コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

FXにおける売り買いの仕組みと取引方法や売買タイミングの解説

FXで取引をするには、取引の基本となる「売り」と「買い」を理解する必要があります。FXの売りと買いとは何か、売りと買いの見極め方、具体的な取引方法などについて分かりやすく解説します。

Source: Adobe images

FXの売りと買いとは?その意味と仕組み

FXの「売り(BID、Sell))とは、今後価格が下落することを予想し、通貨ペアの売りポジションを保有するという意味です。この場合、通貨ペアを構成する2つの通貨のうち、左側の通貨を売って右側の通貨を買うことになります。

例えば、通貨ペアがドル/円なら、ドルを売って円を買うということです。 もし1ドル=100円でドル/円の売りポジションを保有し、1ドル=99円になれば(米ドル安/円高となれば)、1円分が取引の利益です。逆に、1ドル=101円になると1円分の損失が発生します。

また、損益は注文数量によって以下のように増減します。

新規売り注文
(ドル/円)
新規売り注文
(ドル/円)
注文数量 損益
(差額)
100円 99円 1通貨 1円の利益
100円 99円 1万通貨 1万円の利益
100円 99円 10万通貨 10万円の利益
100円 101円 1通貨 1円の損失
100円 101円 1万通貨 1万円の損失
100円 101円 10万通貨 10万円の損失

一方、「買い(ask、buy)」とは今後価格が上昇することを予想し、通貨ペアの買いポジションを保有することです。こちらの場合、通貨ペアを構成する2つの通貨のうち、左側の通貨を買って右側の通貨を売ることになります。

例えば、通貨ペアがドル/円なら、ドルを買って円を売るということです。

もし1ドル=100円でドル/円の買いポジションを保有し、1ドル=101円になれば1円分が取引の利益です。逆に、1ドル=99円になると1円分の損失が発生します。

また、売りの場合と同じく、買いの場合も損益は注文数量によって増減します。

新規買い注文
(ドル/円)
決済売り注文
(ドル/円)
注文数量 損益
(差額)
100円 101円 1通貨 1円の利益
100円 101円 1万通貨 1万円の利益
100円 101円 10万通貨 10万円の利益
100円 99円 1通貨 1円の利益
100円 99円 1万通貨 1万円の利益
100円 99円 10万通貨 10万円の利益

売りから入る取引は、「高い価格で売った通貨を安い値段で買い戻す」仕組みになっていることで、価格が下落すると利益になり、逆に買いは「安く買ったものを高く売る」ことで、価格が上昇すると利益になります。しっかりと覚えておきましょう。

FXで売りから入るデメリットとは?

価格の下落から利益を得ることができるFXの売りですが、気を付けたいデメリットもあります。まず、初心者にとって、価格が今後下がることを見越して高い時に売るという行為は、買う場合と比べてイメージがわきづらいものです。

買い 売り
価格が今より上がると見込んで、安いうちに買う 価格が今より下がると見込んで、高いうちに売る

加えて、日本円が絡む通貨ペアでは、売り取引をした場合にスワップポイントがマイナスになることが多く、毎日金利を支払うことになってしまいます。スワップポイントのデータは各FX業者が提供しているため、取引を始める前に必ずチェックしましょう。

FXで通貨ペアに影響を与える3つの要因

通貨ペアの値動きには、主に次の3つの要因が関わってきます。

  1. 政治
  2. 経済政策
  3. テクニカル分析

1. 政治

政局の不安定さや腐敗行為、政権交代は、通貨の価値に大きな影響を与えます。例えば、2016年の米国大統領選挙で、民主党のバラク・オバマ氏の後任として共和党のドナルド・トランプ氏が大統領に選出された時、ドルの価値が急上昇したのは記憶に新しいところです。

2. 経済政策

通貨の価値には、その国の経済政策や状況も深く関わっています。具体的には、GDP(国内総生産)や金融・財政政策などを注視する必要があります。

例えば、米国が利上げを行うと、ドルを買って米国に投資をする人が増えるため、ドルの価値が上がりやすくなります。各FX業者が提供している経済カレンダーには、金融市場を揺るがすようなイベントの予定が示されているため、定期的にチェックすることをおすすめします。

3. テクニカル分析

過去のデータや市場のパターンに注目するテクニカル分析を軸に取引を行うトレーダーは、自らの取引の基礎を形成するために、サポートラインやレジスタンスラインになっている、またはなりそうな重要な価格帯、トレンド、その他のインジケーターが示す売買シグナルを重視して取引をする傾向があります。

例えば、過去のチャートで、ある価格帯で何度も値動きが反転している場合、その価格帯では将来も値動きが反転する可能性があります。さらに、多くのトレーダーが注目しているテクニカル分析のポイントでは、価格が大きく動くこともあります。

FXで売りと買いを見極める方法5選

FXで売り買いのタイミングを判断するための代表的な方法には、次のようなものがあります。

  1. ローソク足
  2. 移動平均線
  3. 水平線
  4. トレンドライン
  5. ファンダメンタルズ分析

相場に合わせて売りと買いを見極める方法を学び、取引機会を増やしましょう。

1. ローソク足

ローソク足とは、一定期間の相場の始値(最初に取引された価格)、高値(最も高く取引された価格)、安値(最も安く取引された価格)、終値(最後に取引された価格)を1つにまとめて表したものです。ローソク足は大きく分けると、始値より終値が高い「陽線」と、始値より終値が安い「陰線」の2種類があり、色によって価格が上がったか下がったかを表します。

ローソク足の陽線と陰線

そして、陽線と陰線の中でも、ローソク足の実体(始値と終値を四角で囲んだ部分)が他と比べて明らかに大きなものは、「大陽線」と「大陰線」と呼ばれ注目されます。

ローソク足の大陽線

大陽線は始値から大幅に価格が上昇したことを示し、上昇局面で現れるとさらなる上昇を示すサインであるとされています。逆に、大陰線は始値から価格が大きく下落したことを示し、下落局面で現れると下落の継続が想定されます。

したがって、上昇局面で大陽線が出たら買い、下落局面で大陰線が出たら売りのシグナルと見なすことができます。

2. 移動平均線

移動平均線とは、過去のある一定期間の価格から平均値を計算し、それらを線で結んだものです。移動平均線は基本的なテクニカル指標の一つであり、世界中の投資家に愛用されています。

ドル/円の移動平均線

移動平均線は、一定期間の終値の平均値を結んで求めるのが原則です。例えば、5日移動平均線の場合、直近5日間の終値を合計して5で割ることで計算できます。

また、移動平均線はトレンドを判断するために、異なる期間の移動平均線を組み合わせることがあります。

短期線が長期線を下から上抜けた場合は「ゴールデンクロス」と呼ばれ、これは価格の上昇を示す買いシグナルです。一方、短期線が長期線を上から下抜けた場合は「デッドクロス」と呼ばれ、こちらは下落を示す売りシグナルとなります。

ゴールデンクロスとデッドクロス

移動平均線のクロスは相場のトレンドを一目で読み取ることができるため、初心者でも簡単に活用できる売りと買いの見極め方法です。

3. 水平線

水平線とは、チャート上の特定の価格に水平のラインを引くテクニカル分析の一つです。高値や安値に水平線を引き、ローソク足が線の近くに来たり、線にタッチしたりした時の反転を狙う手法でよく使われます。

水平線はサポートラインとレジスタンスラインの2種類に分けることができます。サポートラインとは、2つ以上の安値を結んだ水平線のことであり、この線にローソク足がタッチすると反発して上昇することが期待できます。

一方、レジスタンスラインは2つ以上の高値を結んだ水平線のことであり、この線にローソク足が触れると反発して下落すると予想できます。

水平線

サポートラインとレジスタンスラインの2種類の線が引けるようになると、特にレンジ相場で的確な取引をしやすくなります。

4. トレンドライン

トレンドラインとは、相場の方向性を分析する際にチャートに引く斜めの線のことです。線を引くだけでトレンドを分析できるため、初心者でも視覚的に理解しやすく、売り買いの判断に役立ちます。

トレンドラインには、2つ以上の安値を結ぶ右肩上がりの「上昇トレンドライン(サポートライン)」と、2つ以上の高値を結ぶ右肩下がりの「下降トレンドライン(レジスタンスライン)」の2種類があります。

上昇トレンドラインを引くと、ローソク足がこの線の上にある場合は上昇トレンドが続いていることを示し、ローソク足が下落した時にこれ以上は下がらないと予測できます。そのため、サポートラインにローソク足がタッチした時に、上昇を期待して買うのが効果的です。

上昇トレンドライン

一方、下降トレンドラインを引くと、ローソク足がこの線の下にある場合は下降トレンドが継続しており、価格が上昇した時にこれ以上は上がらないと予測できます。したがって、下降トレンドラインにローソク足がタッチした時に売りを狙います。

下降トレンドライン

ただし、これらのラインを大きく抜けてしまった時は、一気に反対方向へ動く可能性があります。その際は、速やかに損切りをして損失を限定するようにしましょう。

5. ファンダメンタルズ分析

前述した3つの分析方法はチャートを使ったテクニカル分析と呼ばれるものですが、ファンダメンタルズ分析でも売りと買いを判断することが可能です。ファンダメンタルズ分析とは、国の金融政策や経済状況を基に相場の動向を予測する方法であり、具体的には各国政府が発表する経済指標や要人発言、ニュースなどから今後の値動きを予想します。

例えば、米国の雇用統計で発表された失業率が市場予想を上回った時は、米国の労働市場が悪く、景気が悪くなるサインだと考えられます。米国の景気が悪くなれば、ドルの価値が下落しやすくなることから、ドル/円を売ることで利益が狙えると判断できるのです。

ファンダメンタルズ分析は一定の知識と経験が求められる分析方法ですが、テクニカル分析に慣れてきたらチャレンジしてみるとよいでしょう。

最新の経済指標や要人発言などの予定については、こちらのページをご覧ください。

売り買いの方法とタイミングの例

ここでは、ユーロ/ドルを使ったFXの売り買いの方法とタイミングの例をご紹介します。もしあなたがユーロ/ドルを買いたい場合、ユーロがドルに対して相対的に価値が上昇(ユーロ/ドルが上昇)すると、決済を行った時点で利益を確定することができます(取引手数料やその他の手数料によって損益額は異なります)。

この取引でトレーダーは、ユーロの買いとドルの売りを同時におこなっています。例えば、ユーロ/ドルを1.1300で購入し、1.1504まで上昇した時に決済すると、取引の利益は204pipsとなります。

ユーロ/ドル売買の例

上のチャートの例では、以下のようなテクニカル的観点が活用されています。

  • エントリー:明けの明星(モーニングスター)と呼ばれるローソク足パターンが現れています。明けの明星とは、3本のローソク足で示される強気のリバーサル(反転パターン)です。

1本目のローソク足が大陰線、2本目が小さな陰線または陽線(または十字線)、3本目が大陽線で構成されます。

さらに、RSIも「売られすぎ」のシグナルを示しています。RSIとは、買われすぎか売られすぎかを判断するために利用されるテクニカル指標です。一般的に70%以上で「買われすぎ」、30%以下で「売られすぎ」と判断されます。

RSI
  • 決済:レジスタンスラインとして機能しそうな(価格の上昇が抑えられそうな)レベルを目安にして、利益確定の水準を設定しています。

取引に用いるテクニカル分析は、トレーダーによって様々です。自分が使いやすいと感じる手法を選んで取引を始めてみるとよいでしょう。

次に、ファンダメンタルズ分析を使うトレーダーが、政治や経済のニュースを追ってドル/円を取引することを考えてみます。例えば、連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き上げを予想していた場合、海外から米国への投資が活発になり、ドルに対する需要が高まることが想定されます。そのため、トレーダーはドルの価値が上がることを期待して、買いポジションの構築に目を向けるでしょう。

FXで売り買いを判断する際の注意点

FXではどんなに分析をしても「ダマシ」が発生することがあり、必ず勝てるわけではないことには注意が必要です。ダマシとは、セオリー通りの値動きとは反対に動いてしまうことです。

例えば、移動平均線でゴールデンクロスが現れ、上昇トレンドの発生を期待して買いエントリーをしたとしても、逆に下落してしまうようなケースです。また、重要な経済指標や要人発言などによって、これまでのトレンドが一気に変わってしまうこともあります。

そのため、損切りの逆指値注文をしっかりと入れておくことで、予想外の大きな損失が発生しないように備えることが大切です。

FXの売り買いのリスク管理

FXを長く続けるには、リスク管理が欠かせません。取引の利益と損失のバランスを考えるだけでなく、潜在的なボラティリティ(値動きの大きさ)の変動を理解する必要があります。

FXの通貨ペアに影響を及ぼす要因は、時として大きなインパクトを与えることがあるため、損切りの逆指値注文を入れるなど、適切なリスク管理手法を導入することで、取引への悪影響を防ぐように心がけましょう。

FXの売り買いは複雑になることがあります。そのため、取引を開始する前に、通貨ペアの読み方など、売り買いの仕組みを十分に理解することが重要です。

初心者向けのFXの基礎知識を学びたい方はこちら

FXで売り買い両方のポジションを同時に保有するとどうなる?

FXは買いと売りのどちらからも取引を始めることができますが、同じ通貨ペアの買いポジションと売りポジションを同時に保有することを「両建て(りょうだて)」と言います。両建てをする目的は様々ですが、例えば年末に含み益のあるポジションを保有している場合が挙げられます。

「ポジションを決済すると年間の収支がプラスとなり、税金が発生することから利益を翌年に持ち越したいが、為替リスクを避けたい」と考えた場合、両建てで反対のポジションを同時に保有し、含み益を為替リスク無しで翌年に持越すことが可能になります。とても効果的であるように思える両建てですが、デメリットもあるので注意が必要です。

両建て

例えば、両建てをするとスプレッドが売りと買いの両方にかかるため、どちらか片方だけの場合に比べてコストが倍増してしまいます。加えて、売りと買い両方のポジションを保有するケースでは、一般的にスワップポイントが売りと買いで同額ではないため、その差額分のスワップポイントを毎日支払うことになってしまうのです。

両建ては含み益や含み損を固定してリスクを減らせることから、有効な手法となる場合もあります。しかし、特に初心者はデメリットに注意するようにしてください。

IG証券でFXを取引する方法

  1. ライブ口座または 無料デモ口座を開設する
  2. 通貨ペアについて調べる
  3. FX口座を選択し、取引したい通貨ペアを選ぶ
  4. 「売り」または「買い」、ロット数を選び、必要に応じて指値・逆指値注文を入力する
  5. ポジションを保有する

まとめ

ここまで、FXの売りと買いとは何か、売りと買いの見極め方、具体的な取引方法などについて解説してきました。FXの「売り」とは価格が下がると予想して、通貨ペアの売りポジションを保有することであり、「買い」は価格が上がると予想して、買いポジションを保有することを指します。

売りで取引ができるようになると取引機会が大幅に増えますが、売りは高い価格で売った通貨を安く買い戻すことで利益を得るもので、初心者にはイメージしづらい取引方法でもあります。そのため、FX初心者は、まず分かりやすい買い取引から始め、慣れてきたら売り取引にもチャレンジしてみるとよいでしょう。


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券のFXトレード

  • 英国No.1 FXプロバイダー*
  • 約100種類の通貨ペアをご用意

* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。