ピンバーを活用してFXでトレンドの転換点を見つける方法とは?有効な取引手法も解説


ピンバーはまるでピノキオの鼻のような形状をしていることから、「ピンバー(Pinocchio Bar)」と呼ばれています。ピンバーの定義は、ヒゲの長さが実体部分の3倍以上、長いヒゲに対する反対のヒゲの末端までの長さが20~30%以内とされることが一般的です。
ピンバーの長いヒゲは、一度は大きく動いた価格がその後大きな抵抗を受け、元の価格帯まで押し戻されたことを示しています。そのため、ピンバーは主にトレンドの転換が起こるサインとして捉えられます。
ピンバーがトレンド転換のサインになる理由
ピンバーがトレンド転換のサインになる理由としては、まず形が非常に分かりやすいことが挙げられます。チャート上で見つけやすいため、多くのトレーダーがピンバーを意識し、結果的に同じタイミングで買いや売りのエントリーをしやすいのです。
加えて、価格が大きく反発したということは、多数のトレーダーが含み損を抱えており、損切りをするために保有しているポジションとは逆方向の取引をすることになります。例えば、買いポジションを抱えている場合は、売り取引をして決済をします。
したがって、これらのことから逆方向の取引が増え、トレンドが転換しやすくなるのです。
ピンバーとスパイクの違い
ピンバーとスパイクの違いは、「ほぼ十字線(始値と終値が同じ)のピンバーに対し、スパイクバーはやや実体があること」とする見解が国内ではよく見られます。しかし、海外ではピンバーもスパイクバーも一緒とされることがほとんどです。
ほぼ実体が無いものをピンバー、やや実体があるものをスパイクバーと区別した場合でも、本記事で解説している種類や手法は問題なく活用することができます。
ピンバーの種類
ピンバーは以下の3種類に分けることができます。
1. 上昇ピンバー
上昇ピンバーとは、実体部分に対して下方向に長いヒゲが伸びたローソク足です。始値から安値にかけて一時的に大きな下落があったものの、その後大きく上方向に反発して終値を付けたことを示しています。



例えば、上の画像では1本目が陰線、2本目は1本目の始値を超えた位置で終値が確定した陽線となっています。すると、2本のローソク足が合体して隠れピンバー(合成ピンバー)となり、トレンドの転換を示唆します。
上昇ピンバーや下降ピンバーに比べ、隠れピンバーは見つけることがやや難しいかもしれません。しかし、隠れピンバーを見つけられるようになれば、ピンバーを活用した取引の回数を大きく増やすことができます。
FXのピンバーを用いた手法
FXのピンバーを用いた手法では、以下の2パターンのエントリー手法がよく使われます。
- 上昇ピンバーで買いエントリー
- 下降ピンバーで売りエントリー
ここでは、下降ピンバーで売りエントリーをする方法について具体的に解説していきます。以下の画像は、ドル/円の日足チャートです。このチャートの右側にある最後のローソク足に注目してください。
ドル/円 日足チャート(2024年8月~2024年11月)

ローソク足が長い上ヒゲを持ち、下側に比較的小さな実体が位置しています。つまり、チャートの右側にあるのは下降ピンバーです。
この日は上昇トレンドの継続で始まり、このローソク足の形成中、トレーダーは期待に胸を膨らませて通貨ペアを最高値まで買い上げました。しかし、その勢いは長くは続かず、156.75まで上昇したところで価格が拒否され、その日の上昇の大部分が帳消しになったことを示しています。
下降ピンバーが現れた後に売りエントリーをする場合、損切りの逆指値注文は下降ピンバーの上ヒゲの少し上に置くのが一般的です。それでは、下のチャートで、その後の値動きがどうなったかを見てみましょう。
ドル/円 日足チャート(2024年9月~2024年12月)

上のチャートでは、上昇トレンドが下降トレンドに転換し、それが継続したことが分かります。ピンバーは高値がついた後に売りが入ってきたことを示す初期のサインとなり、その後は数週間にわたって弱気圧力が続きました。
また、ピンバーのヒゲはサポートラインやレジスタンスラインとしてよく機能します。そのため、ピンバーはトレンドの転換点が分かるだけでなく、市場で重要な役割を果たす水準を早期に確認するために利用することも可能です。
ピンバーと相性が良いインジケーター
ピンバーをより効果的に活用するためには、インジケーターと組み合わせて使うとよいでしょう。確かに、ピンバーはトレンドの転換点を捉えるのに有効なチャートパターンですが、ピンバーを使ったからといって必ず勝てるわけではないからです。
例えば、トレンド転換のサインとしてよく使われるインジケーターにRSIがあります。RSIは買われ過ぎや売られ過ぎを判断することができ、70以上は買われ過ぎとして売りサイン、30以下は売られ過ぎとして買いサインとなります。
以下の画像は、ドル/円の日足チャートです。このチャートの下降ピンバー付近で、RSIが70を超えて売りサインを出しています。
ドル/円 日足チャート(2024年8月~2024年11月)

そのため、エントリーの根拠がピンバーとRSIの2つとなり、勝率の向上が期待できます。「ピンバーだけで勝てる」と油断せず、取引をする際はインジケーターと組み合わせるようにしてください。
ピンバーが連続して現れた水準は強い抵抗帯
ピンバーが何度も現れた水準は、値動きの先に強い抵抗帯が存在する事を示しています。つまり、トレンドの転換や停滞が起こる可能性が高いと判断できるということです。
ピンバーが特定の水準で繰り返し出現する場合、それは市場参加者がその価格帯を重要な節目として認識し、売買を繰り返していることを示唆しています。必ずトレンドの転換や停滞が起こるわけではありませんが、ピンバーが連続している箇所を見つけることができれば、それは大きな取引のチャンスになるでしょう。
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画面が切り替わったら、「FX」の項目をクリックして取引したい通貨ペアを選び、「注文」ボタンを押しましょう。


5. ポジションを保有する
最後に「注文確定」ボタンを押すと、ポジションを保有することができます。

FXの取引方法について詳しくは、こちらのページをご覧ください。
FXでピンバーを使う際の注意点
FXでピンバーを使って取引する際の注意点は、主に以下の5つです。
1. ローソク足が確定してからエントリーする
ピンバーを使って取引をする際は、基本的にローソク足が確定してからエントリーをするようにしましょう。なぜなら、ローソク足が確定しないうちは、価格が上にも下にも動く可能性があり、最終的にピンバーにならないことがあるからです。
例えば、ローソク足が終値を付ける前に上昇ピンバーのような形状をしていたとしても、その後に急騰や急落があればピンバーにはなりません。したがって、ピンバーなどのローソク足パターンを使って取引をする時は、ローソク足の完成を待つようにしてください。
2. コマ足と混同しないようにする
ピンバーとコマ足はよく似たローソク足パターンであり、混同しないように注意する必要があります。コマ足とは、ヒゲが上下に均等に伸び、実体がコマのように短くなっているローソク足のことです。

コマ足は市場に迷いがあり、強気筋と弱気筋のいずれも支配的ではない状況を示しています。つまり、トレンドの転換を示すピンバーとは異なり、コマ足は基本的に相場の停滞のサインとなります。そのため、ピンバーとコマ足をしっかりと区別し、「エントリーをしたが自分の思ったように動かない」という事態を避けるようにしましょう。
3. ピンバーか迷ったら使わない
ローソク足がピンバーにあたるかどうか判断に迷ったら、取引を見送るのが賢明です。というのも、同じチャートを見ている世界中のFXトレーダーも同じように迷っている可能性があるからです。
他のトレーダーが「これはピンバーでは無い」と判断した場合、同じタイミングで大量の買いや売りが入る見込みは低くなります。少しでも「怪しいな」と感じたら、他のピンバーを探すか、新たにピンバーが現れるのを待つようにしてください。
4. 上位足のトレンドに逆らわない
ピンバーが現れたからといってすぐに取引をするのではなく、上位足のトレンドに逆らっていないか確認しましょう。長期のトレンドの方向性を考えずに取引していると、相場の逆の動きに巻き込まれやすくなるからです。
例えば、15分足で下降トレンドが発生しており、上昇ピンバーが底値圏で現れたとします。しかし、日足が勢いのある下落トレンドだった場合、15分足の上昇ピンバーが上手く機能せず、上昇トレンドに転換できない可能性が高くなってしまいます。
そのため、一つの時間足だけでなく上位足と下位足の両方を分析し、長期のトレンドと一致する方向にのみ取引するようにしてください。
5. ダマシが発生することもある
ピンバーは有効なローソク足パターンです。しかし、ダマシが発生することもあります。ダマシとは、ローソク足パターンやインジケーターなどのサインとは異なる方向に相場が動く現象のことです。
例えば、下降トレンドの安値圏で上昇ピンバーが現れても、また下落を再開してしまう場合があります。ピンバーが現れれば、必ずトレンドが転換するというわけではないのです。
したがって、ピンバーのみに頼るのではなく、インジケーターやファンダメンタルズ分析などを組み合わせて分析をし、エントリーの精度を上げるようにしてください。また、適切なリスク管理を行い、常に損失を最小限に抑える意識も持っておきましょう。
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まとめ
ピンバーはヒゲが実体部分よりも3倍以上長くなっているローソク足パターンであり、相場の高値圏または安値圏付近に現れるとトレンドが転換する可能性を示します。その見た目はとても分かりやすく、使いやすさも優れています。
ただし、ピンバーの出現は必ずしもトレンドの転換を示すものではなく、ダマシとなることもあります。そのため、取引をする際はピンバーだけに頼ってエントリーをするのではなく、インジケーターやファンダメンタルズ分析などを組み合わせることで、エントリーの精度を高めることが重要です。
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