ジャクソンホール会議を控え米ドル相場は小動き / ドル円とユーロドルの注目ポイント
米金利の上昇が続いているが、ジャクソンホール会議を控え24日の外為市場は小動きとなった。今日も同じ展開が予想される。ドル円は138円の攻防に注目したい。一方、ユーロドルは下落トレンドの継続を想定しておきたい。目先の焦点とチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ジャクソンホール会議を控え米ドル相場は小動き
【サマリー】
・インフレリスクと金融引き締めを意識する米債市場
・ジャクソンホール会議を控え米ドル買いは限定的
・ドル円の焦点とチャートポイント
・ユーロドルの焦点とチャートポイント
・ジャクソンホール会議を控え米ドル買いは限定的
米債市場では利回りの上昇基調が続いている。23日のさえない経済指標で一時低下の局面が見られた長期金利(10年債利回り)だったが反発基調を維持し、昨日は3.1%台へと上昇した。一方、金融政策の方向性を織り込みながら動く2年債利回りは、6月中旬以来となる3.4%の水準へ到達する局面が見られた。これらの動きは、米債市場の参加者が高インフレの長期化と、それを抑制するために連邦準備制度理事会(FRB)が連続で大幅利上げを行ってくる可能性を意識していることを示唆している。
米債市場の動きに24日の外為市場は米ドル買いで反応した。しかし全面高とはならず、また米ドル高の幅も限定的だった。ジャクソンホール会議(パウエル発言)の見極めムードが次第に高まっている。
米金利のチャート
ドル円の焦点とチャートポイント
・米金利の上昇と138.00の攻防
ドル円(USDJPY)は、136.00-138.00を中心としたレンジ相場のムードが出ている。ジャクソンホール会議でのパウエル発言を見極める必要があることから、今日のドル円も上記のレンジで売り買いが交錯する可能性がある。
だが、上昇基調が続く米金利と強い相関関係にあることを考えるならば、ドル円の焦点はレンジの上限138.00の攻防である。
ドル円が138.00を突破する場合、テクニカルの面で注目したいチャートポイントは、フィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準138.29レベルである。このテクニカルポイントをも突破する場合は、7月21日の高値138.87のトライ&ブレイクが焦点として浮上しよう。
・米国債の買戻しによるドル円の反落リスクを警戒
米長期金利は3.1%台へ、2年債利回りは6月中旬以来となる3.4%台まで上昇している。米国債の買戻しを狙っている投資家にとって今の金利水準は魅力的である。よって、米国債の買戻しによる金利の低下とそれに伴うドル円の反落も考えておく必要があろう。
ドル円が反落するケースでの焦点は、2つの10日線の攻防である。10日MAと10日EMAはともに、今月23日の下落を止めた136.00レベル前後で推移している。どちらの移動平均線もサポーラインとして意識されるムードがある。
ドル円のチャート
ユーロドルの焦点とチャートポイント
・パリティ水準のレジスタンス転換
ユーロドル(EURUSD)は、パリティ水準(1.0)以下での攻防が続いている。
昨日の日足ローソク足は十字線となった。十字線は市場の気迷いを暗示するが、これはジャクソンホール会議でのパウエル発言を見極めたいとの市場心理を反映している表れだろう。
注目すべきは、このレポートで指摘している「パリティ水準のレジスタンス転換」である。昨日は見事にパリティ水準で戻りが止められた。23日に続き同じ展開となったことで、レジスタンス転換の可能性が次第に高まっていると考えたい。
実際にパリティ水準がレジスタンスポイントとして意識される場合は、直近安値0.99の下方ブレイクと下落幅の拡大を想定したい。
・ECBの大幅利上げの可能性が浮上しているが
短期金融市場では、欧州中央銀行(ECB)が今年10月の会合までに中銀預金金利を1ポイント引き上げる可能性を織り込んできた。予想どおりならば中銀預金金利は1%となる。
ECBの利上げスタンスは、ユーロの買戻し要因となり得る。しかし、ユーロ相場のメインテーマが高インフレとそれによる経済の先行きリスクにある以上、利上げ政策でユーロ買いとなっても上昇トレンドを形成するインパクトはないと予想する。
パウエルFRBによる持続的な金融引き締め政策とそれに伴う米欧の利上げペースの格差もユーロ相場の重石となり続けるだろう。
上で述べたとおり0.99の下方ブレイクと23日のレポートで指摘したフィボナッチ・プロジェクション76.4%の水準0.9858、そして100.0%の水準0.97レベルをトライする展開を想定しておきたい。
ユーロドルのチャート
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