今日の注目材料は米経済指標後の動き / ドル円とユーロ円のチャートポイント
FOMCの前に外為市場が動くなら米国の経済指標がそのきっかけとなる可能性がある。ドル円とユーロ円は21日線で上値が止められている。米国の経済指標がさえない内容となれば、ともに反落リスクを警戒したい。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
今日の注目材料は米経済指標後の動き
【サマリー】
・FOMCを控え外為市場は動意の薄い状況
・今日の焦点は米経済指標の反応
・ドル円は21日線と短期サポートラインのトライが焦点に
・ユーロ円は21日線と75日線の攻防に注目
・FOMCを控え動意の薄い状況
25日の欧米株式市場は総じて底堅い展開となった。原油先物価格の反発を受け米国の株式市場ではエネルギーセクターが3.7%上昇し、昨日の相場を下支えした。
リスク選好優勢を受け、外為市場では資源国通貨が買われる一方、米ドルと円を売る動きが見られた。しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に大きな変動は見られなかった。今日も動意の薄い状況が続くことが予想される。
米ドル相場 25日のパフォーマンス:対G10通貨
・今日の注目材料は米経済指標
今日は、 5月ケース・シラー米住宅価格指数と個人消費の先行指標とされる7月米消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)が発表される。
FOMCを控える中で本日相場が動くとしたら、そのきっかけは米国の経済指標になるだろう。9月以降の連邦準備制度理事会(FRB)の政策方針は、経済情勢に左右されることが予想されるからだ。直近の雇用と個人消費関連の経済指標(雇用統計と小売売上高)では堅調さが確認された。しかし、先週発表された各経済指標ではアメリカ経済の減速傾向が示された。
5月ケース・シラー米住宅価格指数の予想(前年同月比)は20.6%(前月21.2%)、7月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)のそれは97.0(前月98.7)と、いずれも前月から低下の見通しとなっている。
ケース・シラー米住宅価格指数の推移
消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)の推移
ドル円とユーロ円 それぞれのチャートポイント
・ドル円:21日線がサポートからレジスタンスへ転換か
ドル円(USDJPY)は、136円台で底堅さを維持している。だが、昨日は21日移動平均線(MA)で戻りが止められた。今日も同じ状況が確認される場合は、21日線がサポートからレジスタンスへ転換する可能性を意識したい。
「139円前半の“レジスタンス化”→21日線の下方ブレイク→21日線のレジスタンス転換」という一連の流れが続く場合、ドル円は135円台の攻防へシフトするだろう。
このケースでの焦点は25日のレポートで指摘したとおり、今年3月から始まったドル円の上昇トレンドを象徴する短期サポートライン(3月4日安値114.64が基点)のトライ&ブレイクである。このラインは今日現在、135.10レベルで推移している。上で述べたとおり、今日の米経済指標がさえない内容となる場合は、短期サポートラインを視野にドル円が反落する展開を想定しておきたい。
一方、米経済指標が総じて強い内容となれば、今日の米国市場はリスク選好相場となることが予想される。このケースでは、外為市場で円安の圧力が高まることが予想されるため、ドル円は21日線のトライ&ブレイクが焦点となろう。
ドル円のチャート
・ユーロ円:焦点は21日線と75日線の攻防
ドル円(USDJPY)と同じく、ユーロ円(EURJPY)も昨日は21日線(MA)で上昇が止められた。上ヒゲ(日足ローソク足)が示現して反発が止められただけに、今日もこのMAがレジスタンスラインとして意識されるならば、ユーロ円の下落幅が拡大する展開を想定しておきたい。
予想通りにユーロ円が下値トライとなる場合、目先注目すべきは先週22日の下落を止め、かつ昨日の相場をサポートした75日移動平均線(MA)の攻防である。FOMC前ということもあり、ユーロ円が下落しても今日はこのMAで反転する可能性がある。
だが、海外市場がリスク回避相場となれば、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準138.27レベルおよび短期サポートラインを視野に下落幅の拡大を警戒しておきたい。なお、短期レジスタンスラインは今日現在、138.10レベルで推移している。
一方、リスク選好相場にサポートされ、ユーロ円が21線の上方ブレイクに成功する場合は、140円台への再上昇が焦点となろう。FOMC前ということもあり、短期レジスタンスラインのトライとなるなら、それはFOMC後と予想する。なお、このラインは今日現在、141.30レベルで推移している。
ユーロ円のチャート
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