今日以降は米経済指標にらみの展開に / ドル円の見通しおよびチャートポイント
日銀の根強い緩和姿勢を受け外為市場では円安が進行している。ドル円は142円台へ上昇し、かつこの水準を維持している。目先はアメリカの経済指標をにらみながらどの水準が新たなレジスタンスとなるのか?この点に注目したい。
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サマリー
・日銀は臨時の国債買い入れオペを通知、外為市場では円安が進行
・ドル円は142円台へ上昇しかつ142円台を維持する展開に
・ドル円が上昇トレンドを維持する場合は143.00レベルの攻防が焦点に
臨時の国債買い入れオペと円安の進行
日銀は昨日、2月22日以来となる臨時の国債買い入れオペを通知した。この情報が流れたのが、昨日東京時間の午前10時過ぎだった。
それ以降のドル円(USD/JPY)の動きを確認すると、上昇幅が拡大していることが分かる。主要なクロス円も、ドル円と同じ展開となった。
ドル円のチャート:15分足
日銀金融政策決定会合が開催された先週28日以降の円相場全体の動向を確認すると、主要国の通貨に対して軒並み円安が進行していることが分かる。
日銀は長期金利の上限を事実上1%まで引き上げたが、植田和男総裁は会合後の会見で、市場の動向次第では機動的なオペを行うことを指摘した。
早速その措置を行ってきたことは、外為市場の参加者に日銀の緩和スタンスの根強さを意識させる要因となった。この点は昨日の円安が示唆している。
円相場の動向:7月28日以降
ドル円の見通しとチャートポイント
143.00レベルが視野に
上で掲載したドル円(USD/JPY)の15分足チャートを再度確認すると、IG為替レポートで指摘したレジスタンスの候補のひとつ142.00レベルを突破した後、高値142.70付近からの反落局面でこの水準(142.00レベル)がサポートポイントとして意識されていることが分かる。
先月21日にレジスタンスとして意識された水準を維持している状況は、142.00レベルがレジスタンスからサポートへ転換するシグナルになり得る。
「日銀の緩和スタンスは根強い」という海外勢の思惑と、142.00レベルでのサポート転換の可能性を考えるならば、今日のドル円の焦点は、IG為替レポートで取り上げた2つめのレジスタンスポイントの候補である「143.00レベル」をトライするかどうか?この点にある。
ドル円のチャート:15分足
今日以降は米経済指標にらみの展開に
今日以降、外為市場はアメリカ経済指標にらみの展開が予想される。今日の日本時間23時に、7月ISM製造業景況指数と6月雇用動態調査(JOLTS)の求人件数が発表される。
7月に発表された各種の物価指標では、アメリカのインフレが鈍化の傾向にあることが確認された。短期金融市場では、7月の利上げを最後に利上げサイクルの停止を織り込む動きが見られる。
しかし、追加利上げの可能性が完全に潰えたわけではない。シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は31日、インフレが鈍化の傾向にあることを評価しながらも、9月会合での一段の利上げについてはデータを注視していくと述べた。同総裁は23年の投票権を持つ。
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエルFRB議長もインフレリスクの再燃を警戒し、「データ重視」のスタンスを維持している。
FRB要人のスタンスを考えるならば、今日以降発表される重要経済指標で強い内容が確認される場合は、「追加利上げの思惑→米金利の反発→米ドル買い」の展開を想定しておきたい。
円安が進行するなか、強い経済指標を受けて米ドル買いの圧力が高まれば、ドル円(USD/JPY)は上で述べた次のレジタンスポイントの候補である143.00レベルをトライすることが予想される。
ドル円が143円台へしっかりと上昇してくる場合は、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準143.22レベルのトライおよびブレイクアウトが次の焦点となろう。
このテクニカルポイント(143.22レベル)をも突破する場合は、ドル円のさらなる上昇を想定しておきたい。
ドル円のチャート:日足
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