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焦点はドットプロットと米金利の反応 / ドル円とユーロドルのチャートポイント

サマリー:「各市場はFOMCの結果待ちムード。焦点はFF金利の見通し(ドットプロット)。市場参加者が”タカ派過ぎる”と捉える場合は米金利の上昇、米ドル高、米株安を予想。ドル円とユーロドルのチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

焦点はドットチャートと米金利の反応

各市場の焦点は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に集中している。今回の会合でパウエルFRBはテーパリング(資産購入の縮小)ペースの加速を議論するだろう。来年3月にもテーパリングを終了するとの観測記事(WSJ)がすでに出ている。

事前のパウエル発言により、テーパリングの加速自体は各市場も織り込んでいる。よって市場が最も注目しているのは、来年のいつ利上げに踏み切るのか?そして利上げの回数は2回なのかそれ以上なのか?これらの点である。

声明文、パウエルFRB議長の記者会見、そして最新のドットチャート(FF金利の見通し)で各市場の参加者は利上げについてのヒントを得ようとするだろう。

そのヒントを探る上で最も重要視されるのは、ドットプロット(ドットチャート)である。11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で6.8%と、約39年ぶりの水準まで上昇している。11月の生産者物価指数(PPI)も同比で9.6%と、市場予想の9.2%を大幅に上回った。さらに11月の雇用統計では、平均賃金が前年同月比で4.8%まで上昇している。

CPI、PPI、平均賃金の動向

CPI、PPI、平均賃金の動向

これら指標の上昇が考慮され、ドットチャートが「タカ派過ぎる」内容となれば、米国の債券市場では利回り、特に2年債利回りの上昇幅の拡大が予想される。長期金利にも上昇圧力が高まろう。

米金利が急上昇する場合、米国の株式市場ではグロース株を中心に売り圧力が高まることが予想される。外為市場では米金利の上昇とリスク回避(米株安)による米ドル買いの展開が予想される。

米ドル高は国際商品市況にとってネガティブである。よって、資源国通貨や資源と関わりの深い新興国通貨は、対米ドルで下落幅が拡大(米ドルはこれら通貨で上昇幅が拡大)する展開が予想される。


ドル円とユーロドルのチャートポイント

・ドル円(USDJPY)

ドル円(USDJPY)は、タカ派のFOMCを意識してか米株安でも113円台を維持している。この状況で「タカ派のFOMC→米金利の上昇」の展開となれば、このレポートで注目している21日線(今日現在113.82レベル)を突破し、114円台へ再上昇する展開が予想される。

問題は、米金利の上昇を受けた米国株の反応である。グロース株を中心に売り優勢の展開となれば、FOMC後に上昇しても一過性の現象で終わる可能性がある。逆に米国市場がリスク選好相場(株高/米金利の上昇)となれば、114円台の攻防へシフトする展開を予想する。

テクニカルの面では、直近高安の半値戻し114.00レベル、およびフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準114.37レベルの攻防に注目したい。

一方、ドル円が下落する場合は、113円台の維持が焦点となろう。113.20台の下方ブレイクは短期サポートライン(今日現在113.07レベル)をトライするシグナルとなろう。サポートラインの下方ブレイクは、113.00トライのシグナルとして警戒したい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

・ユーロドル(EURUSD)

昨日のユーロドル(EURUSD)は、見事に21日EMA(今日現在1.1319レベル)で戻りが止められた。しかも日足ローソク足は、長い上ヒゲ付きの陰線引け。今年11月から21日線の突破にことごとく失敗し続けている状況も考えるならば、ユーロドルはダウンサイドリスクを警戒する局面にある。

そのリスクが高まるかどうかは12月のFOMC次第だが、上で述べたとおりドットチャートが「タカ派過ぎる」と、市場参加者が捉える場合、ユーロドルの下落幅が拡大する展開を警戒したい。

先週7日の安値1.1226レベルの下方ブレイクは、1.12トライおよび下方ブレイクのシグナルとして意識したい。

ユーロドルが1.11台の攻防へシフトする場合は、先月24日に付けた安値1.1184レベルのトライおよび下方ブレイクが焦点として浮上しよう。

一方、FOMC後にユーロドルが反発する場合は、引き続き21日線の攻防に注目したい。だが、このラインを突破しても、レジスタンスのポイントとして意識されている1.1340前後で反落する展開を警戒したい。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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