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【ドル円 (USD/JPY)】新たな上値の水準を見極める状況に / 反落局面での焦点は?

日銀の内田真一副総裁は8日、マイナス金利政策を解除した後も緩和的な金融環境を維持していく考えを示した。この発言が材料視され、昨日の外為市場では円安が進行した。一気に149円台の攻防へシフトしているドル円(USD/JPY)の見通しとチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・8日の外為市場では、内田日銀副総裁の発言で円安が進行した
・ドル円はレジスタンスゾーンを突破し、新たな上値の水準を見極める局面へシフトした
・149円台の攻防では、149.70レベルをもブレイクするのか?に注目したい
・反落の局面では、レジスタンスゾーンのサポート転換が焦点となろう


さらに進行する円安

8日の外為市場は、対主要国の通貨で円相場が全面安の展開となった。

円安の要因となったのが、日銀の内田真一副総裁による発言だった。この日、同氏は奈良市で講演を行い、「仮にマイナス金利を解除しても、その後にどんどん利上げしていくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになる」と述べた。

円相場の動向:2月8日

円相場の動向:2月8日 ブルームバーグの為替データで作成


ドル円(USD/JPY)は、IG為替レポートで何度も取り上げてきた149円前後のレジスタンスゾーンを大陽線で上方ブレイクし、高値149.48レベルまで上昇する局面が見られた。

主要なクロス円も上昇幅が拡大した。ユーロ円(EUR/JPY)は現在161.00レベル、ポンド円(GBP/JPY)はレジスタンスの水準として意識されやすい188.50レベルをそれぞれトライする状況にある。

※ユーロ円とポンド円の焦点については、こちらのIG為替レポートをご覧ください。


ドル円、今日の見通しとチャートポイント

焦点は149.70レベルのトライとサポート転換の確認
8日のIG為替レポートでは、148.80-149.15ゾーン(レジスタンスゾーン)の攻防が、現在のドル円(USD/JPY)の焦点と指摘した。

日足モメンタムの上昇は限定的だが、10日線がサポートラインとなり、昨日大陽線でレジスタンスゾーンを完全に突破したことは、ドル円が新たな上値トライの局面へシフトしたことを示唆している。

今日以降は、2つの点に注目したい。ひとつは、IG為替レポートで取り上げたことのある149.70レベルのトライである。この水準は、昨年の11月下旬に相場の反発を止めた経緯がある(下のチャート、赤矢印を参照)。

レジスタンスゾーンを大陽線で一気に突破した昨日の動向を考えるならば、このまま149.70レベルを目指す可能性がある。

もう一つの注目ポイントは、上で述べたレジスタンスゾーンの “サポート転換” である。

現在の「ドル高・円安」の持続性を考える上では、後者のサポート転換がより重要な焦点となろう。反落の局面でドル円が148.80-149.15レベルでサポートされる場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けるからだ。

実際にドル円が148.80以上の維持に成功すれば、上で述べた149.70レベルのトライだけでなく、150円台へ上昇する可能性も高まろう。

ドル円のチャート:日足23年11月以降



反落局面でのチャートポイント
一方、ドル円(USD/JPY)が反落する局面では、上で述べた“サポート転換”が焦点となろう。

昨日の上昇局面にフィボナッチ・リトレースメントをプロットすると、23.6%の水準が149.11レベルにあたる。昨日のNY時間では、このテクニカルポイントで相場がサポートされる局面が見られた(下のチャート、黒矢印を参照)。本日、ドル円が反落する場合は、まずこの水準での攻防に注目したい。

ドル円のチャート:15分足 2月6日以降

ドル円のチャート:15分足 2月6日以降 TradingView提供のチャートで作成


ドル円が149.11レベルを下方ブレイクする場合は、149.00レベルをトライする展開を想定しておきたい。

ドル円が148円台の攻防となる場合は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準148.88レベルの攻防が焦点に浮上しよう。このはテクニカルポイントは、レジスタンスの水準として相場の上昇を止めた経緯のある148.80レベルと重なる。

過去の経緯とフィボナッチ・リトレースメントの水準から、やはり反落の局面ではレジスタンスゾーンのサポート転換が重要な焦点となろう。

ドル円が148.80レベルを完全に下方ブレイクする場合は、148円台の維持が焦点として浮上しよう。このケースでは、半値戻しの水準以下での攻防に注目したい。

特にフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準148.29レベルは、サポート転換の可能性を意識する水準として注目したい(上のチャート、緑矢印を参照)。


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