ヘッドアンドショルダー(三尊天井)とチャートの見方
相場にはさまざまなチャートパターンがあります。その中の一つに「ヘッドアンドショルダー」と呼ばれるパターンがあります。日本語では「三尊天井」と言われるこのパターンに多くのトレーダーが注目します。 ここでは、ヘッドアンドショルダーとは何か?そして具体的な取引方法について解説します。
テクニカル分析では、さまざまな指標や手法を用いることで相場のトレンドを予測しようとします。
その中のひとつに、チャートのパターンを重視する手法があります。相場の世界には色々なチャートパターンがありますが、多くの投資家やトレーダーから注目されているパターンのひとつが、「ヘッドアンドショルダー」です。
ヘッドアンドショルダーとは?
「ヘッドアンドショルダー」は、三つの山と二つの谷で形成されるチャートパターンです。日本語では「三尊天井」といいます。
三つの山うち、最も高い山が人間の頭(ヘッド)、他の2つの山を人間の肩(ショルダー)に見立てていることから、ヘッドアンドショルダーと言われています。
ヘッドアンドショルダーは、相場の反転を判断する際によく使われます。
また、ヘッドアンドショルダーには2つのパターンがあります。相場の天井とその後の下落を予想するパターンを「ヘッドアンドショルダーズトップ」といいます。一般的に、三尊天井と言われるチャートパターンです。
逆に相場の底とその後の上昇を予想するパターンを「ヘッドアンドショルダーズボトム」といいます。ヘッドアンドショルダーズボトムは日本語で「逆三尊」と言われています。
ヘッドアンドショルダーを見極める方法
相場の天井とその後の下落を予想する際に注目されるのが、ヘッドアンドショルダーズトップです。
ここからはヘッドアンドショルダーズトップを中心に、具体的なヘッドアンドショルダーの使い方について解説します。
ヘッドアンドショルダーが形成されたと判断するためにまず注目すべきは、3つの山(高値)の水準です。2つ目の高値が最高値(ヘッド)となっているか?そして1つ目と3つ目の高値がほぼ同じ水準であり、かつ2つ目の高値よりも下の水準(ショルダー)となっているか?を確認します。
下のチャートを見ると、2つ目の高値が最も高い水準にあります。そして1つ目と3つ目の高値はほぼ同じ水準にあり、かつ2つ目の高値よりも下の水準にあります。これが典型的なヘッドアンドショルダートップのパターンシグナルです。
ヘッドアンドショルダーを用いた取引
次にヘッドアンドショルダーを用いた取引について解説します。最も重要なことは、相場がネックラインを下抜けたことを確認することです。上のチャートでいえば、一番下の水平ラインがネックラインにあたります。3つの高値の水準でヘッドアンドショルダーのシグナルが表れても、ネックラインを下抜けないと「だまし」の可能性が残ります。
逆に相場がネックラインを下抜けする場合は、ヘッドアンドショルダーのパターン形成を意識し、売りを仕掛けることを考えます。
相場が下落トレンドへ転換したという強い確証を得るため、ネックラインがレジスタンスラインへ転換するかどうか?を確認するトレーダーがいます。サポートラインとして意識されてきたラインが、一転してレジスタンスラインへ転換するパターンは、下落シグナルと見なすことができるからです。実際に上のチャートでは、ネックラインを下抜けした後、ネックラインがレジスタンスラインへ転換しています。その後、相場の下落幅が拡大しています。
ヘッドアンドショルダーと損切り
ヘッドアンドショルダーは、損切りのタイミングを考える時にも用いられます。
例えば、ヘッドアンドショルダーのパターンを形成した後、相場が一時的に反転するケースがあります。この際、直前の戻り高値、またはネックラインを損切りの水準と考えます。後者の水準(ネックライン)での損切りは、上で述べたとおりこのラインがレジスタンスラインへ転換することを意識したトレードとなります。
パターン形成が「だまし」と判断するためには?
どのようなチャートパターンにも、「だまし」が発生する可能性があります。
ヘッドアンドショルダーのパターンが「だまし」であると判断するためには、3つ目の高値の水準(右肩ショルダー)の水準を相場が上抜けることを確かめる必要があります。
下のチャートでは左右のショルダー(肩)がほぼ同じ水準にありますが、実際の相場では左右のショルダーの水準に差があります。よって、直近のマーケット動向を反映した高値「右肩ショルダー」を上抜けているかどうか?この点を確認することが、ヘッドアンドショルダーの「だまし」を判断する際に重要となります
一例として下のチャートを見てみましょう。
左右のショルダー(肩)がほぼ同じ水準にあります。そして、直近のマーケット動向を反映した高値「右肩ショルダー」を相場が何度か上抜けようとトライする展開が見られます。しかし、右肩ショルダーの突破に失敗した相場はその後、下落トレンドを形成しました。つまり、この例では「だまし」が発生せず、ヘッドアンドショルダーのトレンドパターンが形成されたことになります。
このように右肩ショルダーの攻防が、ヘッドアンドショルダーの「だまし」を判断する際に重要となります。
目標株価の水準は?
ヘッドアンドショルダーのパターンが形成されたと判断した後、次は相場がどの水準まで下がるのか?を考えます。いわば目標株価を予想するわけですが、この際に判断の基準となるのが、ヘッド(2つ目の高値)とネックラインの長さ(差)です。
例えば、ある株価のヘッドとネックラインの長さ(差)が500円とします。この場合、ネックラインの水準から500円下の水準を目標株価と予想します。
結論
ヘッドアンドショルダーはトレンド転換の分析や売買を仕掛けるタイミングを考える時によく用いられます。
ヘッドアンドショルダーのパターン形成を確認するためのポイントは、3つの高値の水準をチェックすることです。2つ目の高値が最も高い水準にあること、そして1つ目と3つ目の高値が2つ目の高値よりも低い水準にあり、かつほぼ同じ水準となっていることをチェックします。
また、ネックラインを下抜けているかどうか?をチェックすることも重要です(ヘッドアンドショルダーズトップのケース)。
ヘッドアンドショルダーは、損切りの水準を考える際にも役立ちます。ネックラインを下抜けた後の戻り高値を損切りの水準と考えます。
または、ネックラインがレジスタンスラインへ転換したことが確認される場合、損切りをする方法もあります。
ヘッドアンドショルダーのパターンが形成されたと判断した後は、目標株価を予想します。この際、ヘッドの水準(2つ目の高値)とネックラインの水準の長さ(差)が目標株価になると予想します。
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