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ドル円とユーロドル 今週の焦点とチャートポイントについて

円買い介入を警戒すべき局面にあるが、ドル円の上昇トレンドを抑制する要因として今週は米金利の動きに注目したい。米利上げペースの減速が意識される場合、外為市場では米ドル売り優勢の展開が予想される。ドル円とユーロドルのチャートポイントは?詳細はIGレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

FRBの利上げペースの思惑と米金利の反応


【サマリー】
・ドル円の新たなレジスタンスポイントは「152.00」
・今週の焦点は米利上げペースに対する思惑と米金利の反応
・米金利が低下基調へ転じる場合、米ドル相場は下落を警戒
・ドル円とユーロドルのチャートポイントについて



・ドル円の新たなレジスタンスポイントは「152.00」

21日の外為市場でドル円(USDJPY)は、政府・日銀による円買い介入により152円手前から急落した。今回の円買い介入に300億ドル余りを費やしたとの報道があるが(英FT紙)、円買い介入は予想されていたことである。

そして、円買い介入で下落してもドル円の上昇トレンド自体を止めることはできないだろう。

しかし、今回の円買い介入で注目すべき点がひとつある。それは、152.00のレベルがドル円の新たなレジスタンスポイントとして意識される可能性が出てきたことである。

1987年から1990年に発生した「ドル高/円安」の局面でも、152.00レベルがレジスタンスポイントとして意識される局面が見られた(21日のIGレポートを参照)。そして現在は、円買い介入によってこのレベル(152.00)が再びレジスタンスポイントとして意識される可能性が出てきた。

ドル円のチャート

ドル円のチャート チャート:Bloomberg L.P. 5分足(21日18時以降)

・重要なのはFRBの利上げペース

今週は、米金利のトレンドを注視したい。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)が、12月会合で利上げペースを減速させるのか、その場合は市場にどう伝えていくのかーこれらの点が政策議論の焦点になると報じた。

21日の米債市場では、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りが4.6%台から4.4%まで低下した。10年債利回り(長期金利)も4.3%台で上昇が止められ低下した。

今週の米債市場で、インフレリスクよりも米利上げペース減速の可能性の方が強く意識される場合、利回りには低下の圧力がかかるだろう。そして米金利の低下は、米ドル安を促す要因となるだろう。

また、「米利上げペースの減速観測→米金利の低下」は、米株高の要因でもある。この点も米ドル相場の下落要因となろう。対照的に、欧州通貨や資源国通貨は対米ドルで買い優勢の展開が予想される。

米金利のチャート

米金利のチャート チャート:Bloomberg L.P. 5分足(21日16時以降)

ドル円のチャートポイント

・152.00がレジスタンスと考える理由

「152.00」がドル円(USDJPY)の新たなレジスタンスポイントになり得る、と指摘した。そう考える理由は、単に152.00手前で上昇が止められたというだけではない。

先週21日は、円買い介入とWSJの報道(11月FOMCで12月の利上げペース減速が政策議題の焦点になるという報道)が重なった。

筆者はこの状況に違和感を覚える。この違和感が正しいかどうかは、ドル円が再び152円を試す時の動きを確認するしかない。再びドル円が152.00に向けて上昇する場合、21日と同じ展開となれば、152円を超える「ドル高/円安」は許容できないという日米当局者の強烈なメッセージと捉えたい。

ドル円が上昇トレンドを維持する場合、目先は150円台へ再び上昇するかどうか?まずはこの点を確認したい。

これが確認される場合は、152.00レベルのトライおよびブレイクが次の焦点となろう。

・反落局面での注目ポイントは?

一方、WSJの報道を受けて米金利が低下基調へ転じる場合は、ドル円(USDJPY)の下値トライを警戒したい。

このケースでの焦点は、短期サポートラインの維持となろう。このラインは今週、146.35レベル→147.40レベルで推移する。

また、このラインと並行して21日線(146.43レベル)も推移している。

ドル円のチャート

ドル円のチャート チャート:Bloomberg L.P. 日足(8月以降)

ユーロドルのチャートポイント

・上昇の局面では50日線と短期レジスタンスラインの攻防に注目

米利上げペース減速の可能性が米債市場で意識される場合、外為市場では「米金利の低下→米ドル安」の展開が予想される。

このケースでのユーロドル(EURUSD)は、反発基調を維持するだろう。注目すべきポイントは、50日線(0.9900レベル)と短期レジスタンスラインの突破である。週明け早朝の上昇局面では、50日線がレジスタンスとして意識された。ゆえにユーロドルが上昇する局面では、この移動平均線の突破に成功するかどうか?まずはこの点を確認したい。

ユーロドルが50日線を完全に突破する場合、次の焦点は短期レジスタンスラインのトライおよびブレイクである。このラインは今週0.9980→0.9950レベルで推移する。フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準0.9945レベルの突破は、短期レジスタンスラインをトライするシグナルと想定しておきたい。

・下落局面での注目ポイントは?

一方、米金利の上昇基調が続く場合、ユーロドル(EURUSD)は半値戻しの水準0.9867レベルすら突破できずに下落する可能性がある。

このケースでの焦点は、短期サポートラインの維持となろう。このラインは今週、0.9700レベル→0.9730レベルで推移する。21日線(0.9780レベル)の下方ブレイクは、短期サポートラインをトライするシグナルとして想定しておきたい。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート チャート:Bloomberg L.P. 日足(8月以降)

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