ドル円の展望と142円台のチャートポイントについて
日米中銀の金融政策スタンスの差、米金利の反発基調、そして日米の株高トレンドが続いていることを考えるならば、ドル円は上値トライの状況が続くだろう。ドル円が142円台へ上昇する場合、注目すべきチャートポイントは2つ。これらの水準をも突破する場合は、国内サイドからの円安けん制を警戒したい。詳細はIG為替レポートにて。
※ポンド円の展望についてはこちらをご覧ください
サマリー
・FOMC後も米金利は緩やかな反発トレンドを維持している
・米金利の動きはドル円の上昇トレンドをサポートするだろう
・ドル円がさらに上値をトライする場合は、2つのレジタンスポイントの攻防が焦点に
・しかしドル円の上昇局面では、国内サイドからの円安けん制を警戒しておきたい
ドル円の展望とチャートポイント
ドル円は上値トライを意識する状況が続く
19日は米国市場が休場となるなか、米ドル買い優勢の展開となった。
一方、円を買い戻す動きも見られた。ドル円(USDJPY)は米ドル買いにサポートされ、142.00へ上昇する局面が見られた。
通貨オプション市場のリスクリバーサルの動向を確認するとドル・プットではあるが、その傾きは解消に向かう状況にある。この状況が続けば、1ヶ月のリスクリバーサルはドル・コールへ転じる可能性がある。
ドル円とリスクリバーサルのチャート
先週開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)に対する米債市場の反応だが、現時点ではいたって冷静である。
しかし、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは5月以降の反発基調を維持している。一方、米5年債利回りも同様の状況にある。
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は21日に下院金融委員会、22日に上院銀行委員会で議会証言に臨む。FOMC直後ということもあり新味のある発言はないと思われるが、あらためてインフレ抑制重視の姿勢を示すと同時に、今後の情勢次第で金融引き締め政策の維持を支持する場合は、上記の米金利に対して上昇の圧力が高まることが予想される。
19日のIG為替レポートで指摘したおとり現在のドル円は、日米2年債と5年債の利回り格差の動向に影響を受けている。日米の株式市場が株高のトレンドを維持していることも考えるならば、ドル円は142円台への上昇を想定しておきたい。
米金利のチャート
焦点は142.25レベルと142.50レベルの突破
本日、ドル円(USDJPY)が142円台の攻防へシフトする場合は、19日のIG為替レポートで指摘した142.25レベルの突破が最初の焦点となろう。この水準は、昨年の11月21~22日に相場の上昇を止めた経緯がある。
ドル円がこの水準(142.25レベル)を難なく突破する場合は、142.50レベルのトライおよびブレイクアウトが次の焦点となろう。このチャートポイントは、昨年の最高値151.94レベルと今年1月の安値127.22レベルのフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。
ドル円が142.50レベルをも難なく突破する場合は、145.00レベルのトライが次の焦点として浮上しよう。昨年の9月から11月の上旬にかけてこの水準前後は、レジスタンスとしてもサポートとしても意識された経緯がある。現在はレジスタンスの水準として意識する状況にある。
反落局面では21日MAの維持が焦点に
しかし、ドル円(USDJPY)が142.25レベルや142.50レベルをブレイクアウトすれば、日本の通貨当局から円安をけん制する言動が飛んでくる展開を想定する必要があろう。
実際に国内サイドから円安のけん制があっても、その効果は一時的であることが予想される。しかし、瞬間的にドル円の下落幅が拡大する可能性があるため国内サイドの動きには警戒しておきたい。
円安のけん制やその他の理由でドル円が反落する場合は、140円台の維持が焦点となろう。
4月の中旬以降、相場をサポートする局面が多く見られた21日MAが140.00レベルまで上昇している。テクニカルの面では、この移動平均線の維持が焦点となろう。
ドル円が140.00や21日MAを完全に下方ブレイクする場合は、レジスタンスからサポートへの転換が確認されている138.70レベルまでの反落を想定しておきたい。突発的に円相場が急伸する(一気に140円割れとなる)きっかけとしては、やはり国内サイドからの円安けん制が考えられる。
ドル円のチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。