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【米国株】アルファベット好決算で株価上昇、ナスダック100は最高値の更新が視野に、次はマイクロソフトの決算に注目

アルファベットの3Q決算は投資家の期待に応える内容だった。時間外で同社の株価は上昇した。今日は、時価総額で世界3位のマイクロソフトが1Q 決算を発表する。同日に発表されるメタ・プラットフォームズの3Q決算でも好決算が続けば、ナスダック総合指数に続きナスダック100も最高値の更新が視野に入ろう。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

記事のポイント

・アルファベット、3Q決算が好感され株価が時間外で上昇した
・次は、時価総額世界3位のマイクロソフトの1Q決算に注目が集まるだろう
・焦点はクラウド事業とAI事業の成長見通しにある
・ハイテク決算次第でナスダック100は、最高値の更新が視野に入ろう


ナスダック100のチャートポイント

レジスタンスポイント

・20,700:レジスタンスポイント
・20,691:7月10日 取引時間の最高値
・20,600:10月29日の高値

サポートポイント

・20,440:半値戻しと23.6%戻しの水準
・20,345:フィボナッチ・リトレースメント38.2%
・20,300:10月29日の安値、10日線
・20,267:半値戻し


アルファベット、投資家の期待に応える決算で株価が時間外で上昇

29日にアルファベット(GOOGL)が2024年7〜9月期決算(第3四半期)の決算を発表した。

売上高は前年同期比15%増の882億6800万ドル、営業利益は同比33%増の285億2,100万ドルだった。一株利益は2.12ドル(前年同期は1.55ドル)と、ブルームバーグのコンセンサス1.88ドルを上回った。6四半期連続の増収増益となった。

投資家の期待に応える決算内容を受け、株価は時間外で一時180ドルまで上昇する局面が見られた。

アルファベット 3Q決算サマリー

アルファベットのQ決算サマリー

アルファベットの決算情報とブルームバーグのデータで作成 / カッコは前年同期の内容

マイクロソフト1Q決算、株価上昇の鍵は利益の成長見通しに

30日にイクロソフト(MSFT)が第1四半期(1Q)の決算を発表する。

前回の決算では、「Azure(アジュール)」などのクラウド部門の売上高が前年同期比29%増と、前四半期の31%増から伸びが鈍化した。Azureの成長鈍化は投資家を失望させた。リスク回避相場も重なり、同社の株価は8月5日に385ドルまで下落する局面が見られた。

前回の決算後の株価下落を考えるならば、1Q決算の焦点は同社が示す利益の成長見通しとなろう。

ブルームバーグがまとめたコンセンサス予想によれば、売上高は645億1400万ドルと前四半期から減収が見込まれている。一方、前年同期比では14%増が見込まれている。調整後の一株利益(EPS)は、同比4%増の3.11ドルである。

次に部門別の売上高予想をみると、Office製品などを扱う「Productivity and Business Processes」部門は前年同期比で34%増の250億4,700万ドル、サーバー製品やクラウドサービスを扱う「Intelligent Cloud」部門は前4四半期比で減収が見込まれているが、前年同期比では9%増の264億1,000万ドルの見通しとなっている。

マイクロソフト 前四半期の内容と1Q決算以降の予想

マイクロソフト 前四半期の内容と1Q決算以降の予想

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤棒グラフ:1Qのアナリストコンセンサス

マイクロソフトは現在、クラウド事業とAI事業の基盤強化を目的にデータセンターの増設を進めている。25年度の設備投資額は約580億ドルになるとの見方もある。

問題は、巨額投資に見合うだけの収益を回収できるのか?である。この観点からも、上で述べた利益の成長見通しは同社の株価を左右するだろう。

クラウド事業の柱であるAzure(アジュール)の売上高は、今後も増加の傾向を辿ることが予想されている。しかし、25年第4四半期までの予想成長率(前年同期比)は、20%台で横ばいとなっている(下の左グラフを参照)。

一方、AIサービスの根幹を担う「Azure AI」の売上高は順調に伸びる見通しにある。Azureに対する貢献度合いも順調に伸びる予想にある(下の右グラフを参照)。クラウド事業の成長鈍化が懸念されるなか、OpenAIの収益化も含めAI関連の事業でどこまで強気の成長見通しを示すことができるのか?この点がマイクロソフトの株価を左右すると思われる。

マイクロソフト Azure関連の売上高見通しと成長率

マイクロソフト Azure関連の売上高見通しと成長率

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤棒グラフ:1Qのアナリストコンセンサス


ナスダック100の見通しとチャート分析

最高値の更新が視野に

現在、マイクロソフト(MSFT)の時価総額は世界で第3位の3兆2,000億ドルである(10月29日時点)。ナスダック100の構成比率では、現時点で時価総額世界1位のアップル(AAPL)や2位のエヌビディア(NVDA)と並び約8%を占める。ゆえに、マイクロソフトの決算はナスダック100のトレンドに大きな影響を与えるだろう。

ナスダック総合指数は29日、過去最高値を更新した。ナスダック100も強気相場を維持し、レジスタンスラインの20,500ポイントを日足ローソク足の実体ベースで突破した(下の日足チャート、赤矢印を参照)。

10日線と21日線がサポートラインとなり相場を下支えしていること、そしてMACDがゼロラインを上回る水準で推移している状況も考えるならば、ナスダック100の地合いは強い。

ネットフリックス(NFLX)、テスラ(TSLA)そしてアルファベット(GOOGL)と、ナスダック100のトレンドに大きな影響を与える企業の決算はいずれも投資家の期待に応える内容だった。マイクロソフトも同じく好決算となれば、ナスダック100の押し上げ要因となろう。

同日に発表されるメタ・プラットフォームズ(META)の第3四半期(3Q)決算も投資家の期待に応える内容となれば、総合指数に続き週内にナスダック100も7月10日の最高値をトライ、そして更新する可能性が高まろう。

ナスダック100が7月10日の取引時間に付けた高値20,691ポイントを完全に突破すれば、20,700ポイント台の攻防が視野に入ろう。

ナスダック100のチャート:日足 2024年7月以降

ナスダック100のチャート:日足 2024年7月以降

出所:TradingView

反落の局面では20,300ポイントの維持が焦点に

一方、マイクロソフト(MSFT)の決算が投資家の失望を招く決算となれば、ナスダック100は反落の展開が予想される。

ナスダック100が下値をトライする局面で注目したいのが、昨日高安の半値戻しの水準20,447レベルである。このテクニカルラインは、10月24日の安値で算出されるもうひとつのフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準20,443レベルを重なる。20,440台を重要なサポート水準と想定しておきたい。

マイクロソフトだけでなく、メタ・プラットフォームズ(META)も決算をミスすれば、ナスダック100の下落幅が拡大する展開を想定しておきたい。このケースでは、10月25日の窓開けスタート以降、サポートラインとして意識されている20,300ポイントの維持が焦点となろう。この水準に10日線が上昇している。10月29日に20,294.58 まで下落する局面が見られた。しかし10日線でサポートされ長い下ヒゲで反発、高値20,600ポイントへ上昇する起点となった(下の15分足チャートを参照)。

また20,346レベルは、10月24日の安値を起点としたフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる。先月25日以降、このテクニカルラインが相場を下支えしていることが分かる(下の15分足チャートを参照)。

ナスダック100のチャート:15分足 10月22日以降

ナスダック100のチャート:15分足 10月22日以降

出所:TradingView

米長期金利は昨日、4.33%台まで上昇する局面が見られた。金利の上昇幅が拡大している状況で今日のマイクロソフトやメタだけでなく、明日のアップル(AAPL)とアマゾン(AMZN)の決算でも利益成長の鈍化が懸念材料となれば、ハイテク株の割高感が意識されよう。このケースでは、ナスダック100の20,300ポイント割れを想定しておきたい。テクニカルの面では10月24日の安値と昨日高値の半値戻しの水準20,267ポイントの攻防が視野に入ろう(上の15分足チャートを参照)。

15分足のRSIはデッドクロスへ転じている。MACDでも同じ状況が確認されゼロラインを下回る場合は、調整売りを想定しておきたい。上で述べたフィボナッチ・リトレースメントの各水準の攻防でRSIとMACDがゴールデンクロスへ転じる場合は、ナスダック100の反発を想定しておきたい。


再掲 ナスダック100のチャートポイント

レジスタンスポイント

・20,700:レジスタンスポイント
・20,691:7月10日に付けた最高値
・20,600:10月29日の高値

サポートポイント

・20,440:半値戻しと23.6%戻しの水準
・20,345:フィボナッチ・リトレースメント38.2%
・20,300:10月29日の安値、10日線
・20,267:半値戻し



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