売りを意識する局面にある。その理由は?目先の展望と注目のチャートポイントは?

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この記事のポイント

・「フランス・リスク」がひとまず後退し、1日の外為市場ではユーロ高となった
・しかし決選投票次第では、フランスの財政懸念がくすぶることが予想される
・ユーロドルの反発局面では、戻り売りを意識する局面にある
・ユーロドル、目先注目しておきたいチャートポイントについて


ユーロの買い戻し

6月30にフランスの国民議会(下院、定数577)選挙の1回目投票が行われた。マリーヌ・ルペン氏率いる極右「国民連合」(RN)が33.2%の得票率を得た一方、マクロン大統領率いる与党連合は20.8%で3位にとどまった。

しかし、左派連合の新人民戦線が28%の票を得たことで与党連合と新人民戦線からは、極右に対抗するために選挙区の状況に応じては候補者の一本化に協力する用意があるという発言が聞かれた。

国民連合(RN)が単独過半数に届かない見通しとなったことで、フランスの財政懸念が後退。週明けのユーロ相場は上昇した(下のチャートを参照)。

ユーロドル(EUR/USD)は一時、1.0780手前まで上昇する局面が見られた。しかし、ユーロドルは戻り売りを警戒する必要があろう。

ユーロ相場の動向:7月1日

ユーロ相場の動向:7月1日 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成

ユーロドルは戻り売りを意識する局面に

ユーロドル(EUR/USD)の戻り売りを警戒する理由の一つが、フランスの長期金利の動きにある。

国民連合(RN)が単独過半数を取る可能性が後退したことで、財政懸念もひとまず和らいでいる。しかし、同じ懸念が意識されているイタリアとドイツの利回り格差と比較すると、フランスとドイツのそれはわずかながらの縮小にとどまっている。

ゆえに、今月7日の決選投票で与党連合が最大勢力の座を維持できなければ、約22年ぶりに大統領が党派の異なる首相と共存する「コアビタシオン」と呼ばれるねじれ状態に陥る。

この場合、国民連合(RN)の首相が内政を担当することになり、財政懸念がフランス国債の重し(利回り上昇の要因)となる展開が予想される。

フランスとドイツの利回り格差:日足 24年以降

フランスとドイツの利回り格差:日足 24年以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成


フランス国債の動向だけでなく、投機筋の動きも注視する必要がある。米国商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、6月以降、投機筋はフランス総選挙のリスクを理由にユーロ売りを進めきた。その結果、直近ではユーロのポジションが売りし越し(ネットショート)に転じている(下のチャート、赤棒グラフを参照)。

今月1日のユーロ買いは、その短期的な巻き戻し(ユーロの買戻し)と捉えることができる。上で述べたとおり、7日の決選投票でマクロン大統領の求心力がさらに低下すれば、財政懸念を意識したユーロ売りが再燃するリスクがくすぶる。

ユーロのポジション動向(非商業部門 / 6月25日の週)

ユーロのポジション動向(非商業部門 / 6月25日の週) CFTCとブルームバーグのデータで筆者が作成

ユーロドル、目先の見通し

下落局面でのチャートポイント

ユーロドル(EUR/USD)の戻り売りを警戒する理由は、日足チャートにもある。7月1日の日足ローソク足では長い上ヒゲが示現し、21日線で反発が止められた。そして今日は陰線の状況にある。

ゼロラインを下回るMACDの状況も考えるならば、6月以降の弱気地合いが続いていると考えられる。10日線を下方ブレイクする場合は、弱気地合いのムードが再び高まろう。

ユーロドルのチャート:日足 4月以降

ユーロドルのチャート:日足 4月以降

出所:TradingView

予想どおりユーロドルが下値をトライする場合は、10日線の他、以下の45分足チャートにプロットしたフィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防にも注目したい。半値戻しの水準1.0720レベルと61.8%の水準1.0707レベルの間に10日線が推移している(今日現在1.0715レベル)。

現状、ストキャスティクスは売られ過ぎの水準まで低下している。RSIでもゴールデンクロスが確認される状況でユーロドルが上で述べたチャート水準をトライする場合は、短期的な反発相場を想定しておきたい。

ユーロドルのチャート:45分足 6月26日以降

ユーロドルのチャート:45分足 6月26日以降 TradingView提供のチャートで作成

出所:TradingView


消費者物価指数(HICP)後の動きに注目

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は1日、ECB主催の年次フォーラム開会に際して講演し、インフレの脅威が過ぎ去った十分な証拠をまだ得ていないと主張した。今日は討論会に参加するが、インフレについて言及する場合は、同じ主張を繰り返すだろう。

日本時間の18時に6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が発表される。市場予想(前年同月比)は総合で2.5%、コアで2.8%と物価目標の2%に向かって鈍化の傾向を維持する予想となっている。

ラガルド総裁はインフレの粘着性を警戒している。ゆえに、6月の消費者物価指数が予想以下の内容となれば、9月利下げの期待を高める要因となろう。現状、短期金融市場では60%の確率で利下げを織り込む状況にある。

米連邦準備制度理事会(FRB)が早期の利下げに慎重な姿勢を維持するなか、ECBの利下げ期待が高まればユーロ売りの要因となろう。ユーロドル(EUR/USD)は上で述べたサポート水準をトライする展開を想定しておきたい。

一方、6月の消費者物価指数でインフレ圧力の根強さが確認される場合は、逆の展開が予想される。このケースでのユーロドルは、21日線のトライおよびブレイクアウトが焦点となろう。

この移動平均線は今日現在、1.0753レベルで推移している(一番上の日足ローソク足チャート、緑ラインを参照)。

ユーロ圏 消費者物価指数の動向:23年6月以降

ユーロ圏 消費者物価指数の動向:23年6月以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤のドット:6月の市場予想

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