ユーロ/ドルの取引に最適な時間帯とは?
ユーロ/ドルの取引に最適な時間帯は、欧州市場と米国市場の取引時間がかぶる、日本時間の午後9時から深夜0時までです。この間、ユーロ/ドルの流動性やボラティリティは最も高くなる傾向があります。ユーロ/ドルの取引に影響する要素や取引の始め方、リスク管理方法について学びましょう。
欧州市場と米国市場の取引時間
外国為替市場は平日の間、24時間取引することが可能です。しかし、どの通貨ペアでも市場参加者が多くなる取引時間があり、その時間帯は市場が最も活発で、取引高も取引数も増加する傾向があります。取引高が増えると流動性やボラティリティが高まり、ユーロ/ドルの値動きも活発になることにより取引の機会も増えます。
主な通貨ペアは平日の間、24時間取引されています。夏時間の場合、ユーロ/ドルは日本時間の月曜日午前5時から土曜日の午前6時まで取引されています(冬時間は、通常日本時間の月曜日午前7時から土曜日の午前7時まで)。
なかでも、取引が最も活発なのは、欧州市場と米国市場の取引時間がかぶる日本時間の午後9時から午前0時までです。ボラティリティの程度は日々変わりますが、ボラティリティが高まる時間帯は大きく変わりません。従って、ユーロ/ドルが上下に動く可能性のある時間帯は、日本時間の午後9時から午前0時だといえるでしょう。
経済指標の発表や中央銀行からの発表などは取引高を押し上げる要因となります。このためユーロ圏、米国どちらであってもユーロ/ドルの動向に影響を与えます。米国の主要経済指標は、主に日本時間の午後9時から午前0時の間に発表されます。例外として重要なのは、米連邦準備理事会(FRB)が年8回開始する連邦公開市場委員会(FOMC)です。FOMCの結果は日本時間の午前3時(冬時間は午前4時)に発表されます。内容次第では活発にユーロ/ドルの取引が行われ、ボラティリティが拡大することがあります。
ユーロ/ドル相場に影響を与える要素
他の外国為替取引と同じように、ユーロ/ドルはマクロ経済や地政学的な要素、中央銀行の政策動向に左右されます。
経済指標
経済指標は潜在的な景気動向を示す材料となることがあるため、のユーロ/ドルに影響を与えることがあります。経済成長の見通しは長期金利の予測に影響を与えることがあります。このため、その国の通貨の上昇/下落の要因となります。重要な経済指標にはインフレ、経常収支、財政収支、雇用や国内総生産(GDP)などの統計が含まれます。
ユーロ圏にはドイツ、フランス、スペイン、イタリアなどの国が含まれており、各国が自国の経済指標を発表するため、それぞれを確認する必要があります。
政治的イベント
地政学的なイベントもユーロ/ドルに影響を与えます。例えば、ロシアのウクライナ侵攻時、欧州はエネルギーをロシア産のガスに依存していました。欧州全域での電力やエネルギー価格が高騰しました。また、冬季にはドイツが工場を閉鎖せざるを得ないかもしれないとの懸念も高まりました。対照的に米国はエネルギーをロシアに依存しないため、欧州エネルギー問題はユーロ売り・ドル買いの要因となりました。
また、選挙で当選した政治家が経済に影響を与える公約を実行することもあるため、選挙や政策も大きな影響を与えることがあります。これには、大規模な歳出を伴う財政の拡大政策や、急激な増税などが例として挙げられます。経済予測を左右する可能性がある政策は、どれも通貨に大きな影響を与えます。
中央銀行による発表
米国のFRBと欧州中央銀行(ECB)が決定する政策金利の方向性は、ユーロ/ドルにとって重要です。特に政策金利は、最も大切な要因の一つです。
FRBやECBが利上げや利下げを決定する場合、ユーロ/ドルのボラティリティと取引高が上昇する傾向があります。政策金利が引き上げられる場合は、外国からの投資マネーが流入する要因となります。逆に政策金利の引き下げは、米ドルまたはユーロを保有するメリットが低下するため、その国(地域)の通貨が減価します。
リスク管理戦略
調査
直近のイベントや経済指標の発表など、ユーロ/ドルに影響を与える材料に関する知識を学ぶことが重要です。IGアカデミーを活用して取引の理解を深めたり、経済カレンダーを確認して相場の変動に備えましょう。
取引額
レバレッジが取引の損益に与える影響について調べておきましょう。レバレッジ取引は元本や利益が保証されていません。相場急変等により証拠金以上の損失が発生する事もあります。予期せぬ損失を防ぐため、事前に逆指値注文などのリスク管理を講じておきましょう。
ポジションを決済するタイミング
決済するタイミングを決めることも、リスク管理の一つです。指値注文や逆指値注文を使うことで、買い時・売り時を設定することができます。逆指値注文は含み損を抑え、利益を守ることにもつながります。取引計画を忠実に守ることで、情に流されずに意思決定を行えます。
ユーロ/ドルの取引に最適な時間帯のまとめ
- ユーロ/ドルを取引するのに最適な時間帯は、欧州市場と米国市場の取引時間がかぶる、日本時間の午後9時から深夜0時までです(冬時間は午後10時から翌午前1時まで)。この間、ユーロ/ドルの流動性やボラティリティは最も高くなり、取引の機会も増える傾向があります。
- 経済指標の公表、地政学的な事象、中央銀行からの発表などは、ユーロ/ドルの取引高や相場に影響を与える可能性があります。
- 外国為替証拠金取引(FX)はレバレッジ取引です。このため、ユーロ/ドルを取引する際には損失を限定するための逆指値注文などを利用する等のリスク管理が重要となります。
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