【ドル円 (USD/JPY)】上値の焦点は145.00レベルの突破 / 下値の焦点は200日線の維持
9日のドル円(USD/JPY)は下値トライの局面が見られるも200日線でサポートされた。しかし反発は限定的であり、次の材料待ちムードが漂っている。米国の物価指数(CPI / PPI)が発表されるまでは、ドル円は売り買い交錯の展開を想定しておきたい。今日のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・ドル円は200日線でサポートされ底堅さを維持した
・しかし反発は限定的であり、米国の物価指数発表まで売り買い交錯の展開が予想される
・ドル円の上昇局面では、145.00レベルの攻防に注目したい
・ドル円の下落局面では、引き続き200日線の維持が焦点となろう
次の材料待ちムードが漂うドル円
9日の米債市場では金利が上昇する局面が見られた。外為市場では米ドル高優勢の展開となった。しかし、米金利の上昇幅が限られたことで米ドル買いも限定的だった。
米ドル相場のトレンドを表すドルインデックス(DXY)は、102.60レベルで上昇が止められた(下のチャート、黒矢印を参照)。
ドルインデックスのチャート:1時間足 5日の米雇用統計発表以降
ドル円(USD/JPY)は、9日のIG為替レポートで取り上げた200日線の維持に成功した。日足ローソク足で長い下ヒゲが示現しての反発であったことも考えるならば、ドル円の下落局面ではこの移動平均線の攻防が目先の焦点となろう。
だが、現在の外為市場では米ドルの売り買いが交錯し、市場を動かす次の材料待ちムードが漂う。その材料として今週注目されるのが12月の米消費者物価指数(CPI、11日)と米生産者物価指数(PPI、12日)である。
重要な経済指標の発表を控えていることを考えるならば、今日の米ドル相場とドル円は売り買い交錯の展開が予想される。
ドル円のチャート:日足 23年11月以降
本日は、ニューヨーク地区連銀のウィリアムズ総裁がイベントに参加し、2024年の経済見通しについて講演する予定である。また、米10年債の入札も予定されている(日本時間11日午前3時)。
これらの内容次第でドル円は上下に振れる可能性がある。しかし、ウィリアムズ総裁の言動や入札の内容でドル円が上下に動いても、上で述べた物価指数の発表を控えていることを考えるならば、重要なチャートポイントが意識される展開が予想される。
本日、上値のチャートポイントとして意識したいのが、145.00レベルである。先週5日の12月米雇用統計を受け、ドル円は145.00レベルを突破した。しかし、日足ローソク足の実体ベースでの突破には失敗した。
週明け8日の市場では、高値144.92レベルで上昇が止められた。そして昨日は144.62レベルで相場の戻りが止められた(上の日足チャートを参照)。
これらの動きは、相場を動かす重要な材料が米ドル買いの要因となれば、ドル円は145.00を突破する可能性がある一方、それがない場合は上昇幅が拡大しづらい状況にあることを示唆している。
ドル円が145.00レベルを目指すシグナルとして、今週に入り相場の反発を止めている144.60レベルの突破に注目したい(下の1時間足チャートを参照)。
1時間足にフィボナッチ・リトレースメントをプロットすると、61.8%の水準が145.00レベルにあたる。テクニカルの面でもドル円の上昇局面では、145.00レベルの攻防に注目したい。
また、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準145.37レベルの突破は、新たな上値の水準として浮上している146.00(テクニカルの面では146.08)レベルをトライするシグナルになり得る(上の日足チャートを参照)。
ドル円のチャート:1時間足 5日の米雇用統計発表以降
一方、重要な下値のチャートポイントは、昨日相場をサポートした200日線となろう。この移動平均線は今日現在143.44レベルで推移している(上の日足チャートを参照)。ドル円が200日線を下方ブレイクする場合は、143円台の維持が焦点として浮上しよう。
上で述べた米国の物価指数発表を前にドル円が142円台の攻防となる可能性は低い。しかしそのような展開となれば、21日線(今日現在142.78レベル)の攻防が焦点として浮上しよう。
通貨オプション市場のリスクリバーサルの動向を確認すると、強い米雇用統計が確認されて以降、ドルプットの傾きが後退する傾向にある。日銀の早期政策転換に対する市場の観測が後退している状況も考えるならば、ドル円が下値をトライしても上で述べたサポートの水準で反発する展開を想定しておきたい。
ドル円とリスクリバーサルのチャート:日足 23年9月以降
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