今日のドル円の見通しとチャートポイントについて
外為市場では、ひとまず米ドル安が一服している。しかし、今後の米国経済と金融政策の状況を考えるならば、米ドル高の局面では戻り売りを意識しておきたい。現在のドル円の焦点は、戻り高値の水準を見極めることにある。注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
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サマリー
・米ドル相場の上昇局面では戻り売りを警戒しておきたい
・ドル円は戻り高値の水準(新たなレジスタンスのポイント)を見極める状況が続く
・ドル円の上昇局面で注目しておきたいチャートポイントについて
・ドル円の反落局面で注目しておきたいチャートポイントについて
20日は米ドル買い優勢の展開に
20日の外為市場は、米金利の上昇と米株安が重なったことで米ドルを買い戻す動きが見られた。米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)は、101.00ポイントを視野に反発の基調にある(下チャートの赤ゾーンを参照)。
一方、ドル円(USD/JPY)は、節目の140.00レベルを突破し、高値140.50レベルまで上昇する局面が見られた。
米金利とドルインデックスのチャート
米ドル相場は戻り売りを意識する局面に
予想外に減少した新規失業保険申請件数が、昨日の米金利の反発要因になったとの見方がある。
しかし、この日発表された他の経済指標の内容を確認すると、6月の中古住宅販売件数は416万件(予想420万件)、同月の景気先行指標総合指数は-0.7%(予想-0.6%)、そして7月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数は-13.5(予想-10.0)と、いずれも市場予想を下回った。
後者2つの経済指標と関連する景気指標の推移を確認すると、直近はいずれも低下の基調へ転じつつある。
連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクルが最終局面に差し掛かっている状況も考えるならば、昨日のように米金利が上昇しても将来の景気減速および後退の懸念、そしてFRBの利上げ停止とその先に待ち構える利下げが意識されることで米金利は今後、緩やかな低下トレンドをたどることが予想される。
ゆえにこれからの米ドル相場は、買戻しの局面が見られても戻り売りを意識する必要があると考える。
アメリカの景気関連指標の推移
ドル円の見通しとチャートポイント
戻り高値を探る状況が続く
上で述べたとおり、昨日は米金利の反発と米株安(ダウ平均以外の株価指数の下落)が重なったことで、外為市場では米ドル買い優勢の展開が見られた。
昨日のドル円(USD/JPY)は米ドル買いにサポートされ、レジスタンスポイントとして意識された節目の140.00レベルを上方ブレイクした。
リスク回避相場(株安)の局面では、円買いの圧力が高まりやすい。しかし、昨日のように株式市場が下落しても米金利が上昇する場合は、後者の影響の方を強く受けることでドル円が底堅い展開となる状況が続くと予想する。
米ドル相場の動向:20日
今月18日の植田日銀総裁の発言を受けて、来週27-28日に開かれる日銀金融政策決定会合での政策修正観測が後退している。この点はドル円のサポート要因となろう。
半値戻しの水準(安値129.64-高値145.07の半値戻しの水準)137.36レベルや138.00レベルでサポートされ、節目の140.00レベルを突破した状況も考えるならば、現在のドル円は戻り高値の水準を見極める状況にある。
今日のドル円が、昨日の高値140.50レベルを上方ブレイクする場合、次の焦点は5月29日から30日にかけて相場の上昇を止めた経緯のある140.90レベルのトライとなろう。
ドル円がこの水準をも突破する場合は、141円台の攻防シフトを想定したい。このケースで最初に注目すべきチャートポイントは、半値戻しの水準(安値137.24-高値145.07の半値戻しの水準)141.15レベルとなろう。
反落局面での焦点は?
日本株の下落または米金利が低下する場合は、ドル円(USD/JPY)の反落を想定しておきたい。
このケースでは、139円台の維持が目先の焦点となろう。昨日は139.11レベルで相場がサポートされた。
しかし、ドル円が139円を下方ブレイクしても、サポートポイントとして意識されている138.00レベルがレジスタンスへ転換しない限り、下値は限られる可能性がある。短期サポートラインの下方ブレイクは、138.00レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。
ドル円が137円台の攻防へシフトする場合は、半値戻しの水準(安値129.64-高値145.07の半値戻しの水準)137.36レベルや今月14日の安値137.24レベルで2度サポートされるかどうか?この点に注目したい。
ドル円の日足チャート:日足
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