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ドル円の週間見通し:米ドル高・円安の継続を想定するもフラッシュクラッシュには要警戒

2024年12月の外為市場では、米ドル高と円安が同時に進行した。今週より外為市場は2025年相場入りとなる。ドル円は「米ドル高・円安」の流れが続くと予想する。一方で、フラッシュクラッシュには警戒が必要だろう。

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今回の要点

今週、外為市場は2025年相場入りとなる。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペース鈍化と日銀の利上げ時期に対する市場の迷いが意識され、12月の外為市場では米ドル高と円安が同時に進行した。今週もこのトレンドが続くことが予想される。だが、ドル円(USD/JPY)の上昇局面では、フラッシュクラッシュを警戒したい。


12月は米ドル高と円安が同時に進行、ドル円は5%高

2024年12月の外為市場は、米ドル高と円安が同時に進行した1ヶ月となった。特に米ドルは、対日本円で5%超上昇した。ドル円(USD/JPY)の上昇幅が拡大した主因は、日米中銀の政策姿勢にある。

米ドルと日本円 2024年12月の騰落率:対G10 通貨

米ドルと日本円 2024年12月の騰落率:対G10 通貨

ブルームバーグの為替データで筆者が作成 / 12月27日までの動向

高まる米利下げペースの不透明感

短期金融市場では、来年1月28日-29日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBがいったん利下げを停止する可能性をすでに織り込んでいる。問題は、来年3月19日のFOMCである。注目ポイントを以下にまとめた。

・先週27日時点での利下げ確率が45%まで低下している。1月の利下げ確率と合わせて考えると、3月会合までの利下げは五分五分の状況となり不透明感が強まっている

米FOMC 来年1月と3月の利下げ確率の推移

FOMC 来年1月と3月の利下げ確率の推移

ブルームバーグの為替データで筆者が作成 / OISに基づく予想 / 12月27日までの動向
※マイナス表記:利下げ

・2025年1月20日に第二次トランプ政権が発足する。ドナルド・トランプ米次期大統領は11月25日、第二次政権が発足する初日に中国、メキシコそしてカナダからの輸入品を対象とした関税の大幅な引き上げを行うと表明した

・米議会が「トリプルレッド」の状況となったことで、第一次トランプ政権の時よりも政策実行のスピードが速まる可能性が高い。関税強化の他、トランプ減税、規制緩和そして不法移民の抑制などの主要な政策を矢継ぎ早に実行、またはスピード感をもって政策実現に動く場合、米FRBはトランプ政策がインフレに与える影響を注視せざるを得ない状況に追い込まれるだろう

・米政治の動向で3月の利下げ観測がさらに後退する可能性がくすぶる状況を考えるならば、引き続き米ドル高優勢の展開を想定しておきたい

日銀の利上げ時期で迷う市場、円相場の変動幅拡大を警戒

日銀の利上げパスに対する市場の思惑も揺れている。日銀の植田和男総裁は先週25日、経団連の審議員会で講演したが追加の利上げ時期についての明言は避けた。27日に公表された日銀の「主な意見」でも、追加利上げの判断では来年の春季労使交渉の動向や米国経済を見極める必要があるとの意見が見られた。先週27日時点で1月会合の利上げ確率は40%台にある。一方、27日の国内債券市場では新発10年国債利回りが1.11%まで上昇し、2011年7月以来およそ13年ぶりの高水準をつけた。

各市場の参加者は、日銀の利上げ時期を見極めきれずにいる。市場の迷いは、円相場の変動幅(ボラティリティ)を拡大させる要因になり得る。

日銀 1月会合の利上げ確率の推移

日銀 1月会合の利上げ確率の推移

ブルームバーグの為替データで筆者が作成 / OISに基づく予想 / 12月27日までの動向


ドル円の週間見通し、強気相場を想定もフラッシュクラッシュを警戒

今週のレジスタンスライン

今週のドル円(USD/JPY)は、引き続き上値のトライが予想される。以下で述べるレジスタンスラインの攻防に注目したい。

・日足のMACDはドル円が強気相場にあることを示唆している。モメンタムの上昇は一服しているが、ゼロラインよりも上で推移している。通貨オプション市場ではリスクリバーサルに大きな変動は見られない。予想変動率にも大きな動きは見られず、1週間のそれは低下基調にある。これらの動きを総合的に考えるならば、今週のドル円は上値トライを意識したい

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率:日足 2024年7月以降

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率:日足 2024年7月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 12月27日時点

・今週、ドル円が上値をトライする場合は、158円台へしっかりと上昇するかどうか?この点が焦点となろう

・ドル円が158円台の攻防へシフトし、かつ7月16日の高値158.86を突破すれば159円のトライを想定したい。テクニカルの面では、フィボナッチ・エクステンション61.8%の水準159.25の攻防が焦点となろう

・ドル円が159.25をも突破すれば、節目の160.00を視野に上昇幅の拡大を想定したい

レジスタンスラインまとめ

・160.00:節目のライン(日足)
・159.25:フィボナッチ・エクステンション61.8%(日足)
・159.00:レジスタンスライン
・158.86:7月16日の高値
・158.08:12月26日の高値(日足)

今週のサポートライン

一方、今週は年末年始で市場が薄くなる。ドル円の上昇局面では、不意打ちの「フラッシュクラッシュ」を警戒したい。注目のサポートラインを以下にまとめた。

・ドル円の下落局面では、157円の維持が焦点となろう。5日線の下方ブレイクは157.00トライのサインと捉えたい

・だが、今週は年末年始で市場が薄くなる。また、上で述べたとおり日銀の利上げ時期で各市場の捉え方が違う。国内金利の上昇で日米利回り格差の拡大が一服している状況にあることも考えるならば、不意打ちの「フラッシュクラッシュ」の急落を警戒しておきたい

・フラッシュクラッシュのきっかけとして注意したいのが、国内サイドからの円安けん制である。市場が薄い分、瞬間的にドル円の下落幅が急拡大する可能性がある。実際にフラッシュクラッシュが発生する場合は、全戻しの156円の下方ブレイクとサポートラインへ転換した154.50のトライを想定しておきたい。一方、調整の反落ならば、157を下方ブレイクしても、156円台で反発する展開を想定しておきたい

サポートラインまとめ

・157.43:5日線(日足 12/27時点)
・157.35:サポート転換の水準(1時間足)
・157.00:半値戻し(1時間足)
・156.76:フィボナッチ・リトレースメント61.8%(1時間足)
・156.45:フィボナッチ・リトレースメント76.4%(1時間足)
・156.32:10日線(日足 12/27時点)
・156.00:全戻し(1時間足)
・154.50:サポート転換の水準(1時間足)


ドル円のチャート

日足:2024年9月以降

日足:2024年9月以降

出所:TradingView

1時間足:12月16日以降

1時間足:12月16日以降

出所:TradingView


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