米ドルの売り取引をする方法とは
米ドルの売り取引は、米ドルの下落局面で利益を狙う際に選ばれます。米ドル価格に影響を与える要因、売り取引のリスクなど、米ドルの売り取引について知っておくべきことをこの記事でチェックしておきましょう。
米ドルの売り取引とは
米ドル相場の下落を予想する場合、投資家は米ドルを売って他の通貨を買います。米ドルなどの通貨の価値が下落することを「減価」と言います。
一般に、投資家が米ドルや他の通貨を売る取引を「空売り」または「ショート」といいます。思惑どおりに通貨の価値が下落すれば、利益を獲得することができます。
「通貨を売る」と一言でいっても、イメージが付きにくいでしょう。そこで、為替取引(FX取引)の基本から説明させていただきます。
為替取引は基本的にペア(対)で行います。例えば、米ドルと日本円ならば「ドル円(USD/JPY)」と、ペアのかたちで表記されます。現在の米ドルの価値が日本円に対して高すぎると考える場合は米ドルを売り、ペアとなる日本円を買うことになります。
逆に、現在の米ドルの価値が日本円に対して安すぎると考える場合は米ドルを買い、ペアとなる日本円を売ることになります。これが為替取引の基本となります。
通貨ペアの表記について
上で述べたとおり、為替取引(FX取引)は「通貨ペア」で行います。ドル円(USD/JPY)でいえば、米ドル(USD)を売買することは、同時に日本円(JPY)を売買することを意味します。
そして通貨ペアの表記は必ず左側に「ベース通貨」、右側に「クオート通貨」というかたちとなります。ドル円でいえば、ベース通貨は「米ドル(USD)」となります。一方、クオート通貨は「日本円(JPY)」となります。
ベース通貨は、常に「1」と考えます。そのベース通貨に対してどの程度の価値があるのか?を表しているのが、クオート通貨です。
例えば、現在のドル円のレートが「1米ドル=140円」ならば、1米ドルに対して、現在の日本円の価値は140円で計算されている、ということです。
なお、米ドルは世界の基軸通貨ですが、常にベース通貨(左側)で表記されるわけではありません。例えば世界で最も取引量の多い通貨ペアは米ドルとユーロですが、ベース通貨がユーロ(EUR)でクオート通貨が米ドル(USD)となります(EUR/USDと表記されます)。
IG証券では、世界中のマーケットでお取引ができるCFD(差金決済取引)を提供しています。為替取引(FX取引)では、100種以上の貨ペアのお取引ができます。
CFDはレバレッジ取引となります。このため、お取引の際は、しっかりとした保有ポジションのリスク管理-例えば、保有ポジションにストップロスやリミットの注文を付けることで、相場の変動リスクに対応することが重要となります。
FX取引についての詳細はこちらをご覧ください
米ドルの取引方法
- IG証券で取引口座を開設する(IG証券ではデモ口座を提供しています)
- 取引システムにログインしドル円やユーロドルなど、ドルストレートの通貨ペアを選ぶ
- 取引ロット数や取引方法(成行、指値)を設定し、売買を実行する
- 米ドル売りのポジションを保有した後に、ストップロスやリミットの注文を付けてリスク管理を徹底する
CFDでの為替取引
CFD(差金決済取引)は、レバレッジ取引となります。レバレッジとは、少ない資金で大量の通貨を取引することができる手段のことです。レバレッジ取引では、少ない証拠金で多くの金額を取引することが可能です。このため、通常の取引と比べてより大きな利益を獲得できるチャンスがあります。一方、証拠金を上回る程の多大な損失が出ることもあります。よってCFDでは、ポジションのリスク管理が重要になります。
米ドル売りの目的
なぜ投資家は米ドルを売るのか?
その理由は様々ですが、主に以下の2つの理由で投資家は米ドル売りの取引を考えます。
- 現在の米ドル価値が高すぎる
アメリカ経済の減速や中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを行えば、多くの投資家は米ドルの価値が下落(減価)すると予想します。そこで、米ドルを売ってこれから価値が上昇(増価)すると予想される通貨を買います。予想どおりに米ドルの価値が下落し、ペアとなる通貨の価値が上昇すれば、利益を獲得することができます。しかし、予想とは逆の展開となれば損失が発生します。
- ヘッジ目的の米ドル売り
米ドルと対照的な動きをする他の市場の資産を保有している場合は、ヘッジ戦略の手段として米ドルの売り取引を行う時があります。
米ドル相場の変動要因
- 金融政策
アメリカの中銀銀行にあたる組織「連邦準備制度理事会(通称FRB)」が利下げや量的緩和政策などの金融緩和政策を行う場合、米ドル相場は下落します。一方、FRBが利上げや量的引き締めを導入する場合、米ドル相場は上昇します。
- インフレの動向
インフレと通貨の価値は、シーソーの関係にあります。つまり、インフレは通貨の価値を下落させる要因となる一方、ディスインフレやデフレは通貨の価値を増価させます。よって、アメリカ国内のインフレ、つまりモノやサービスの価格が上昇すると、米ドルの価値は下落します。 逆にモノやサービスの価格が下落すると、米ドルの価値は増価します。
- 米ドルの需給
各国は、他国の人々が買いたいと思うような製品を製造します。そして、それらを輸出して貿易を行います。世界中の貿易で最も使われている通貨が基軸通貨の米ドルです。つまり、米ドルは世界貿易で最も需要の高い通貨といえます。この需要が高まれば、米ドルの価値は増価します。しかし、上で述べた量的緩和政策でFRBが市場に大量の米ドルを供給する場合は、米ドルの価値が下落します。
- 経済成長の鈍化
米ドルの価値は、アメリカ経済の動向に左右されます。アメリカの経済が低迷している時は、相対的に景気の良い国の通貨の魅力が高まり、米ドルの価値は下落する傾向にあります。景気を下支えするためにFRBが利下げや量的緩和政策を行うからです。
米ドルの売り取引に伴うリスク
- レバレッジ取引では、相場の急変動により想定外の損失が発生することがあります。このため保有ポジションに ストップロス注文を追加し、損失の拡大を防ぐリスク管理が重要となります。
- 米ドルのショート(売り)ポジションを保有している多くのトレーダーが、何らかの理由でポジションの解消を行う「ショートスクイーズ」が突然発生することがあります。このケースでは、損失を限定しようと米ドルを買い戻す動きが連鎖し、米ドル高が急速に進行します。この状況で米ドルの売りポジションを保有し続けると、損失が拡大していきます。
- 経済情勢や金融政策の動向だけでなく、政治情勢も米ドル相場の変動要因となります。政治の面で不透明感が高まると、米ドル相場は下落する傾向があります。
米ドル売り取引のまとめ
- 米ドルが下落すると予想する場合は、米ドルの売り取引を行います
- IG証券では米ドルの売り取引ができます。予想どおりに米ドル相場が下落する場合は、CFD(差金決済取引)で利益を得ることができます
- 米ドルの売り取引には様々なリスクがあります。例えば、多くの投資家が売りポジションを一気に解消する「ショートスクイーズ」がその一例です
- 経済情勢、金融政策の動向の他、政治情勢も米ドル相場の変動要因となります
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