ドル円 目先の注目ポイントは130円台での底固め / ECBの早期利上げ期待は高まっているが
ドル円は米金利にらみの状況が続いている。目先は130円台で底固め出来るかどうか?が焦点に。ECBの早期利上げ期待は高まっているがユーロドルの上値は重い。目先は1.04台への下落を意識しておきたい。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ドル円 目先の注目ポイントは130円台での底固め
【サマリー】
・米金利にらみの展開が続くドル円
・目先の焦点は130円台で底固めに成功するかどうか
・ECBの利上げ観測とユーロドルの反応
・ユーロドルは1.04台の攻防シフトが焦点に
・米金利にらみの展開が続くドル円
昨日欧州時間に米金利が上昇し、長期金利は3.2%へ到達する局面が見られた。この動きにサポートされドル円(USDJPY)は、高値131.35レベルまで上昇した。しかし、NY時間は株安と原油安を受け、米金利が低下。この動きに連動し、ドル円は130.10台まで反落した。
ドル円と米金利のチャート
上のチャートを見ると、ドル円のトレンドはやはり米金利次第、という状況が見て取れる。昨日はリスク資産の下落により米債市場で利回りが低下した。しかし長期金利は3%台の水準を維持した。また、米金融政策の方向性に連動する2年債利回りも2.6%前後で高止まりしている。これら米金利の動きは、インフレがピークアウトしても連邦準備制度理事会(FRB)の期待どおりに低下しないリスクと持続的な金融引き締めが意識されていることを示唆している。
・リスク回避の米ドル買いと130円台での底固め
4月の下旬以降、米ドル相場は資源と関わりの深い国の通貨(豪ドル、南アランド、メキシコペソ、ブラジルレアル)で上昇トレンドへ転じている。
4月下旬から米株安の圧力が高まったことも考えるならば、今の米ドル高は「リスク回避の米ドル高」と言える。
FRBによる金融引き締めペースの加速と中国経済の減速懸念が意識されている状況や、「リスク回避の円買い」圧力が高まりにくい状況にあることも考えるならば、ドル円は「リスク回避の米ドル買い」にサポートされ、底堅い展開が続くと予想する。
目先、ドル円の注目ポイントは、サポートポイントの水準である。現状、129円レベルがサポートポイントとして意識されている。しかし、直近は130円台で底固めのムードが出ている。この状況が続けば、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。ドル円が130円台で底固めに成功する場合は、昨日の高値131.35レベルを突破し、さらに上値をトライする展開を予想する。
ドル円のチャート
ECBの早期利上げ期待は高まっているが
・欧州通貨買いの要因とならない利上げ期待
欧州中央銀行(ECB)理事会のメンバーであるホルツマン・オーストリア中銀総裁は先週5日、6月の理事会で利上げを決定する公算が大きいとの見方を示した。
短期金融市場でも6月の利上げを織り込む動きが見られる。また、マイナス状態にある中銀預金金利(現行マイナス0.5%)も、今年の後半にプラスへ転じることが予想されている。
ECBが早期に利上げを行う期待は日に日に高まっている。しかし、ロシア-ウクライナ紛争による域内経済の減速懸念の方が強く意識され、ユーロドル(EURUSD)は上値の重い状況が続いている。
利上げ期待が通貨買いの要因となっていないのは、ポンドドル(GBPUSD)も同じである。その共通の理由は、米国経済よりも欧州経済の方が、ロシア-ウクライナ紛争のインパクト(悪影響)が大きいという懸念にある。
また、中国経済の減速リスクが意識され、資源国通貨が対米ドルで下落トレンドへ転じている(リスク回避の米ドル買い圧力が高まっている)ことも考えるならば、ユーロドルは調整の反発を挟みながら、1.04台の攻防へシフトする展開を意識しておきたい。
なお、ユーロドルが1.04台へ下落する場合は、1.0470(4/28安値)およびフィボナッチ・プロジェクション100%の水準1.0430レベルで反発するかどうか?これらの点に注目したい。
ユーロドルのチャート
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