今週の米ドル相場は経済指標にらみ / ドル円は125円台への上昇が焦点に
米FRBのタカ派スタンス傾斜を受け、米金利は上昇トレンドを維持。この動きに連動し、先週の米ドル相場は主要通貨で上昇した。今週は経済指標によって米金利と米ドル相場のトレンドが左右される可能性がある。ドル円の焦点は?そしてチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
今週の米ドル相場は経済指標にらみ
【サマリー】
・米FRBのタカ派スタンス傾斜を受け米金利は上昇トレンドを維持・米金利の上昇に連動し、外為市場では米ドル高の圧力が高まっている
・今週は経済指標が米金利の変動要因に
・ドル円の焦点は125円台への上昇
・米金利の上昇に連動し高まる米ドル高の圧力
米債市場では、連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派スタンス傾斜を受け、利回りに上昇の圧力が高まっている。長期金利(10年債利回り)は、2019年3月以来となる2.7%台への水準へ到達している。一方、米金融政策の方向性に連動する2年債利回りは、2019年1月以来となる2.6%台へ上昇する局面が見られた。
一方、外為市場では、主要通貨で米ドル買い優勢の展開となっている。先週の米ドル相場のパフォーマンスを確認すると、ノルウェー・クローネ(USDNOK)以外では総じて米ドル高となった。米金利の上昇に連動し、米ドル買いの圧力がジワリと高まっていることを考えるならば、今週の米ドル相場も金利にらみの展開となるだろう。
米ドル相場のパフォーマンス:4月4日の週
・米金利の変動要因は指標データ
米金利の変動要因として、今週注目すべきは経済指標である。なかでも、12日の3月消費者物価指数(CPI)は、米金利のトレンドに大きな影響を与える可能性がある。市場予想は前年同月比で8.4%と、2月の7.9%からさらに上昇する見込みである。コアのそれも同比6.6%と、2月の6.4%から上昇することが予想されている。
今回のCPIで注目すべきことは、市場予想を上回る場合の米金利の反応である。さらなるインフレの加速が意識されるならば、「米金利の上昇→米ドル買い」の展開を想定しておきたい。
一方、3月CPIが予想以上となっても、「インフレは近い将来にピークアウトする」という思惑の方が一時的に米債市場で意識される場合は、米金利の上昇幅が限られるか、もしくは調整の米債買いで低下することが予想される。
このケースで米国株や国際商品市況が上昇する場合は、資源国通貨や資源と関わりのある新興国通貨を中心に、短期的な調整の米ドル売りを想定しておきたい。
なお3月CPI以外では、14日の3月小売売上高と4月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値も米金利のトレンドに影響を与える経済指標として注目しておきたい。
米国のインフレ率(消費者物価指数)
ドル円は125円台への上昇が焦点に
・125円台への上昇が焦点に
週明けのドル円(USDJPY)は、124円台を維持してスタートした。レジスタンスポイントとして意識されてきた124.00レベルがサポートポイントへ転換する可能性があることを考えるならば、今週のドル円は、125円台への上昇が焦点となろう。先週8日の高値124.67レベルの突破は、125.00トライのシグナルと想定しておきたい。
・今週のチャートポイント
ドル円が125円台をトライするための土台は、やはり米金利の上昇である。なかでも、比較的に相関性が高い米5年債利回りの動きが重要となろう。
今週の米金利のトレンドは、上で述べたとおり経済指標の内容で上下に動くことが予想される。
米金利の上昇にサポートされドル円が125円台へ上昇する場合、最初の注目ポイントは、3月28日高値125.10レベルの突破である。
これを達成する場合は、2015年6月の高値125.85レベルのトライが焦点となろう。
一方、ドル円が反落する場合は、10日線(MA)の維持が焦点となろう。
フィボナッチ・リトレースメントで考える場合は、38.2%の水準123.37レベル、および50.0%の水準122.96レベルを維持できるかどうか?これらの点に注目したい。後者の攻防は、123円台維持の攻防でもある。
ドル円のチャート
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