FOMC後の短期展望 / ドル円とユーロドルのチャートポイント
今日のポイント:『FOMCの焦点は2つ。FOMC後の金利の動きが外為市場のトレンドを左右するだろう。ドル円とユーロドルのチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
FOMC後の短期展望
市場の関心は米連邦公開市場委員会(FOMC)にある。今回の焦点は2つある。
ひとつは、米金利の上昇に対するパウエルFRBのスタンスである。
『米金利の上昇は景気の回復を反映した動き』という従来のスタンスをあらためて示す場合、金利はもう一段上昇するか、1.6%台で高止まりする可能性がある。外為市場では米ドル買いの展開を予想する。
だが、2月の米ドル安を考えるならば、短期的に米ドル高となっても中長期的にはリスク性の高い通貨で米ドル安となる可能性がある。
そう考える理由は米株の動向にある。今週のナスダック指数は反発の基調にある。この動きは、金利の上昇リスクに対してハイテク株の耐性が強まっていることを示唆している。
また、米株のボラティリティ指数が低位で安定的に推移している状況も考えるならば、この先もリスク選好相場が続く可能性が高い。
この点が意識されリスク性の高い資源国通貨や新興国通貨で米ドルが下落する可能性があることを常に意識しておきたい。
一方、パウエルFRBが米金利の上昇をけん制してくるならば、長期債の購入を増額するなどの具体策に言及してくる可能性がある。
実際に実行するかどうかは今後の情勢次第だが、ひとまず言葉でけん制し、金利の動向をチェックするスタンスを取る可能性がある。
このケースでは米金利の低下を予想する。外為市場では米ドル安の圧力が高まろう。
だが、米金利の低下は米株の上昇要因である。リスク選好で売られやすい円に対しては米ドル高となる可能性がある。
米長期金利のチャート
もう一つの焦点は、パウエルFRBが考える将来のインフレ動向である。前回の予測(昨年12月)では、2021年と2022年の予測を9月時点のそれから上方修正した。
バイデン政策(1.9兆ドルの経済対策)やコロナワクチンの普及は米国内の景気回復とインフレを促すだろう。
将来の経済動向を考慮してインフレ予測を上方修正すれば、米金利の上昇と米ドル買い優勢の展開を予想する。
FEDのインフレ予測(コアPCE)
ドル円とユーロドルのチャートポイント
ドル円は、引き続き長期レジスタンスラインの攻防に注目したい。今日現在、このラインは109.30レベルで推移している。
FOMC後に米金利が上昇するか、株高と米金利の上昇が同時に発生する局面では、このラインの突破と110円を視野に上昇幅の拡大を想定したい。
一方、FOMC後に米金利が低下する場合、ドル円はこのラインで上値が抑制される展開を予想する。このケースでは、先週相場をサポートした108.30レベルの維持が焦点となろう。
この水準の下方ブレイクは、108.00トライのシグナルと想定したい。
108円をも下抜ける場合は、21日MA(今日現在107.28レベル)および短期サポートライン(今日現在106.00)の維持が焦点として浮上しよう。
ドル円のチャート
ユーロドルも米金利にらみの展開になると予想する。
下落基調のトレンドチャネルを形成しているタイミングで米金利が上昇する場合、ユーロドルは下値をトライする可能性が高いだろう。
このケースでの下値の焦点は、先週9日の安値1.1834レベルの再トライである。
この水準を下方ブレイクする場合は1.18割れ、そしてフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.1779レベルを視野に下落幅が拡大する展開を想定したい。
一方、米金利が低下する場合は、21日MA(1.2018レベル)をトライするかどうか?この点に注目したい。
ユーロドルが反発しても、21日MAすら突破できない状況が続けば、上記のサポートポイントを視野に下落トレンドの維持を予想する。
ユーロドルのチャート
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