FOMC後のドル円とユーロドルの展望そしてチャートポイントについて
連邦公開市場委員会(FOMC)の結果で、目先のドル円とユーロドルのトレンドが大きく左右されるだろう。「ハト派のFOMC」と「タカ派のFOMC」でそれぞれ注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
パウエルFRBの利上げスタンスとFOMC後の展望
【サマリー】
・予想外に増加した9月の米求人件数(JOLTS)を受け米金利が反発
・2年債利回りは再び4.5%台、10年債利回りは4%台へそれぞれ上昇
・目先の焦点は11月のFOMCだが、米金融政策の方向性は経済指標次第
・ドル円とユーロドル 上下のチャートポイントについて
・強い雇用指標で米金利が反発
米労働省が1日に発表した9月の雇用動態調査(JOLTS)は1072万件と予想外に増加し、労働市場の堅調さを示す内容となった(市場予想は975万件)。
強い雇用指標の内容は、低下の圧力が強まっていた米債利回りの反発要因となった。10年債利回り(長期金利)は3.92%付近から4%台へ、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは4.5%台へそれぞれ上昇した。
2年債利回りの上昇は、米債市場で連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め政策の長期化が意識されていることを示唆する動きである。
米金利のチャート
・割れる12月会合の利上げ予想
11月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、75ベーシスポイント(bp)の利上げが確実視されている。この点について各市場の参加者は織り込みである。よって今回の焦点は、将来の利上げのペースについて連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がどのような見解を示すのか?この点にあろう。
現時点で12月会合(FOMC)での利上げ予想を確認すると、50bpと75bpで割れている。一時は50bp利上げが優勢の局面が見られた。
しかし現時点(2日9時時点)では、予想外に増加した9月JOLTSの影響を受け、再び75bp利上げの予想が優勢となっている。強い雇用指標に反応した事実を考えるならば、11月会合でパウエルFRB議長が利上げペースの減速に言及しても、実際にそれに踏み切るかどうかは経済指標の内容-特にインフレ指標と雇用関連指標の内容次第、になると予想する。
だが、今回の会合が将来の利上げペースの減速を意識させる「ハト派のFOMC」となれば、米国市場の短期的なリアクションは「米金利の低下→米株高」と予想する。
外為市場では、米ドル売り優勢の展開が予想される。ドル円(USDJPY)の下落(または下落幅の拡大)、欧州通貨やオセアニア通貨の上昇を想定しておきたい(対米ドル)。
12月利上げ予想
・「タカ派のFOMC」ならば米ドル高を予想
一方、11月会合が「タカ派のFOMC」となる場合-具体的には、パウエルFRBが景気の先行きリスクよりもインフレリスクの抑制を重視するスタンスを維持する場合は、金融引き締め政策の長期化が意識されることで「米金利の上昇→米ドル高」の展開が予想される
このケースでは、米国株が下落すると思われる。ゆえに、リスク回避(米株安)も米ドル相場のサポート要因となろう。
米金利の動きと高い相関関係にあるドル円(USDJPY)は、上値トライの展開が予想される。一方、欧州通貨やオセアニア通貨は下落することが予想される(対米ドル)。
ドル円とユーロドル 上下のチャートポイント
・ドル円のチャートポイント
ハト派のFOMCのケース
FOMCの内容によって、米金利は上下に大きく振れることが予想される。ゆえに米金利と高い相関関係にあるドル円(USDJPY)は、FOMC後の米金利の動きに連動しよう。
「ハト派のFOMC」ならば、ドル円の下落または下落幅の拡大を想定しておきたい。目先の焦点は、昨日の安値147.00レベルである。だが、明確にサポートポイントとして意識された経緯があるのは146.00レベルと145.00レベルである。
直近の変動幅が拡大傾向にあることを考えるならば、「ハト派のFOMC→米金利の低下」の局面では、ドル円が145円台へ下落する可能性を意識しておきたい。短期サポートラインの下方ブレイクは145.00トライのシグナルとなろう。
なお、145.00レベルはレジスタンスからサポートへの転換ムードが見られる。この水準で相場が再び反転する場合は、目先の重要なサポートポイントとして意識される可能性が高まろう。
逆に今日以降、145円をも下方ブレイクする展開となれば、142.00そして140.00を視野にドル円の下落幅が拡大する可能性が出てくる。
タカ派のFOMCのケース
一方、「タカ派のFOMC」ならば、ドル円(USDJPY)は上値トライの展開が予想される。
このケースでの焦点は、149.00と149.50のレベルの突破である。先月24日以降、これら2つの水準でドル円の上昇が止められている。149円台では円買い介入が意識されやすい。
しかし、ドル円のトレンドの決定要因が米金利にある以上、タカ派のFOMCならば「米金利の上昇幅が拡大→ドル円の上昇幅が拡大」という展開が予想される。ドル円の149.50ブレイクは、150円台を再トライするシグナルと想定しておきたい。
ドル円のチャート
・ユーロドルのチャートポイント
ハト派のFOMCのケース
ユーロドル(EURUSD)のトレンドも、FOMCの結果に大きく左右されるだろう。
「ハト派のFOMC」ならば、ユーロドルは上値トライを予想する。このケースでの焦点は、パリティ水準(1.0)の突破と半値戻し(6月27日高値-9月28日安値)の水準1.0075レベルのトライである。後者の水準での攻防は、1.01の攻防の意味合いも持つ。
先月27日に相場の上昇を止めた21週移動平均線(MA)の突破は、半値戻しの水準(1.01レベル)をトライするシグナルと想定しておきたい。なお、この移動平均線(21週MA)は現在、1.0061レベルで推移している。
タカ派のFOMCのケース
一方、11月会合が「タカ派のFOMC」となれば、ユーロドル(EURUSD)は下落するだろう。このケースでの焦点は、0.9535(9/28安値)を起点とした短期サポートラインの攻防である。このラインは今日現在、0.9790レベルで推移している。
ユーロドルが短期サポートラインの維持に成功する場合は、明日以降も1.0以上の水準をトライする可能性が残るだろう。
逆にこのラインを難なく下方ブレイクする場合は、地合いの弱さを市場参加者に印象付けるだろう。このケースでは、0.97レベルと10月13日の安値0.9631レベルの維持が焦点となろう。
これらサポートポイントをことごとく下方ブレイクする場合は、0.9535(9/28安値)の再トライが焦点として浮上しよう。
ユーロドルのチャート
ユーロドルのチャート
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