ドル円の見通しと注目しておきたいテクニカルポイントについて
さえない米国の経済指標と国内のインフレ圧力の根強さを受け、ドル円は再び反落を意識する局面にシフトしつつある。今日の見通しは?注目のテクニカルポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※外為市場とユーロ円の見通しについてはこちらのレポートをご覧ください
高まる反落のムード
昨日の米国経済指標では、予想以下の内容が相次いだ(詳細についてはこちらのレポートを参照)。
さえない経済指標を受け、20日の米債市場では長期ゾーンを中心に利回りが低下した。経済の先行きを反映して動く10年債利回りは3.52%まで低下した。一方、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りも4.14%まで低下した。今日の時間外市場でも、これら米金利は低下基調を維持している。
米金利のチャート
根強い国内のインフレ圧力
本日、総務省が公表した3月の消費者物価指数(CPI)によれば、総合では前年比で3.2%と市場予想と一致した。一方、生鮮食品を除くコアCPIは同比3.1%で前月から横ばい推移となった。
注目したいのは、生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIの推移である。3月は前年比で3.8%と市場予想の同比3.6%を超え、1981年12月以来、41年3カ月ぶりの水準となった。基調としてのインフレ圧力の根強さを示唆する内容にとなった。
3月CPI発表後、外為市場では円高優勢の展開となり、ドル円(USDJPY)は10日MAが推移している133.78レベルを視野に下落幅が拡大している。
国内のインフレ率:消費者物価指数(CPI)の動向
ドル円のチャート
焦点は米国株の動向
ドル円(USDJPY)の日足チャートを見ると、このレポートを執筆している時点で10日MA(133.77レベル)をトライする状況にある。
今日は4月の購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表される。冒頭で述べたとおり、4月のフィラデルフィア連銀製造業と3月の景気先行総合指数はともに予想外の落ち込みを見せた。昨日に続き、4月PMI指数でも景気の先行きリスクを意識させる内容が確認される場合は、「米金利の低下→米ドル安」のトレンドが続くことが予想される。
このケースでの焦点は、米国株式市場の動向である。直近は、ネットフリックス(NFLX)とテスラ(TSLA)のさえない決算が相場の重石となり、再び不透明感が漂い始めている。特にハイテク株比率の高いナスダック指数で下落幅が拡大している。
このタイミングで4月のPMI指数が景気リスクの懸念を高める要因となれば、「米株安→円高」の圧力も高まることが予想される。
米金利の低下と米株安が同時に発生すれば、ドル円の下落幅が拡大する展開を警戒する必要がある。
米国株 今週のパフォーマンス
徐々に明確となってきた新たなレジスタンスの水準
テクニカルの面でもドル円(USDJPY)の下落を警戒する局面にある。
一時は135円台をつっかける動きが見られたドル円だったが、日足チャートでトレンドを確認すると3月高安のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準134.75レベルで上昇が何度も止められていることが分かる(日足ローソク足の実体ベース)。
3月中旬の戻り高値を軸に考えるならば、135.10レベルで相場の上昇が止められていると考えることもできる。これらの動きを受け、MACDでは横ばい推移のムードが漂い始めている。
いずれにしても135.00前後での売り圧力の強さが確認され、10日MAをトライする展開へ転じていることを考えるならば、今後の上昇局面では135.00レベルの攻防が焦点となろう。この水準で何度も上昇が止められる場合は、135.00レベルを新たなレジスタンスの水準と想定したい。
ドル円のチャート
下落局面での焦点は?
上で述べた経済指標で米ドル売りの圧力がさらに高まる場合、ドル円(USDJPY)は直近高安の23.6%戻し133.80レベル(下の4時間足チャートを参照)、または上で述べた10日MA(133.77レベル)をブレイクするだろう。
ドル円の下落幅が拡大する場合、次に注目したいのが短期サポートラインの維持である(下の4時間足チャートを参照)。このラインは今日の欧州タイム以降、133.05-15レベルで推移する。133.02レベルはフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる。これらのテクニカル動向を考えるならば、短期サポートラインの攻防は、ドル円が133円台を維持できるかどうか?の攻防である。
ドル円が133円台の維持に失敗する場合は、21日MA(132.77レベル)を視野に下落幅が拡大する展開を警戒したい。
ドル円のチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。