対米ドルでユーロ安が進行 一気に1.05の維持が焦点に / ユーロ円はドル円のトレンド次第
外為市場ではユーロドルの下落トレンドが続き、一気に1.05の攻防が焦点として浮上している。一方、ユーロ円はドル円の底堅さにサポートされる展開に。目先の焦点は?そして上下のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
対米ドルでユーロ安が進行 一気に1.05の維持が焦点に
【サマリー】
・欧州の地政学リスクと域内経済の減速懸念でユーロドルの下落幅が拡大
・ユーロドルは一気に1.05の維持が焦点に浮上
・ユーロ円はドル円に連動する状況が続く
・ユーロドルとユーロ円のチャートポイントについて
・対米ドルでユーロ売りが進行
昨日の外為市場ではユーロ売り優勢の展開となった。主要通貨でのパフォーマンスを確認すると、ユーロ円(EURJPY)以外の主要通貨でユーロ安が進行したことがわかる。
特に注目すべきは、ユーロドル(EURUSD)の動きである。昨日は1.06レベルを大陰線で下方ブレイクし、2017年3月以来となる安値1.0512レベルまで急落する局面が見られた。
ユーロ相場のパフォーマンス:4月27日
・ユーロ売りの背景と次のサポートポイント
ユーロ売りの背景にあるのは、ロシアーウクライナ紛争の長期化(欧州の地政学リスク)とそれに伴う域内経済の減速懸念にある。
また、金融政策の面でも対米ドルでユーロ売りが続きやすい状況にある。欧州中央銀行(ECB)による利上げ期待は高まっているが、それがユーロ買い要因となっていない事実は、米欧の金融引き締めペースの差が意識されていることを示唆している。
欧州の地政学リスクと米欧の金融政策スタンスの差が意識され続ける限り、ユーロドル(EURUSD)は調整の反発を挟みながら、新たなサポートポイントを探る展開が続こう。
目先、その水準の候補として注目すべきは、やはり1.05レベルの攻防である。テクニカルの面では、フィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準(1.0493)前後で一度反転するかどうか?この点が焦点となろう。
この水準(1.0493)をもあっけなく下方ブレイクする場合は、1.04台の維持が焦点として浮上しよう。2015年以降のユーロドルの動きを確認すると、1.04レベルまで下落すると、その後反転するトレンドパターンが見られる。
だが、上で述べたユーロ売りの状況を考えるならば、1.04レベルを一時的に下方ブレイクし、2017年1月の安値1.0339レベルをトライする可能性を今は想定しておく必要がある。
なお、2018年以降から現時点までの高安のポイントを基準にフィボナッチ・プロジェクションで下値の水準を探すと、100.0%の水準1.0430レベルが浮上する(ユーロドルの月足チャートを参照)。
ユーロドルのチャート:日足
ユーロドルのチャート:月足
ユーロ円はドル円のトレンド次第
一方、ユーロ円(EURJPY)はドル円(USDJPY)の動きに連動する展開となっている。ユーロドル(EURUSD)の下落トレンドはユーロ円の重石だが、ドル円が堅調地合いを維持する限り、ユーロドルのような急落局面に陥る可能性は低いだろう。
ドル円のトレンドが米金利に左右される状況にあることを考えるならば、ユーロ円も米金利にらみの展開と言える。
その米金利は、景気の先行きリスクを意識する局面にある。よって、米経済指標の内容に大きく反応する可能性がある。今日は1-3月期のGDP速報値、個人消費そしてコアPCEが発表される。総じて予想以上ならば景気の先行きリスクが後退することで、米金利とドル円は上昇で反応する展開を想定しておきたい。
このケースでのユーロ円は、21日線(EMA)のブレイクおよび137円台への再上昇が焦点となろう。
一方、今晩の米指標データが総じて予想以下の場合は、逆の展開が予想される。このケースでは、134円台の維持が焦点となろう。今年の3月下旬以降、この水準で相場がサポートされる展開が続いている。
テクニカルの面では、134.04がフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる。また、50日線(EMA)も134.09レベルで推移している。134.00前後はテクニカルの面でも重要なチャートポイントと言える。
ユーロ円のチャート
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