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ユーロドルの下落トレンドを促す3つの要因とドル円の焦点について

今週の米ドル相場のトレンドは、政策キーマンたちの言動で左右されることが予想される。注目の通貨ペアは、下落トレンドが加速しているユーロドル。3つの要因からさらに下値をトライする展開を想定しておきたい。ドル円は145円台の攻防が焦点となろう。詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

ユーロドルの下落トレンドを促す3つの要因


【サマリー】
・今週は米金融政策キーマン達の言動で米ドル高がさらに加速する可能性がある
・ユーロドルは3つの要因でさらに下値をトライする展開を想定しておきたい
・ユーロドルの下落局面で注目しておきたいチャートポイントについて
・ドル円の焦点は政府/日銀と市場参加者による「145円台の攻防」


・「ユーロ安/米ドル高」がさらに進行する3つの要因

今週は、日米欧の政策キーマン達の講演などが相次ぐ。

注目はやはり、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長をはじめとした米金融政策キーマン達の言動である。インフレリスクとそれを抑制するための強力な金融引き締め政策が必要との見解が相次いで示される場合、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げとそれに伴う米金利の先高観、そして世界経済の先行きリスクが意識され、外為市場では米ドル高優勢の状況が続くことが予想される。

今週、注目の通貨ペアは下落トレンドが加速しているユーロドル(EURUSD)である。

現状、ユーロドルは3つの要因-①経済の先行きリスク②政治のリスク③米欧の金融引き締め政策スタンスの差-により、下落幅が拡大する可能性が高い。

欧州中央銀行(ECB)はインフレの進行と通貨安に歯止めをかけるため、利上げスタンスへ急転換している。しかし、域内経済の先行きリスクの方が強く意識され、ユーロドルは2002年9月以来となる水準(0.9660レベル)まで下落し、ユーロ安が止まらない。

ロシアーウクライナ紛争の長期化により、欧州経済は引き続きエネルギーの供給リスクとインフレリスクに直面するだろう。この状況が続くことを考えるならば、欧州経済の先行きリスクは、引き続きユーロ相場の重石となろう。


経済だけでなく欧州の政治情勢もユーロ相場の重石となる可能性がある。

25日に行われたイタリアの総選挙では、メローニ党首率いる野党の極右「イタリアの同胞(FDI)」が第1党となり、中道右派連合(FDI、極右「同盟」、中道右派「フォルツァ・イタリア」)の政権が発足する情勢となった。実際にイタリアで中道右派連合の政権が発足する場合、対ロシア制裁を含めた様々な政策でEUの結束が揺らぐ可能性があろう。


そして金融政策の面でも、「ユーロ安/米ドル高」を促す状況が続く。

短期金融市場では、米国のFF金利が年内に4%台へ到達することを織り込み始めている。一方、ECBも年内に中銀預金金利を2%台まで引き上げる予想となっているが、米欧の相対的な利上げペースと政策金利の水準には明確な開きがある。そして現時点で、この差が埋まる可能性は限りなく低い。

米欧政策金利の予想推移

米欧政策金利の予想推移 ブルームバーグのデータより作成 /9月26日7時30分時点


・注目しておきたい下値のチャートポイントは?

経済の先行きリスク、政治のリスクそして金融引き締めスタンスの差が意識され「ユーロ安/米ドル高」のトレンドが続く場合、ユーロドル(EURUSD)の焦点は、新たなサポートポイントの見極めにある。

現状、ユーロドルは長期スパンのフィボナッチ・プロジェクション(2008年高値→2017年安値→2018年高値)50.0の水準0.97レベルを完全に下方ブレイクしている。この状況を考えるならば、次の注目ポイントは0.96台の維持である。2002年9月に0.9608レベルで相場が反転した経緯がある。

しかし、上で述べた「ユーロ安/米ドル高」のトレンドをさらに加速させる3つの要因を考えるならば、ユーロドルは0.96レベルをもあっさりと下方ブレイクする展開が予想される。

ユーロドルが0.96レベルを完全に下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準0.9034レベルを視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート TradingView 月足(2006年以降)

ドル円の焦点は145円台の攻防

・円買い介入の限界と145円台の攻防

政府と日銀は先週22日、約24年ぶりとなる円買い介入に踏み切った。

ドル円(USDJPY)が145円を突破した後に円買い介入を実施したことは、「145円以上の円安は許容できない」というメッセージを外為市場に放ったことになる。

しかし、円売り介入とは違い円買い介入には原資と国際協調という観点で限界がある。円買い介入の原資となるのは外貨準備だが、その大半は米国債などの証券資産である。このため円買い介入の資金を確保するために米国債を売れば米金利が上昇し、ドル円のサポート要因となる。また、国際協調の観点から米国債を売り続けるハードルも高いだろう。

しばらくは介入への警戒感から145円台がレジスタンスとなる可能性があるが、円買い介入の限界を意識した外為市場の参加者の「米ドル買い/円売り」に耐えきれなくなり、政府と日銀が「145円台の攻防」を放棄する場合、ドル円はさらに上値をトライする展開-具体的には、1998年8月に付けた高値147.67レベルのトライ&ブレイクが焦点として浮上する可能性が高まると予想する。

先週22日の高値145.90レベルおよび146円台への上昇は、ドル円がさらに上値をトライするシグナルとして想定しておきたい。


・調整の反落局面では140円台の維持が焦点に

一方、米金利の低下などでドル円(USDJPY)が反落する場合、目先の焦点は140円台の維持となろう。22日の円買い介入でも安値140.34レベルで下値がサポートされた。テクニカルの面では、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準140.49レベルでサポートされるかたちとなった。

23日に相場をサポートした21日EMA、そして140.34レベル(リトレースメント38.2%の水準)を再び下方ブレイクする場合、140.00をトライする展開を想定しておきたい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート Trading View 日足(今年8月以降)

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