リスク資産価格にらみの外為市場 /ドル円の注目ポイント
サマリー:「リスク資産価格の上昇は投資家心理の改善を示している。今週の外為市場は投資家心理に左右されると予想。特にドル円とオセアニア通貨に注目。それぞれのチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
リスク資産価格にらみの外為市場
・リスク資産価格は投資家心理の改善傾向を示唆
今週の外為市場は、引き続き投資家心理にらみの展開になることが予想される。その投資家心理は、リスク資産価格によって揺れ動くだろう。
米国の株式市場では、機関投資家がベンチマークとするS&P500指数(SPX500)が先週23日に過去最高値を更新した。VIXは17.96、VXNは21.32と、各ボラティリティ指数は低下基調にある。
また、国際商品市況ではNY原油(WTI)が1バレル=73ドル台へと反発。市況全体のトレンドを示すCRB指数(CRB Index)も230ポイント台へと上昇している。これらリスク資産の動向は、投資家の心理が改善傾向にあることを示している。
リスク資産価格とアメリカ長期金利のチャート
・市場センチメントにらみの通貨ペア
リスク資産価格の上昇に連動し、米国の債券市場では長期金利(US10YT)が反発の基調にある(上のチャート右下を参照)。今週も株式市場、特に米国株が上昇トレンドを維持する場合、米金利もこの動きに追随することが予想される。
市場センチメントの改善が続く場合、この動きに連動しているドル円(USDJPY)は上値トライの展開が予想される。
逆にリスク資産、特に米国株が利益確定売りに圧される場合、ドル円も調整の反落を想定したい。だが、オミクロン株への懸念は後退している。リスク回避相場へ急速に転じる他の要因も見当たらない。また、CFTCが公表している投機筋のポジション動向を確認すると、10万枚の水準を超えていた円ネットショートが、約5.3万枚まで減少している。これらの動向を考えるならば、リスク資産の反落によってドル円が下値をトライしても、その下落幅は限定的と予想する。
投機筋の円ポジション動向
ドル円の注目ポイント
ドル円(USDJPY)は先週、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準114.37レベルの突破に成功した。上で述べたとおり、投資家の心理が改善傾向にあることも考えるならば、今週のドル円は上値トライを意識したい。
目先の焦点は、114.50レベル(12/24高値)の突破と115.00の再トライとなろう。フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準114.81レベルの突破は、115.00トライのシグナルと想定しておきたい。
一方、米国株などのリスク資産価格が反落する場合は、ドル円もこの動きに追随することが予想される。だが、上で述べた理由から下落幅は限定的になると予想する。このケースでのドル円の焦点は、114円台の維持となろう。113円台へ反落しても、21日SMA(今日現在113.64レベル)で反転する展開を予想する。現状、21日線は短期サポートラインと並行して推移している。
ドル円のチャート
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