支持線と抵抗線について
支持線と抵抗線は、市場のトレンドを把握する上で重要な要素です。ここではこれらの線の見方や使い方について説明します。
支持線および抵抗線とは
「支持線」と「抵抗線」は、それぞれ「サポートライン」と「レジスタンスライン」とも呼ばれます。これらの線は、チャート上にある2つ以上の高値または安値の水準を線で結ぶことで表現されます。具体的には、「支持線(サポートライン)」は価格が下落する局面で定期的に反転する2以上のポイントを結んで表現されます。一方、「抵抗線(レジスタンスライン)」は価格が上昇する局面で定期的に上値が抑制される2以上のポイントを結んで表現されます。これらの水準は需要と供給の結果として示現します。売り手よりも買い手が多いと価格が上昇し、買い手よりも売り手が多いと価格は下降します。この過程で「支持線」と「抵抗線」のポイントがチャート上に出現します。
支持線および抵抗線の例
線を形成するポイントが多ければ多いほど、示現した線は将来の価格の動きを予測する上で信頼性が高いと考えられます。投資家は支持線または抵抗線が推移する水準に価格が達した際に売買する傾向があります。このため、これらの線が投資家の心理的障壁になることがよくあります。
価格が支持線または抵抗線の水準に触れるか抜けたものの、かなり早く戻った場合、それは単なる「だまし」と考えられます。一方、一定期間にわたって価格が支持線または抵抗線を突破し続ける場合、新たな線が出現するまで、上昇または下落が続く可能性があります。
支持線と抵抗線の特定方法
支持線と抵抗線を特定する方法はいくつかあります。これらの線を見つけるのは非常に簡単である一方で、マーケットへの最適な参入時期を選択する、またストップやリミットを設定する値を決めるのに非常に役立ちます。支持線と抵抗線を特定するために、投資家は以下を見る場合があります。
1.過去の価格データ
支持線と抵抗線は過去の価格で特定します。よって、投資家は過去の価格動向を注視します。重要なのは、過去のパターン(短期から長期まで様々な価格のパターン)を記憶し、同じパターンが再び現れた際に認識できるようにすることです。ただし、過去のパターンはさまざまな状況下で形成されます。このため同じパターンが出現してもマーケットの状況が違えば、新しい局面ではそのパターンが使えないケースがあります。
2.過去の支持線と抵抗線
支持線や抵抗線は売買のタイミングを見極めるために使用されます。しかし、これらの線が推移している水準が必ずしも売買の適正な価格を示唆しているわけではありません。上記のとおり状況が違えば、同じパターンが現れても過去とは違ったトレンドが出現する可能性があるからです。売買水準として意識するだけでなく、支持線と抵抗線をセットで捉え、これら線に挟まれた水準を「レジスタンスゾーン」「サポートゾーン」として認識することが重要です。
3.テクニカル指標
支持線や抵抗線はテクニカル分析指標に多用される動的なラインです。このラインは各市場における要因によって形成されています。ラインを形成する要因は様々である以上、ラインを形成するポイントも多数存在します。このため、市場のトレントを表しているラインを見極めるためにはチャート上で支持線や抵抗線を引く練習をすることが重要です。
支持線と抵抗線の引き方
チャート上に支持線や抵抗線を引くための方法は?以下をお読みください。
- 天井と底
- 過去の期間と支持線 / 抵抗線
- 移動平均線
- トレンドライン
これらについては、のちのセクションで詳しく説明します。
天井と底
抵抗線を天井として、支持線を底として引くためにまずは時間枠を設定します。その後、チャート上で最も高い水準(天井)と最も低い水準(底)の値を特定します。それぞれの天井と底のポイント(2つ以上のポイント)を線で結びます。下降トレンドの場合、支持線はLower Lowの各天井のポイント、抵抗線はLower Highの各底のポイントを線で結びます。上昇トレンドの場合は、支持線はHigher Lowの各底のポイント、抵抗線はHigher Highの各天井のポイントを線で結びます。
ピークと底を使って支持線と抵抗線を引きます
上昇トレンド
下落トレンド
過去の期間
ある過去の期間をベースに支持線と抵抗線を使用する場合は、15分足などの短い期間を選択してください。15分足チャートの他に1時間足と4時間足チャート上で支持線および抵抗線を引きます。長い時間枠の線が短い時間枠の線と非常に似ているか、または等しい場合、支持線と抵抗線の説明力は高いと判断できます。
過去の時間枠を使用して支持線と抵抗線を特定する
移動平均線
移動平均線を用いて支持線と抵抗線を識別することができます。有効な指標を使って最も高い天井から最も低い底までの線を引き、トレンドの動きを確認します。トレンドラインが上向きの場合、この移動平均線は支持線とみなします。逆にトレンドリアンが下向きの場合は、抵抗線とみなします。これらの線は絶えず変化しているので、動的支持線または動的抵抗線と呼ばれます。
移動平均線を使用して支持線と抵抗線を特定する
トレンドライン
トレンドラインを用いる場合は、線を引く前に少なくとも3つの天井のポイントまたは3つの底のポイントを確認する必要があります。これらの条件を満たしたラインならば、一定の説明力があると考えられます。トレンドラインをチャートにプロットすれば、上昇のトレンドラインは支持線となり、下降のトレンドラインは抵抗線となります。移動平均線の支持線および抵抗線と同じく、トレンドラインも動的な線です。
トレンドラインを使用して支持線と抵抗線を特定する
最も正確な支持線および抵抗線を引くためには、上記の方法の1つ以上を組み合わせることが重要になります。
支持線と抵抗線を用いた取引戦略
支持線と抵抗線はトレンドを見極めるために役立ちます。このため取引戦略-売買水準の決定、ストップ水準の設定、トレンドパターンの見極め-を考える上で重要な指標となります。これら線を用いた最も一般的な取引戦略は、価格が支持線に近づいたときに買い、価格が抵抗線に近づいたときに売りを仕掛ける戦略です。取引を実行する際は、これらの線が明確なトレンドにあるということを把握することが重要です。
支持線の下および抵抗線の上にストップやリミットを設定することも、これら線を用いた取引戦略です。価格が支持線または抵抗線を突破した場合、取引戦略に基づいた清算が可能となるからです。この戦略を用いる際は、まず利益目標と許容できる損失額を取引前に決定します。その後、保有ポジションにストップやリミットを付加します。
ブレイクアウト戦略も支持線や抵抗線を用いた取引戦略です。この戦略の基本は、どちらかの線を大きくブレイクする瞬間-「ブレイクアウト」を待つことです。ブレイクアウトとは、市場の勢いが増すことで支持線や抵抗線一気に突破する状況のことをいいます。この戦略を採用する投資家は、ブレイクアウトを絶好の利益を獲得する機会と捉えます。
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