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5月FOMCの注目ポイントと外為市場の反応 / ドル円とユーロドルのチャートポイント

今週、市場参加者の焦点は5月FOMCに集中しよう。焦点は利上げと量的引き締めのペースにある。FOMC後のドル円とユーロドルは大きく動く可能性あり。上下のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。※次回の配信は5月9日(月)となります。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

5月FOMCの注目ポイントと外為市場の反応


【サマリー】
・市場参加者の耳目は5月FOMCに集中

・今回のFOMCでは利上げと量的引き締めのペースが焦点に
・米金融引き締めペースの加速が意識される場合の米ドル相場と円相場の反応
・ドル円のチャートポイント
・ユーロドルのチャートポイント


焦点は利上げと量的引き締め(QT)のペース

今週、各市場参加者の耳目は、5月3~4日の日程で開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)に集中しよう。
今回の会合での注目ポイントは2つある。ひとつは利上げのペースである。5月FOMCでは、0.5ポイントの利上げを決定する可能性が高い(0.75ポイントの利上げを主張するメンバーもいるが実際にこれを行ってくる可能性は低い)。この点は短期金融市場で織り込まれている。焦点は、6月以降のFOMCでも連続で0.5ポイントの利上げを行う可能性があるのか?あるならば何回になるのか?この点について市場参加者は、連邦準備制度理事会(FRB)を率いるパウエル議長の言動から探ってくるだろう。
なお、短期金融市場の動きを確認すると、パウエルFRBは今年12月までに3%前後まで利上げを行うことを織り込み始めている。

もう一つの注目ポイントは、量的引き締め(QT)の開始時期とペースである。4月6日に公表されたFOMC議事要旨(3月15~16日開催分)では、月額最大950億ドル(約12兆円)のペースで資産圧縮の開始を議論していたことが判明した。今回のQTでは、保有資産(国債や住宅ローン担保証券)の償還の際に再投資をせず徐々に保有額を減らこと、そして開始当初は低い上限とし、徐々に950億ドルまで引き上げる方針を示す可能性がある。

・米ドル相場と米国株の反応

パウエルFRB議長の言動から連続の0.5ポイント利上げの可能性が外為市場で意識され、かつ5月にQT開始となれば(今年1月11日の米上院委員会公聴会でパウエルFRB議長はQTの開始時期を年後半と指摘していたが、上のFOMC議事録では “早ければ” 5月のFOMC後に縮小を開始すると言及)、外為市場では金融引き締めペースの加速を意識した米ドル買いの圧力が高まることが予想される。一方、米国の株式市場では、ハイテクグロース株を中心に売り圧力が高まることが予想される。

円相場では、クロス円の動向に注目したい。直近の動きを確認すると「リスク回避の円買い」という過去のトレンドパターンが再び見られる。米金融引き締めペースの加速による米ドル高と株安が同時に発生する場合は、クロス円を中心に円安の調整(円の買戻し)圧力が高まる可能性がある。


ドル円のチャートポイント

・131.25のトライ&ブレイク

今週のドル円(USDJPY)は、FOMC後に大きく動くことが予想される。タカ派のFOMCとなる場合は、上値トライを想定しておきたい。
注目のチャートポイントは、現時点での今年最高値131.25(4/28高値)のトライ&ブレイクである。この水準を完全に突破する場合、次のレジスタンスポイントは132.00となろう。テクニカルの面では、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準131.97レベルの攻防に注目したい。
このテクニカルポイントを完全に上方ブレイクし、かつ132円台で底固めする動きが見られるならば、135円を視野に上昇トレンドを維持する可能性が高まろう。135.07レベルはフィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準にあたる。

・10日線と127.00レベル

一方、FOMCを前に米金利の上昇幅が拡大していることを考えるならば、FOMCを受けて米金利が低下する展開も想定しておきたい。
このケースでは、ドル円(USDJPY)の下値トライを予想する。注目ポイントは10日線(EMA)で変わらず。この移動平均線を下方ブレイクする場合は、サポートポイントの候補として浮上している127.00レベル(4月27日安値126.94レベル)の維持が再び焦点として浮上しよう。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

ユーロドルのチャートポイント

・1.06および1.0640台がレジスタンスポイントとなるか?

一方、今週のユーロドル(EURUSD)は、調整の反発を挟みながら下落トレンドが継続する展開を想定しておきたい。
ユーロドルが反発する局面で注目したいのが、1.06レベルがレジスタンスポイントへ転換するかどうか?この点にある。4月29日は米ドル安にサポートされ陽線引けとなったが、1.0592レベルで上昇が止められた。
1.06レベルの突破に成功しても、1.0640台がレジスタンスポイントとなる可能性もある。この水準には10日線(EMA)が推移している。また、フィボナッチ・リトレースメント38.2%(1.0648)の水準も1.0640台である。テクニカルの面では、1.0640の方が重要なポイントとして意識される可能性がある。

・下値トライのケースでは1.04台の維持が焦点に

5月FOMCで米欧の金融政策スタンスの差が意識され、ユーロドル(EURUSD)の下落幅が拡大する場合は下値トライを予想する。
このケースでは、1.04台の維持を最大の焦点と想定し、まずはフィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準1.0493レベルもしくは1.0470(4月28日安値)を下方ブレイクし、かつ反発の局面ではこれらの水準がレジスタンスポイントへ転換するかどうか?を確認したい。後者の展開となる場合は、1.04を視野に下落幅の拡大を警戒したい。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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