今日の注目材料 / ドルインデックスとドル円の展望について
今日の注目材料は4月の米小売売上高とFRBの要人発言となろう。米ドル相場のトレンドを示すドルインデックスは102.40レベルのサポート転換が焦点に。一方、今日のドル円の見通しと注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・15日の外為市場はリスク選好相場を受け米ドルと円が下落する展開となった
・今日の注目材料は4月の米小売売上高とFRBの要人発言
・FRBの要人によるタカ派の発言が続く場合は米ドルを買い戻す要因に
・ドル円の見通しと上下のテクニカルポイントについて
リスク選好を受け米ドルと円が下落
15日の外為市場は米ドル安優勢の展開となった。
この日は、日米欧の主要な株価指数が上昇した。また、国際商品市況も堅調地合いとなった。米金利は反発したがリスク資産上昇の影響の方が大きく、米ドル相場は資源国通貨や新興国通貨を中心に下落する展開となった。
米ドル相場の動向:5月15日
米ドル以上に売り圧力が高まったのが円だった。ドル円(USDJPY)は欧州タイムに高値136.32まで上昇する局面が見られた。
クロス円も総じて上昇した。リスク選好相場の状況では上昇幅が拡大しやすいのが豪ドル円(AUDJPY)だが、昨日は21日MA(今日現在90.26レベル)でサポートされ91円台へと反発した。
ユーロ円(EURJPY)は、21日MA(今日現在148.08レベル)をトライする局面が見られた。ポンド円(GBPJPY)は168円台の維持に成功し、レジスタンスポイントの171.00レベルを再び視野に入れるムードにある。
円相場の動向:5月15日
今日の注目材料
4月の米小売売上高
5月のニューヨーク連銀製造業景気指数は-31.8と、前月の10.8から大幅に落ち込んだ。さえない経済指標に対し米金利は低下し、米ドル相場で反応した。その動きは短時間で終息したが、さえない経済指標が米金利の低下要因となる状況が続いていることがあらためて確認された。
今日は4月の米小売売上高が発表される。市場予想は前月比で0.8%増と、2か月連続でマイナスとなった状況から脱する見通しとなっている。一方、自動車を除いたコア小売売上高も同比0.4%増と、マイナスの状況から脱することが予想されている。
個人消費の動向を反映する小売売上高が予想以上の伸びを示せば、米国経済の先行きに対する懸念を後退させる要因となろう。米債市場では利回りが反発基調を維持することが予想される。外為市場では米ドル買いの展開を想定しておきたい。
一方、米小売売上高が総じて予想以下の結果となれば景気懸念が想起され、米金利の低下とそれ伴う米ドル売りの展開が予想される。
米小売売上高の推移
FRBの要人によるタカ派寄りの言動は米ドルを買い戻す要因に
アトランタ連銀のボスティック総裁は15日、米経済専門局CNBCのインタビューで2024年まで利下げを検討することはないと述べ、市場が想定している年内の利下げを否定した。また、インフレの動向次第では追加利上げの可能性を示唆した。
一方、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は米国内の高インフレの状態に言及し、連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ鈍化のためにやるべき仕事がまだ残されているとの見解を示した。
今日もFRBの要人による討論会への参加や講演などが予定されている。インフレリスクについての言及および金融政策についてタカ派寄りの発言が多く見られる場合は、米金利の反発トレンドを支援する要因になり得る。
また、要人発言を受けFRBによる持続的な利上げ政策の可能性が意識される場合は、米国株の調整売り要因にもなり得る。米金利の低下と米株安が同時に発生する場合、外為市場では米ドルの買い戻しが進行する展開を想定しておきたい。
米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)は昨日、米ドル売りを受けて反落した。しかし、レジスタンスとして意識された102.40レベルでサポートされた。
上で述べた米小売売上高やFRBの要人発言が米ドルの買い戻し要因となり、102.40レベルでの“サポート転換”が鮮明となれば、ドルインデックスは”レジスタンス転換”が確認されている103.00レベルを目指すトレンドが続くと予想する。ドルインデックスの102.80突破は、103.00レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。
ドルインデックスのチャート
ドル円の見通しとテクニカル分析について
136.57レベルの攻防が焦点に
ドル円(USDJPY)は昨日、円安にサポートされ高値136.32レベルまで上昇する局面が見られた。
米金利が反発基調を維持し、かつ日米の株式市場が高値圏での攻防を維持している状況も考えるならば、ドル円の焦点は引き続き新たなレジスタンスの水準を探ることにある。
今日現在137.03レベルで推移している200日MAをドル円がトライするシグナルとして、5月3日に示現した大陰線の高値136.57レベルの突破に成功するか?この点を確認したい。
ドル円が136.57レベルのみならず200日MAをも上方ブレイクする展開となれば、次の焦点は137.50レベルのブレイクアウトである(日足ローソク足の実体ベースでのブレイクアウト)。
ドル円が137円ミドルをも突破する展開となれば、今年3月8日の高値137.91レベルをトライする可能性が高まろう。
一方、ドル円が136.57レベルの手前で上昇が止められる場合は、調整の反落相場を想定しておきたい。昨日の日足ローソク足は上影陽線となった。現在は強気相場の状況にあるが、136円ミドル付近からの上値追いには警戒感がうかがえる。よってドル円が136.57(136円ミドル)付近で反落する場合は、下で述べるサポートポイントの攻防に注目したい。
ドル円のチャート
反落の局面で注目しておきたいチャートポイント
今日のオセアニア時間から東京時間の序盤にかけ、ドル円(USDJPY)は上値の重い状況が続き136円台を下方ブレイクする局面が見られる。
ドル円がさらに下値をトライする場合は135円(135.00レベル)を目先の下限と想定し、まずは昨日のさえない米経済指標を受けて下落した際に相場をサポートしたリトレースメント23.6%の水準135.71レベルの攻防に注目したい。
すぐ下の135.60レベルでも相場がサポートされる局面が見られた。よって135.60-70をサポートゾーンと想定し、ドル円がこのゾーンを難なく下方ブレイクする場合は、38.2%の水準135.33レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。
ドル円が135.30台をも下方ブレイクする場合は、半値戻しの水準135.03レベルの攻防が焦点として浮上しよう。上の日足チャートを確認すると、10日MAが今日現在135.04レベルで推移している。テクニカルの面で135.00は目先の重要なサポートの水準と想定しておきたい。
RSIが40割れとなるか、売られ過ぎの水準の30付近まで低下するタイミングで、ドル円が上で述べたサポートポイントでの攻防となる場合は、ドル円の反発を想定しておきたい。
ドル円のチャート
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